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入社7年めの新しい出発でした。

異動先は、マンモス企業の中で唯一コンシューマー向け製品を扱っている部署でした。そこで、パソコンの新企画、マーケティングを担当しました。ちょうどインターネットの黎明期で、パソコンが一般家庭に急速に普及し始めていた時期です。業界全体にものすごい勢いがありました。

自由で風通しのいい企業文化のIBMの中でも、新しい職場は、輪をかけて自由でオープンでした。同じ会社なのに、別会社に転職したかのように、いろいろなことが違い、新鮮でした。

コンシューマー向けのパソコンのマーケティングに携わる人は、自ら社内公募で手を上げて他部門から異動してきた人も多く、大企業にあっても、好きなことを仕事にしている人が多かったように思います。とても個性的な人が多かったことを覚えています。

金曜日はスーツなしのスマートカジュアルな服装で出社することを奨励したり、秋葉原に小さなオフィスを借り、取締役の事業部長自らが週数日はそこで仕事をしたり、なにかと”前例がないこと”をする風土でした。

パソコン業界は年3回は新製品が出ます。スピード感、Think our of the box思考を求められました。システムエンジニア時代の経験を活かして、マーケティングのためのユーザー登録のシステムを作ったり、”Club IBM”という会員制度を立ち上げたり、ホーム−ページ作成やメルマガ発行など、全世界のIBM内でも前例がないことを、いろいろやらせてもらいました。

忙しい毎日でしたが、コンシューマー向けのサービスは、自分の消費者目線が活かせたので、手応えを感じながら、仕事をしていました。 セールの時期になると、秋葉原の量販店に販売応援に行くこともありました。店頭に立って、実際のお客様と話すのは、とても楽しい経験でした。

余談ですが、当時AptivaというパソコンのテレビCMに、香取慎吾さんに出演してもらっていて、担当者でもないのにCM収録現場にこっそり行ったり、「ぷっすま」というテレビ番組で、草なぎ剛さんとユースケ・サンタマリアさんにパソコンの使い方を教えたりするという、番外編の仕事もさせてもらって、今ではいい思い出です。

相変わらず、コンピューターそのものにはそれほど興味がなかったのですが、働く環境としてはとても楽しく、勇気を出して社内公募に応募してよかった。そう思っていました。

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