見出し画像

他者にさえぎられずに発言をする方法

 短いフレーズで話すことの一番の効用の1つが、他者に発言をさえぎられづらいという点です。
 結論を含む短いフレーズをひと息で話す──数秒以内に完結する短文だからこそ、すらすらと話し終えることができます。

 まず発言は、はっきりと高めの大きな声で話すことが大切です。低い音程でボソボソと話していると、自信がないことを告白しているようで、「重要な意見ではないな」と受けとられかねません。当然、他者に割って入られやすくなります。
 私も、自信がないときや、それほど重要ではないと自覚しながら話すときに限って発言をさえぎられた記憶があります。

 印刷された文章でも重要なキーワードやタイトルは太字になっていたり、下線が引かれていたりします。あなたの大切なフレーズを、太字と同じ扱いのつもりで熱をこめて話してください。
 普通の会話より、やや大きめで高めの音程(長距離電話で話すときの声)で話すくらいでちょうどよいでしょう。
「これだけは言わねば!」と前のめりで発言すれば、鬼神もこれを避けるのです(※)。
※「史記 李斯伝」より「断じて行えば鬼神も之を避く」


聞く態度を作っておく

 また、さえぎられないためには周囲の聞く態度を作っておくことが予防となります。たとえば、話す中身の予告を入れて話しはじめることも有効です。
 また、「はっきり言います」などと切り出すと、人は核心が聞けると思い、黙ります。

〈例〉ちょっと日本じゃ考えられない話、聞きたいですか?
〈例〉現場の専門家が言っていた話なのですが……
〈例〉ここだけの話なのですが……
〈例〉実はホンネを言うと……

 あるいは、タメや間をとって重要と感じさせるやり方もあります。

〈例〉最先端のSEO企業ほど……展示会に出展しているというのが現実なのです。

 仮に、少しまとまった意見を話さなければならないときでも、一意ごとに短文で切って話すことが望ましいといえます。

 しかし、さえぎられる可能性が高い場面では、あえてつないで話していく方法をとるなどの使い分けが必要です。
 つまり、「○○なのですが!、これは……」「○○であったのに、なんと!……」というように接続語でつないでいくことで、口を挟ませないようにするのです。

 基本的に、少々の割り込みは無視して続ければよいのです。もしも、さえぎる発言を許してしまった場合は、これを受け流す処理をする必要があります。

〈例〉……ですよね。それも、もちろんあります。あとでふれます。
〈例〉そのことも大切です、待ってくださいね、ちょっと続けます。

 このように処理だけをして、あとは何事もなかったように話を続けるのです。

 通常、人に話をさえぎられるのは起こりがちなことです。それを考えると、大切なビジネスの話し合いなどでは特に、重要な事項から先に話していく習慣をつけておきたいものです。