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出会った人との将来を語る

 自己紹介の終わりで将来の目標が語られることがよくあります。
 たとえば、「将来は子育てに悩んでいるお母さんたちを助けたい」とか、「採用に苦労している会社さんをなくしたい」というような目標です。
 目標がなくても、その人の専門性や得意としているスキルを聞き出すことはできるでしょう。
 そうすると、あなたは仮に相手と協業したら可能になる理想を提案することもできます。つまり、相手の専門性や目標と自分の専門性とをかけ合わせたビジョンを語るのです。

 まず、相手の目標や夢、関心について聞こうとすると、まるでその人のファンとしてインタビューをしているような話し方になります。自分のことを真剣に訊いてくれる人を、悪く思う人はいません。
 そして、相手の目標や専門性がわかったところで、その人との未来予想図を描いてみせると、話はテーマ性を持ったポジティブなものになります。
 こうした視点を持つためには、あなた自身も日頃から自分が社会のどのような役に立っているかを認識している必要があります。


具体的な将来のビジョンを語り印象づける

 たとえば、販促プランナーとグラフィックデザイナーが知り合ったら、次のような枠組みを語ってイメージづけることができます。

〈例〉私たちが協業したら、集客に困る会社はなくなりますね!

 建築家と耐久性の高い鋼材を製造している会社の経営者が出会えば、次のような協業の夢がふくらむかもしれません。

〈例〉いよいよ日本でも、「100年建築」が実現しますね。

 ビジネスに発展することもあるでしょうし、その場の会話で終わることももちろんあるでしょう。ですが、売り込みではありませんので、必ずしもビジネスに発展しなくてもいいのです。

 互いの将来イメージを思い描くことで、明るくポジティブな印象が残れば十分なのです。

 だいたい、運命とは人との出会いでしか変わりません。
 未来が変わるきっかけが出会いであると自覚すると、伝えることも変わってくるでしょう。


得意分野で語る

 初対面の人と話しているとき、私は相手の希望や関心の方向を見定め、印象に残りそうなアドバイスのフレーズを考えていたりします。
 つまり、相手の仕事の話を聞いたら、ズレていてもいいので自分の専門分野からの助言をするのです。私であれば、たとえば起業をしたばかりの人には次のようにささやかなご意見をすることがあります。

〈例〉お菓子を売るより、お菓子教室を開くほうが喜ばれるのでは?

 あるいは、「肩書きにはこんなキーワードを入れたらわかりやすくなるのでは?」「もっと講師の実績回数をアピールすると集客できるのでは?」など。
 あなたの専門分野は何で、どんなアドバイスができるのでしょうか。コンサルタントでなくても、喜ばれ、参考になるひと言はあると思います。