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台風11号が迫り来る世界自然遺産・奄美大島を旅して

国立公園である金作原原生林に向かうツアーの道中、運転席に座るガイドさんがつぶやいた。「これも奄美大島だからね」。

車窓の外は大雨。今日は9月3日。沖縄方面で停滞していた台風11号が北上してきている。強風域に入った奄美大島では、局地的に強い雨が降っていた。

世界自然遺産「奄美大島」に上陸

新型コロナウイルスの影響がまだまだ大きかった1年前の2021年7月26日、奄美大島は世界自然遺産に登録された。日本では5つ目の登録で、鹿児島県では屋久島に次ぎ2番目らしい。すごいな、鹿児島。

出発前夜、台風11号がまさに沖縄方面に向かっているニュースをなんとなく聞きながらパッキング。

4泊5日、がっつり台風と共に過ごすことになりそうだなと思いつつ、少し長めの休暇をとったからには後にも引けず旅に出た。どうでもいいけど、我が家のイベントはだいたい雨だ(去年の結婚式も、一昨年の新婚旅行も)。

離島に行く理由は、もちろん美しい海があるから。そして奄美大島が世界自然遺産に登録された理由のひとつでもある、多様な自然に触れるため。とにかく、いろいろあった2022年上半期を乗り越えた自分を癒すべく、自然を欲していたらしい。

初日、晴天。奄美空港近くにある「あやまる岬」からの展望
思えば終日晴れていたのはこの日が最初で最後だった…

楽しみにしていた「金作原原生林ツアー」

島を囲う数々の美しい海はもちろん、マングローブ原生林もよかった。

二人乗りのカヌーで息が合わず喧嘩しながら乗っていたし、ガイドさんがつきっきりじゃなくて説明もほぼなかったからスポーツとしてのカヌー競技みたい

とはいえマングローブが水面に向かって力強く根を張っている姿は、まさに見たかった景色だった。

そのなかでも楽しみにしていたのが「金作原原生林ツアー」。わかりやすく言えばジュラシックパークみたいな世界観を感じられるらしい。

いろいろあるから、旅は楽しい

当日、朝。強風に煽られた雨が窓に当たる音で目が覚めた。まさに豪雨。

とりあえずガイドがいる場所に向かったが、険しい山の中にある金作原まで、行けるかどうかすら怪しいとのこと。「とりあえず行けるところまで行きましょう」とガイドさんに促されて車に乗り込んだ。旅行直前に買った一眼レフは持って行かなかった。

「せっかく奄美まで来たのに」そう思っていた矢先に言われたのが、冒頭の言葉である。

「これも奄美大島だからね」。

ああ、そうだ。これが、私の好きな旅の醍醐味だった。

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