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  • お前などちょっと仲のいいだけの友達だ

    別れる少し前に、恋人(だと思ってた人)に言われた言葉。 心の冷たい人と付き合うと心が壊れるという話。 6年間のエピソードを思いつく限り書いていきます。

最近の記事

31. 最終回

彼の方から連絡はないだろうと思っていたけど、どうでもいい内容のメールは3日に1度くらいの間隔で送られてきた。 URLだけ貼り付けた、彼独特のメール。 私は返事もせずスルーした。 そしたら、そのうちメールも来なくなった。 そして3ヶ月ほど経って、彼のことを考えない生活にも慣れてきた頃、彼から二人で飲みに行こうと誘いのメールが来た。 「次の週末どう?」と。 付き合っている間は、彼から会おうと誘ってきたことは1度もなかった。 いつも私から誘って、音信不通にされたりドタキャンさ

    • 30. 気が済んだ

      結局、彼とは心の交流が何も無かった。 ただ、利用し合っていただけ。 ただの暇つぶしとか、寂しさを埋めるとか、他にいい人がいないからその代理で。 私もようやく気が済んだ。 完全に好きな気持ちがなくならないかぎり、誰がなんと言おうと、自分がどれだけ傷つこうが、止められないのだ。 それで、私は彼に会うのをやめた。 唐突に。 彼に、「別れよう」と言う気はなかった。 だって、彼は、私と「付き合っている」なんて微塵も思ってないのを知っていたから。 「お前など、ちょっと仲のいいだけの

      • 29.もうじゅうぶんじゃないか

        私は5年以上の付き合いを経て、全くの謎だった彼の私生活・・・自宅や家族・・・ 彼のお母さんにも紹介してもらえた。 もうじゅうぶんでしょう、気が済んだ、と思った。 このまま彼と付き合っていても、結婚することは絶対にない。 ずーっとこの状態が続くのだ。どちらかがやめるまで。 完全に私だけが一方的に彼に気をつかい、彼の都合に合わせてきた。少しでも私の意見をいえば、「めんどくさい女だな」と罵倒された。 彼との未来はない。 知らない間に新しい家を建てていた彼。 そして、ひた隠しに

        • 28. 彼の嘘の住所

          そんなことがあって、彼が嘘をついていたことに気づいてしまった。 本当はすでに新しい家に引っ越したあとなのに、忘れた携帯を送って貰うために、前の社宅の住所を言ってきた。 私は彼の携帯を元払いの宅急便で送ったが、たしかに、到着の連絡が遅いとは思った。 あとから思えば、不在票を、わざわざ無人の社宅に取りに行き、それから受け取ったから、遅くなったのだろう。 これはかなり私の心が傷ついた。 何ヶ月か後、私たちが本当に別れる直前の頃、このことを彼に言った。 あの時既に引っ越していた

        31. 最終回

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        • お前などちょっと仲のいいだけの友達だ
          30本

        記事

          27.彼の新築の家

          朝になり、彼が起きてきた。 私も起きた。 朝になってみたら、興奮していた気持ちが消えていた。 彼への未練がまだあった。 昨晩の事などなかったかのように、私は振る舞い、コーヒーをいれた。 午前中に帰るという彼に、 「じゃあ車で送るよ!」と言った。 彼は「それは助かります」と言った。 私は、これで今回、また今まで通り家から離れた路地で降りて行ったら、キッパリ別れよう、それで気が済む、と思った。 高速道路を使って、片道1時間半の距離を走った。 彼の地元に着いたら、 すると

          27.彼の新築の家

          26.二度と会わない、それでいいですね?

          5年以上付き合っているのに、一度も彼の家族や友達に紹介してもらえず、むしろ遠ざけられていること、彼の家の近くに何度も車で送っているのに、一度も家の場所は教えず、毎回変な路地で降りて帰っていくことを指摘して、もう我慢できない、傷ついている、と私は彼にはっきり言った。 彼は、酔って座った目で、 「ああ、わかりました。あなたがそこまでめんどくさい女だとは知りませんでしたよ。 私のことが気に食わないなら、今すぐ帰りますよ。そして二度とあなたの前には現れない。それでいいですね?それが

          26.二度と会わない、それでいいですね?

          25. 彼が怒る時

          彼は少しのことですぐ怒った。 特に、彼が酔っ払って眠い時に話しかけたりすると、だいたい怒った。 彼と同じベッドに寝ている時、彼が怒って、「もうこの場で帰る。二度と会わない」と言った。 私は、一瞬は、それでいいと思ったけど、やっぱりダメだった。 文字通り、彼の足元で、漫画やドラマみたいに、 「ごめんなさい!もう二度と面倒くさいこといいませんから!許して!別れるとか言わないでください!!」 と泣いてすがった。 我ながら、ギャグみたいだな、と頭では思ったけど、感情は制御できな

          25. 彼が怒る時

          24. 彼のノートパソコン

          彼と旅行に行った。 私の車で行くから、一緒に乗って行ってくれるならガソリン代や高速代、宿泊費は要らないよ、と言ったら、仕事の休みを取って一緒に来てくれた。 彼はとても上機嫌だった。 見たことないくらい楽しそうだった。 ホテルに泊まった夜、ノートパソコンを閉じずにそのままで彼は寝落ちしてしまった。 今までなら絶対にノートパソコンは閉じてパスワードを入れないと開けない状態にするはずだった。 私は彼がグーグー寝ている横で、パソコンを見た。 彼の好きなSNSが表示されていた。

