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流山市の教育課題、小1プロブレムに対峙していくために ~その①~

ここでお伝えしたいこと

 小1プロブレムは幼稚園・保育園・その他、それぞれ違った環境育った子どもたちが小学一年生で一同に集まることから、集団としての教育が成り立たない問題。流山市は15年で100園を超える私立保育園を整備してきました。民間の保育理念や環境が、多様であることからから、小1プロブレムの事案が増えており、これは、人為的に発生させている環境であると言えなくもありません
 幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものなので、保育・幼児教育の環境づくりは流山市の教育行政の課題でもあり、その課題について記してあります。
 


何が起こっているのか?小1プロブレムって何?

 昭和時代後期から30年間もの間改善されていない、小学校1年生児のクラスで発生している問題で、幼稚園・保育園・その他施設など、それぞれ違った環境の中で育った子ども達が小学校で一斉授業に移行する時に、子どもたちの授業が成り立たなくなる問題です。

流山市は小1プロブレムが発生しやすい環境にある

流山市は待機児童対策のために15年で100園以上の保育園を民間主導で整備してきました。しかし、民間の保育理念や環境が、多様であることからから小1プロブレムが発生しやすい状況にあります。

想像してください。例えば、はだし教育&あそび中心の保育園で育った子どもと、フラッシュカードなどで漢字や英語まで学習する保育園で育った子どもたちが、小学生入学後から一斉に45分座って授業を聞く、一緒に集団生活を始める状況を。
 前者は勉強が難しいと感じるかもしれませんし、後者は授業が簡単すぎて退屈・・となるかもしれません。集団学習をただ実施するだけ(どちらかに合わせれば、どちらかに合わなくなる)では窮屈 or 退屈からか、歩き回る子がいることも自然なことではないでしょうか。

保育園と幼稚園の違いから向き合う乳幼児期の子ども

幼稚園と保育園の違い

 幼稚園は、主に教育を目的として、子どもたちの社会性や基本的生活習慣、基礎的な学習能力を育てることを目指しています。学ぶ楽しさや好奇心を育むための環境を提供し、基本的な学習スキル、言語の発達、数理能力の基礎をつくるなど、小学校に入る前の準備として機能します。
 幼稚園は3、4、5歳のお子さんが通いますが、幼稚園教育要領には「4時間を標準とすること」となっています。これは過ごしなれた家を離れ集団生活をしていくには、大人が想像する以上に精神的肉体的負担がかかるため、とされています。幼稚園教育は(理想は20~25人くらいの子どもで、とのこと)集団生活をの環境を通じて社会性を育む機会が多くあります。他の子どもたちとの関わりの中で、協調性、ルールの理解、順番を待つこと、共感する能力など、社会で生きていく上で必要なスキルを学びます。

 保育園は、保護者が仕事などで家庭での保育が難しい場合に子どもを預かり、育成することを目的としています。
 保育園は0歳から5歳のお子さんを預かりますが、保育が11時間と長時間にわたるため、質の高い保育を維持することが大きな課題です。子ども一人ひとりの発達段階やニーズに応じたきめ細やかな対応が求められますが、保育士の不足や過密な保育環境が問題となる場合もあります。
 また保護者との連携も課題と言われています。保育園は、家庭と連携して子どもの成長を支える役割を担っています。しかし、忙しい保護者とのコミュニケーションを十分に取ることはなかなか難しいという声も聞かれます。

今後の人間形成の土台をつくること、小学校への円滑な接続つくる仕組みづくりの必要性

小1プロブレムの発生や、不登校児童が増えていることから、今後は、小学校への円滑な接続にむけた教育環境を作ること、小1プロブレムの対策が必要です。これができれば、今後の人間形成の土台つくるための幼児期の教育がしっかりします。
保育園でも教育内容を充実させる必要があり、保育とのバランスをどう取るかが課題と国でも課題とされてきました。

そこで、保育所保育指針(平成29年3月告示)でも「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を考慮した保育内容や保育の計画・評価の在り方や、乳児期(0,1,2歳)の保育については、発達の諸側面が未分化であるため、内容を充実させています。

幼稚園が教育機関としての役割に重点を置いているのに対し、保育園は保育と育成を中心に行っています。しかし、幼児期の教育の重要性が高まっているため、保育園でも教育内容を充実させる必要があり、そのバランスをどのように取るかが課題です。
※流山市には教育内容を充実させる園も増えていることから、その状況を吸い上げ、流山市品質を向上させる必要があります。

自分の子育ての振り返り

私がサラリーマンだった頃、子どもを保育園に預けて働いていた時期は、プロジェクトを任され、仕事が面白い時期でもありました。そのため、繁忙期にはお迎えが20時になることもありました。

そういう時、娘たちは保育園で夜ご飯を食べさせていただいていましたが、帰る頃にはぐったり。2人はもちろん歩いて帰ることが出来ないくらい疲れていました。お迎えが遅くなる時は、いつも、おおたかの森駅から家までタクシーでした。
今考えれば、仕事も子育ても必死で、前しか見えていない状況だったのだと思いますが、子どもたちには無理をかけてしまったかなぁ、、と反省しています。

保育園は標準で7時から19時までなどと、預かりが長くなります。乳幼児の体力ではハードな環境を強いる側面もあることから、保育園と保護者のパートナーシップ、教育と養育のバランス、子どもにとって安心して成長できるよう、さらなる(保育士の方が安心して働けるよう)環境整備の充実を訴えていきたいです。
仕事と育児にバタバタであった私を支えてくださった保育士の皆様には本当に頭が上がりませんし感謝しております。彼らのためにも頑張ろうと思っています。

小1プロブレムへの対応と今後の人間形成の土台をつくる仕組みづくりの必要性

 2008年に幼稚園教育要領、保育所保育指針改定されたときに、保育所でも「保育要録」という小学校への引継ぎ文書を書くことが義務付けられました。流山市でも、小学校と保育園での情報共有が行われています。交流事業として、保育士が小学校を訪問する活動もされています。
 小学校1年生の先生にヒアリングすると、入学後3か月くらいは、10分勉強→外に遊びに行く、を繰り返し、徐々に勉強の時間を延ばすなど工夫をして集団学習に慣れるようにするなど伺いました。

 しかし、遊びを中心に育ちを促す保育園側と、カリキュラム教育が軸になっている教育、用語や慣習が異なる中、スムーズな移行が行えているとは言えず、結果、特に小学一年生時の行き渋りは依然として存在します。

 そもそも小学校入学時の前後(架け橋期)の環境があまりにも違う所に行くことによって「学校が嫌い!!」となる子どもたちを、少なくしていこうとすることは重要です。
 障害をお持ちのお子さんのことを含めて考える必要があります。

以下は、全国の幼稚園、保育園における小学校との連携への課題感を記しています。多くの園で課題を感じているようですね。

その②では、ヒアリングを通じて知った流山の課題についてさらに深堀していこうと思います。


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