木頭6日目

今日は午前中から午後3時まで太布について学んだり、実際に体験をしたりしました。

太布は衣服が少なかった時代、それを自給する役割があったそうです。
そして、着古していくとだんだん肌触りがよくなります。実際に触ってみると、新しい太布と着古したものを比べるとその差は歴然としていました。
今きているナイロンやポリエステルで作られた服は、製品として出されている時が完成品ですが、逆に太布で作られた洋服は自分のものになり、生活をしていく中で完成してゆく。たった一つの自分の服を作ることができる点でとても魅力的だと感じました。
また木綿(ユウ)という名のとおり、木屑を集めたものはまるで綿のようにふわふわでした。

太布が伝承的に残っているのは現在、木頭だけです。
しかし、いまの太布織りのメンバーでは1年間に着物1着分の布を1〜2個しか織ることができないそうです。
しかも1つの布を約2万円で売ったとしても時給に換算すれば全く割に合わず、木頭では保存会という形だからこそ続いていることを知りました。
このままでは太布というものが日本からなくやってしまうかもしれない。
そんな事態を防ぐためにも若い後継者をとり、無形文化財として国ももっと精力をあげるべきなのではないかと思いました。

午後は実際に自分で繊維をさき、その糸をつなげる作業を行いました。
見ているだけのときは簡単そうと感じましたが、自分でやってみると思い通りにいかず、すぐ糸が切れてしまったり太さが全く定まりませんでした。
これを何本も何本も作り、着物1着分も作れるほどの糸の量になるのはとてつもない時間がかかることが身にしみて分かりました。
この作業には、熟練の技と集中力が必要だと思いました。

太布織りに使う機械も初めて見ましたが、とても複雑な作りであると感じたと同時に、微妙な違いも作り出せる繊細な機械だと思いました。

夜には木頭祭りに向けて盆踊りの練習に参加しました。
最初のうちは上手くできなかったのですが、慣れてくるに従って踊れるようになってきたので楽しかったです。
14日のときには浴衣も着せていただくことになったのでとても待ち遠しいです。

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