見出し画像

負のエネルギーは、お風呂とハーブでせき止めて

いじめられた……!と同居人がリビングに入っていた。よろよろと浴室に向かい、お風呂にお湯を溜め始めた。いつもおだやかな雰囲気の彼女。けれど今日は違う。“怒り”よりも“疲れ”の色を濃くさせながらリビングに戻り、壁に寄りかかっていた。

“いじめられた“の内容は、仕事で理不尽な拒絶にあったという。理由はわからない。周りからは、「あなたのせいじゃない。あの人の気持ちの問題だ」と言われ、自分では改善できないことにもどがしさも感じているようだ。

余裕がない人の周りにいると、思わず飛び火をもらってしまうことがある。虫の居所が悪いとか、嫌な気持ちを自分に重ね合わされてしまったとか。余裕がないその人も大変だし、周りにいる人も苦しい。まさに彼女は、そんな状況に巻き込まれてしまったのだ。

彼女とリビングで会ったのは、23時前。そういえば昨日の同じ時間にも、ここで彼女に遭遇していた。「帰ってくるのが楽しみになるように」と、次の日の夜ご飯を作っていたところだった。

彼女は今日、夜ご飯を食べれたのだろうか。夜ご飯を楽しみに、帰ってこれたのだろうか。ケトルのお湯を何度も渡す彼女を見て、人間、大きく広い心をもつことは、周りを平和にすることに直結しているのだろうなぁと思った。

「回復」をモチーフに作られたハーブティを彼女へ渡し、「ゆっくり回復できるように」と伝えた。「涙が出そう」と喜んでくれたところで、お風呂のお湯が溜まり終わった音が聞こえる。

そんな風にして、余裕の無さは電波してしまう。誰かを傷つけることは、彼女にとっても不本意で、避けたいことだろう。お風呂とハーブティで、どうか明日には回復しますように。

最後までありがとうございます!いただいたサポートは、元気がない時のご褒美代にします。