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🔨メリポピスタッフ日記🔨第3回

前回のスタッフ日記はうちの舞台監督が変な文章を錬成して申し訳ございません。
今回は真面目に書きますので、どうかお手柔らかにお願いします。

さて、これを読んでくださるみなさまはきっと本番を見に来てくださったと思うのですが、いかがでしたでしょうか。楽しんでいただけたと信じております。

スタッフとしては、過去一の物量で挑んだので不安なことも多かったですが、それでも楽しい公演だったなと思います。

ということで、ここからは本番登場した主要な舞台美術を(シーンの説明などを添えて)製作者の視点からざっと解説していきます。

これは街灯です。明るい画像もありましたが、あえてシルエットを持ってきました。なぜならすごく綺麗な写真だったからです。
街灯の組成は
塩ビ管50%
木材25%
コーンの錘15%
その他10%
で構成されております。
塩ビ管をバーナーで炙って曲げるのはとても楽しいので、舞台美術関係なく全員体験した方がいいと思います。

本当にきれい
photo by Sumika Abe

ここは居間です。パネル、ソファ、ドアといろんなものを置きました。
下手側のパネルには時計と本棚がありますが、両方スタイロフォーム製です。気づいたら彫ってました。

自分の傘が欲しいジョージくん
photo by Sumika Abe
傘を絶対渡したくないロバートソン・アイくん
今にも手が出そうですね。
ん?そんなシーンあったっけ?
photo by Sumika Abe

これは子供部屋です。日に日に装飾が増えていきました。六角形(通称ミツハニー)の棚の中身は子供たちの好みに合わせたものになっています(画像だと小さくてわかりにくいですが)。とてもかわいい部屋になったと思っています。ちなみに、メリーが大量の物品をカバンから出していましたが、あれは魔法です。何が出てきたか覚えていますか?すべて覚えている人はきっと神経衰弱が強いと思います。僕も10歳ぐらいまでは無双してました。

MとJが逆ですね。今気づきました。
photo by Sumika Abe

公園の石垣です。朝起きたらスタイロフォームとはんだごてを握りしめていたので、試しに彫ってみたら石垣になってました。なぞのガスが出るので、風通しの良い場所でやりましょう。台座も同じ要領です。

この箒の青、管理人が自分で塗装してました。オーシャンブルーです。
photo by Sumika Abe
ネーレウスくん、元気すぎて僕は仲良くなれないかもしれない……
photo by Sumika Abe

キッチンです。本番壊れましたが、なんとか直りました。ちょっと当たったぐらいで壊れるキッチンってどうなんですかね。ちなみに、パネルの下の青い部分や台の天板、窓枠、コンロにスポンジケーキとここでもスタイロフォームが大量に使われております。

アイシング、とかなんとか…
photo by Sumika Abe
倒れてる人はパネルとかいろいろなデザインを考えてくれました。
本番中に寝るなんて、相当疲れてたんですね……
photo by Sumika Abe

台はもちろん、テントの影も作りました。別のシーンで登場する屋根もですが、影を作るにはアルミ板をカッターで彫ります。これがとてもとても難しいです。焼きそば作った後にぜひ挑戦してみてください。

Supercalifragilisticexpialidocious
訳:スパカリ
photo by Sumika Abe
煙突掃除屋のみなさま
photo by Sumika Abe

みなさん、凧あげってしたことあります?
私は今年の年始に久しぶりにしました。程よく風の強い日を選ぶと信じられないぐらい揚がります。揚げる時は近くに木や建物のない、広い場所でやりましょう。
本番の日は良い風が吹いていたみたいですね。楽しそうです。

みんなで仲良く揚げようね
photo by Sumika Abe

一番上の画像は暖炉です。煉瓦は当然スタイロフォーム製です。製作方法は石垣とほぼ同じ、頑張ってはんだごてで溶かしました。
点火し忘れました。本当に忘れてました。え、忘れる?って思いますが、なぜか忘れてました。

お姉さんが持っているのは家宝です。割れやすいので気を付けて持ってほしいですね。
photo by Sumika Abe
ほら言ったのに。
photo by Sumika Abe
でも、中にクッキーが入っていたみたいです。よかったね。
photo by Sumika Abe

扉です。居間にもありましたが、銀行の方がおしゃれなので好きです。
この扉ですが、重心が変わるのと細い枠で扉を支えないといけないので、なかなか苦戦しました。ちなみに左右の壁はキャストが徹夜で描いてくれました。機会があれば、またお願いしたいと思っています。

サリー「バンクス氏が来てるよ!」
photo by Sumika Abe

以上、舞台美術の紹介でした。
1つでも本番来ていただいた方の記憶に残るようなものが作れていれば、非常に嬉しく思います。
ありがとうございました。

ここからは勝手に感想を書きます。
公式のスタッフ日記で書くことじゃないのは重々承知しているのですが、僕に書かせたのが悪いということで。

こうして見返すと本当にたくさんのものを作ってますね。

多分こんなに物量がなくてもよかったのだろうと思います。演出から要求された以上の工夫を足した箇所も多くあります。

じゃあ、なぜ作ったのかと考えてみると、やっぱり我々舞台が好きなんでしょうね。
夜中まで練習で残るキャストと同じように、ここまでやったんだ!と言いたいのでしょう。
しかしながら、寝る間も惜しんで考えて手を動かして体力を限界まで消費してなお、終演後は後悔反省祭りです。

メリーのように魔法が使えればきっと簡単になんでも作れちゃうんだろうな。

でも、限界を尽くして一切届く気配のない場所にあるから楽しいんだと、心から思います。

スタッフワークの1シーンです。
この人は前回万物の根源について語った人です。

とまあ、すごく働いた人かのように書いてますが、僕自身は今回さほど貢献できていな……、気にしないことにしましょう。

とにかく、楽しかったです。

今まで本当にありがとうございました。

最後に楽しそうな写真だけ載せて終わります。

みんなこのために頑張ったんだね。
photo by 松田ミネタカ様

それでは。

【今回のライター紹介】

名前:縺ィ縺ォ繝シ
所属:スタイロフォーム加工委員会
万物の根源について一言:うるせえ

<公演情報>
第11回公演 ファントム
2023年12月27日(水)@プリズムホール 小ホール
完全予約制・完全無料


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