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素材の良さを引き出すために必要な状況

タケノコがおいしすぎて驚いた。というのも、前回食べた時は全然おいしいと感じなかったからだ。

今回も、前回と同じバター醤油味。違う点は、ちゃんとレシピに沿って作ったところ。油代わりにバターを使い醤油だけで味付けしたタケノコは、味が濃すぎて5切れも食べるとすぐ飽きてしまったから、今日はレシピを変えてみた。

友達がおいしかったというレシピには、まずフライパンに油をのせるところから始まる。さらに味付けは醤油だけでなく、塩コショウも使うというから驚きだ。バター醤油味といえども使う調味料はそれだけじゃない。どんなにおいしい調味料でも、合わせ方によって食材の味を殺しもするのだ。

レシピに沿って作ったタケノコは、前回と同じ素材だとは思えないほどにおいしかった。タケノコのシャキシャキした食感はそのままに、コーディングされたオイルがなめらかさを出している。バターと醤油の香りが混ざり、口に近づけると香ばしい。塩コショウをふったことで、味もすごくバランスが取れていた。

素材は一緒でも、何をどんなふうに合わせるかで、こんなにも変わるものなのか。タケノコだけでなくバターや醤油の良さもしっかり残っているので、それぞれの特性が引き出された料理になった。

人間関係も、きっとこんな感じなのだろうなと思った。素材にはそれぞれがもつ魅力があるけれど、周りの環境で輝きもするし、消されもする。どんな人と、どんなバランスで一緒に行動していくか。自分と相手の良さ両方を引き出すためには、それぞれ相性だったり、ほかの人を巻き込んだり、時には離れてみたりして調整していく必要があるのだろう。そして、ある場所で自分が発揮されなかったとしても、それはバランスが悪かっただけ。自分そのものの素材が間違っているなんてことは無いのかもしれない。

どの調味料と一緒になるかなんて、タケノコは選べないからなぁ。ある程度選べる人間たちは、自分が発揮できる環境を選べる。それってすごく幸せなことだ。

もっと食べたい、と後ろ髪惹かれながら部屋にもどり、そんなことを考えた。


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