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お前はもっと出来ると思ったけどなあ

学生のとき、勉強がきらいだったけど、数学だけが好きだった。
中学2年生のときに数学を担当してくれたH先生のおかげだ。

H先生に教わるまでは、一番きらいな科目だった。
小学生のときから算数が苦手で、受験でも足をひっぱる存在だった。
中学に入っても相変わらずだった。
中学1年生のときの担当の先生は怖くて問題を解けない生徒を集中攻撃するような先生だった。授業中は息を潜めて過ごし、テストも何とか赤点を免れるよう必死だった。

2年生でH先生に変わった。
H先生は、決して優しい先生ではない。ラグビー部の顧問でぶすっとしてて冗談も言わないし、暴力をふるう話もあった。余裕でこわい。

H先生は、テストを返すときに一人ずつ隣に呼んでコメントをくれた。
とてもどきどきする瞬間だった。
でも、そのときのテスト返却は楽しみだった。
解けた!という手応えがあったテストだったからだ。

呼ばれて、先生が持つテストを覗き込んだ。

87点だった。

やばい、めちゃめちゃ快挙である……!!
今まで20点とかばっかりだったのに…!87?!初めて見る点数やないか……!!!!
大人しい生徒だったので、態度に出すまいとしながらも興奮していた。
なんと褒めてくれるのか!先生!!!!


「お前はもっと出来ると思ったけどなぁ」


その一言だった。

証明のテストだった。



それから、数学は得意科目になった。
高校生になってからは100点を取ることもあった。

あのテスト返却のとき、「よくやったね」と声を掛けてもらえていたら、こうならなかったと思う。

『先生が、もっと出来ると思ってくれていた
87点よりもっと出来る
私は自分で気付いてなかったけど、
数学がめちゃめちゃ出来るらしい』

そう解釈していた。
だから、どんな問題でも、私には出来ないはずがないと思いこんで、出来るまで考えるようになった。
最終的に出来ると思って、出来るまでやるので、挫折なく、毎回、ほら、やっぱり出来た!という気持ちで終わるので楽しかった。

今思うと、エフィカシー高すぎてうらやましい……笑

ちなみに、最初に87点を取れたのは、H先生の宿題で間違えた問題はノートにもう一度やり直して提出というルールを怒られたくない一心で守ってしていたから。

間違えたところを分かるまでやり直す、基本に忠実にやれば成績は伸びるんだよね……

他の教科は分からないまま放ってたので赤点まみれでした……

私の数学が好きになった話と出会えてよかった先生の話でした。

先生の言葉って偉大だな~~!!


#数学がすき
#忘れられない先生

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