ピリオダイゼーション

停滞期を抜け出すピリオダイゼーション

トレーニングを続けているとどうしても伸び悩む時期が訪れます。記録や筋肉の成長が伸び悩んでいる方に向けて、停滞期を解消する長期的なプログラムの紹介をします。

記事を読むメリット
・停滞期の破り方が分かる
・プログラムの根本的な理解が深まる
・ウォームアップの重量設定が分かる

ピリオダイゼーション
定期的にトレーニング方法を変えていく方法のことをピリオダイゼーションと言います。
基本的な考え方は、徐々に重量を上げていきながら、トレーニングの量を減らしていきます。トレーニングの強度が上がってきたら、筋肉を休める時間を設けます。十分回復を済ませたら、また重量を上げていきます。ピリオダイゼーションはこれの繰り返しです。

①筋形質増大期 3~4週間

筋形質とは、筋タンパク質にエネルギーを与える器官です。この筋形質はカーボローディングやクレアチンの摂取、トレーニングなどによって増大できます。使用重量は比較的軽めで行います。使用重量については、乳酸が溜めるのが目的なので、12~15レップを無理に追い込まずに4セットできる重量にします。時間の目安として1セット40秒で終われるといいです。

②収縮タンパク質増強期 3~4週間
収縮タンパク質とは筋力を発揮する部分のことです。筋形質期よりも高重量でのトレーニングを行います。筋力だけを向上する際に推奨されるのが、神経系を鍛える目的で行う高重量で3~5レップのトレーニングです。

フォームの安定や収縮タンパク質に刺激を与えるということを踏まえると、4~6レップを目安に行います。セット数については、トレーニング歴が長くしっかりしたフォームで行える場合は、1~2セットで十分です。逆にトレーニング歴が浅く、フォームが安定しない場合は、3~4セット行います。

③ネガティブ強化期 2週間
収縮タンパク質増強期よりさらに高重量を扱い、ネガティブ動作で筋肉に強い刺激を与えます。ネガティブ動作だけなら、普段の2~3割は高い出力が出せます。

扱う重量は、マックス重量の95~105%の重量で行います。ゆっくりと動作を行い、3~4秒かけてウエイトを下ろします。下ろしきったら、補助者に手伝ってもらい重りを上げてもらいます。自分でウエイトがコントロールできなくなったら終了です。3~6レップは可能です。

補助者がいない場合は、レストポーズ法がオススメです。やり方は、ぎりぎり3回は出来る重量を選択し、3回はやり遂げます。その後20~30秒のインターバルを儲け、再度1~2回上げます。30~40秒のインターバルをはさんだ後、最後の力を振り絞って1~2回上げます。筋肉が回復しない状態で追い込みをかけるのがポイントになります。長いインターバルだと普通のセットと変わらなくなってしまいます。

ネガティブ動作もレストポーズ法も1セット行えば十分です。負荷が非常に高いので、何セットもやると怪我に繋がったり、オーバートレーニングの要因になったりします。

④回復期 2~3週間
マシンやケーブルを用いて軽めの重量で筋肉だけでなく神経系も休めます。完全にトレーニングを休んだり、軽すぎる重量だと筋肉が落ちてしまい逆効果です。15~20レップが少しキツイと感じる重量を目安に、2~3セット行ういます。

マンデルブロ・トレーニング
マンデルブロ・トレーニングとは、物理的な刺激、化学的な刺激、回復の3つのトレーニングを1週間ごとに回していく方法です。先ほど説明したピリオダイゼーションの簡易版だと思ってください。

まず1週目は物理的な刺激と化学的な刺激の両方を与えます。ウォームアップとして、メインセットで扱う重量の40%で12~20回、70%で4~6回行います。その後、8~10レップあげられる重量で、追い込む場合は2セット、毎回余力を残すなら4セット行います。重量の目安は、マックス重量の80%です。1週目は筋肉全体にまんべんなく刺激を与えます。

2週目は、物理的な刺激を与えます。ウォームアップとして、メインセットで扱う重量の40%で12~20回、70%で4~6回、85%で2~3回行います。3~5レップ上げられる重量で、3~4セット行います。重量の目安としては、マックス重量の90~95%です。筋力を発揮する筋タンパク質や神経を刺激することが目的です。

3週目は、化学的な刺激を与えます。ウォームアップは必要ありません。マックス重量の35~40%で30~40レップ、4セット行います。1部位につき3種目行います。途中でどうしても上げられなくなったら、数秒間だけインターバルを取ります。トータルで30~40レップ行ってください。セット間のインターバルは3分を目安にします。

まとめ
・停滞期を破るには、筋形質増大・収縮タンパク質増強・ネガティブ強化・筋肉や神経の回復が重要になってくる

・化学的な刺激や物理的な刺激を隔週で与えることにより、刺激に慣れさせずにトレーニングが行える

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