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名言・格言、金言を引用して話す

 日本人は権威に弱いところがあり、専門家や著名人の言葉を疑うことなく受け入れてしまう傾向があります。また、歴史に名を残すような人の言葉が時代を超えて残っているのは、それが真理であり異論を差し挟む余地がないからです。
「ソニーの盛田元会長も、『マーケティング調査は必要ない』と言っていましたからね」と話すと、相手は絶対的に正しい結論を持ち出されたような気になるのです。

 あなたの実績をまだ相手が知らない段階であれば、主張の中身を偉人の言葉に担保してもらうやり方もあります。
 初対面にもかかわらずあなたが協力を申し出たことに感謝する相手に対して、次のようなフレーズをさらりと言うと、信頼感はグンと高まるでしょう。

〈例〉「交際の奥の手は至誠である」と渋沢栄一が言っていますから。

 名言・格言に限りません。ことわざや四字熟語も有効ですし、J-POPの歌詞や、映画、漫画の主人公のセリフ、アスリートの言葉でもいいのです。

○四字熟語の使用例
〈例〉ウェブの情報は玉石混交ですから。
〈例〉K県では四面楚歌の状況です。
○漫画のセリフ
〈例〉「知識」とは!!! すなわち「過去」である!!!(漫画「ワンピース」)
○アスリートの言葉
〈例〉最後に成功すれば、挫折は過程に変わる。(本田圭佑)

当代の専門家にサポートしてもらう

 テレビ番組には、学者や評論家がよくコメンテイターとして出演しています。彼らはテレビ局から呼ばれるだけあって専門分野に関する知識は深く、意見に説得力を持たせるためのボキャブラリーを持っています。
 そのためコメントの中には、強いキーワードも出てきます。それらのキーワード、主張を覚えておいて、関連の話題にときに話すということもできます。

〈例〉経済学者の高橋洋一さんによると「人口減少と経済成長に相関性はない」そうです。
〈例〉「体調が悪くなる健康法もある」と医師の森田豊さんが言っていました。

 正確な発言通りを丸暗記する必要はありません。意味とキーワードが正しければ十分です。


いつでも名言に触れられる仕組みを作る

 会ったばかりでお互いよく知らない相手に対して言葉の重みが足りないと思えば、誰でも知っている有名人の言葉を借りてしまえばいいというわけです。
 そのためには、日頃から自分の主義主張の裏打ちとなる情報や、名言を収集しておくことをおすすめします。
 書籍では専門家の意見を凝縮して読むことができますし、名言集なども数多く出版されています。また、ネット上には名言・金言を集めたまとめサイトがいくらでも見つかります。「スティーブ・ジョブズ 名言」などで検索してみてください。

 また日頃、自分で感じた「あるある」ネタや法則めいた事がらを、格言っぽく書いてみるのもおすすめです。
 ピリッとした短文を書く練習にもなりますし、慣れれば会話のシチュエーションに合わせた名言をひねり出せるようになるかもしれません。
 収集した言葉たちは、いつでも参照できるようにスマホのメモなどに記録しておき、会う相手の話題に合わせて電車移動のときなどに見返すようにしましょう。


対句にする

 ギャップのある2語の対比で印象を強くする手法です。
 古来、名言は「沈黙は金、雄弁は銀」のように対句型が多く、対比して並べられると納得してしまうものです。「一瞬も一生も、一語で変わる」のです。

〈例〉うまい、早い、安い。
〈例〉金持ち父さん、貧乏父さん
〈例〉恋が着せ、愛が脱がせる。
〈例〉課題がわからないと、解決策は見つからない。