          24. 彼のノートパソコン

          23. ここでいいですよ

          私はずっと車がなくても生活には困らない所に住んでいた。 でも、彼が車好きで変わった車に乗っていたこともあって、急に興味が出てきて、免許を取って自分の車を買った。 それから少し彼との力関係が変わった気がする。あとから考えたら。 彼は私が車を買うということに興奮していた。 初めは車の運転も下手だったけど、慣れてきてからは、彼を家まで送っていくようになった。 彼と私の住まいは、車で1時間か2時間くらいの距離だった。 私から、運転の練習がてら家まで送っていくよと言ったら、では

          23. ここでいいですよ

          22. 彼が携帯を忘れていった話 4

          彼が私の家に携帯電話を忘れて帰ったことがあった。 携帯のメールを見たら女性と二人で会っていたことが分かり、思い詰めた私はその女性に直接メールをしてしまって後悔した・・・続きの話。 もう彼は会ってくれないだろうと思ったし、私からしれっと連絡してみる気も起きなかった。 もうこのまま別れて二度と会わないもかもなと思った。 けど 10日後。 彼からメールが来た。 メールの文面は、彼特有のスタイルで、あるYouTubeの動画のURLが貼ってあるだけのものだった。 その動画を見

          22. 彼が携帯を忘れていった話 4

          21. 彼が携帯を忘れていった話 3

          私は悩んだ。 悶々として、どうにかなりそうだった。 Nさんのこと。 彼の携帯のメールから分かった以外の時にも会っているのかもしれない。 私と彼が会わない週末、彼からメールがこない週末、彼とNさんは会ってるんじゃないか。 相変わらず、彼のSNSの投稿に、Nさんは毎回コメントを付けていた。 私が彼に会おうと誘ったのに、音信不通になって返事すらくれなかった週末、1人きりの部屋のベッドの中で、彼のSNSを見ていたら、急に、ある考えが浮かんだ。 Nさんにメールしよう。 そして

          21. 彼が携帯を忘れていった話 3

          20. 彼が携帯を忘れていった話 2

          彼が私の部屋に携帯電話を置き忘れて帰った。 携帯電話の中身を見たら、他の女性と2人で会っていたことが分かった。 彼からメールで、 「携帯忘れたからここに宅急便で送って」 と、住所を伝えてきた。 その住所は、彼の友人であるT氏から聞いていた住所と一致していた。 彼は、今まで私に一切、自分の住まいの場所を教えなかった。 なのに、今回、教えてきた。 いくら携帯を忘れて非常事態といえ、今までひた隠しにしてきた事をすんなり教えるかな?と、かなりの違和感を感じた。 でもネガティブに

          20. 彼が携帯を忘れていった話 2

          19. 私の友人たち

          彼と付き合っている間、仲のいい友達に話を聞いてもらっていた。 皆一様に、 「それ、本当に彼氏なの?」 と言っていた。 付き合いの長い友人は、彼の、私を傷つける行動に本気で腹を立てて怒っていた。 同時に、こんな男と別れない私にも怒っていた。 「その人から、ムカつくことしかされてないの、わかってる?」と。 私も分かっていた。 でも、彼が時折見せる優しさから、もしかしたらこれから私のことをもっと大事にしてくれるようになるかもという希望が捨てきれなくて、付き合うのをやめることが

          19. 私の友人たち

          ⑱彼が携帯を忘れていった話 1

          彼が私の家に携帯電話を忘れて帰ったことがあった。 付き合って4年位の頃。 彼は、スマホじゃなくて、ガラケーを使っていた。 彼から「携帯忘れたから宅急便で送って」とメールがきた。 彼のガラケーが私の家に残されていた。 この時は、全6年間の付き合いの中の後半で、私は彼の横暴に辟易しつつも、でも耐えていれば、これから私のことを本気で好きになってくれる時が来るかも・・・と思って、苦しみながらも付き合い続けていた。彼のことをもっと知ることができる、「決め手」のようなものが欲しか

          ⑱彼が携帯を忘れていった話 1

          ⑰優しい時

          彼も優しかった時はある。 ただし、優しい言動をした直後に、平気でぶち壊すようなことを言う人だった。 私が優しいと感じた彼の言動は、それはそれで本物だったのかもしれない。 でもそれは、私が「めんどくさいことを言わない・しない」前提で成り立っていた。 彼は時々、贈り物をくれた。 最初は変なものだったけど、だんだん、私の好みに寄せた物をくれるようになった。 また、地方への出張の際に現地で彼が気に入った食べ物などもお土産として買ってきてくれた。 いい感じに酔っ払った彼が、 「あ

          ⑰優しい時

          ⑯傷つきたくないよね!

          彼が仕事上の事で疲弊しているようだった。 彼は、仕事のことは一切教えてくれなかった。愚痴を言ったり相談をしてくることもなかった。 ある時彼はいつもと少し様子が違った。 私といるときに仕事仲間から電話がかかってきて、その内容で、どうも理不尽な目にあって苦しんでいるような感じがした。 詳しく聞いても私は彼の仕事のことは分からないから、何も聞かず、励まそうとして、あえて彼とたわいもない話をしている時に、彼が 「多少の苦しみはしょうがない、黙って我慢するしかない」 というような

          ⑯傷つきたくないよね!