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「座・高円寺」という、街の優しい劇場

今回は、先日Instagramにアップした建築、
「座・高円寺」に伺った時のお話。

まだ、動画を見てない方は先にチェックしてみてね!


「座・高円寺」そもそもなんなんだろうって話なのだけど、
杉並区の文化発信の拠点として建てられたらしい。
中は劇場になっていて、演劇やダンスの公演を見ることができる。
私が行った時にも公演が行われていて、賑わっていた。
近所にこういう場所があるのっていいよね、なんだか落ち着く。

とか言ってみたけど、私は前は、高円寺に住んでて。
あれ、徒歩5分圏内のところに住んでたな。何かおかしいな。
なんで近くに住んでいた時に、もっとここに来なかったんだろうと、
今になって後悔している。時すでに遅し。灯台下暗し。

そういうことってあるよなあ、もったいない。
今住んでいるところにも、良いところが実はあるのでは!と、
探してみたりしたり。
(結果、良い場所があったので反省を活かせた。結果オーライ。)

なんだか話がそれた。
そうそう、「座・高円寺」の話。

座・高円寺の外観

もう外観が可愛い。
赤っぽい色の壁面に、点々と丸い窓がついている。
この遊び心がたまらない。
こういうファサードの可愛らしさが、「街の文化発信地」として、
人々に愛される理由の一つじゃないかな。
だってこれを見たら、入りたくなるもん。
(近くにいたのに知らなかったじゃないか、とかそういう声は受け付けません!)

設計は、伊東豊雄さん。
たしかに。わかる。
何がわかるんだって感じだが、めっちゃ分かるんだよね。
伊東さんの建築デザインて、シンプルなのに、
やわらかい形がアクセントになっていることが多い。
川越のヤオコー川越美術館や仙台メディアテークもそう。
優しく、人々を誘ってくれるような雰囲気がある。

あと、この「座・高円寺」のロゴも可愛いんだよね。
「ー劇場」とかじゃなく、「座」ってつけるあたり、
高円寺ってやっぱり好きだなあ。ってしみじみ。

いい加減中に入らないと。


2階への螺旋階段

ここのホールは、一般的な「劇場」だけじゃなくて、まさかの
「阿波踊り」の練習場がある。
ここ高円寺では、夏に大規模な「阿波踊り祭り」が開催されるんだけど、
お祭り好き、楽しいことが好きな高円寺の人たちらしい、一大行事になる。

っていうか、阿波踊りって徳島県じゃなかったっけ、なぜ高円寺。

ってことで調べてみたら、
元々、1957年に、高円寺の商店街に青年会が誕生して、それを祝って始まったお祭りなんだって。当時すでに隣町の阿佐ヶ谷では、なかなかに盛り上がるお祭りをやっていたようで、それに負けじと、もっと盛り上がるお祭りをやろうと企画されたのが、高円寺の阿波踊り。
いや、好きだよ、そういうところ。

ただ、最初は阿波踊り、と称された、全く別のものだったそうで、めちゃめちゃだったらしい。それでも、本場徳島に修行に行ったりと試行錯誤を繰り返して、こんなに素晴らしいお祭りになってる。
今年が2024年だから、もう今年で67年続いていることになる。
本当に素晴らしいことだよね、ずっと、変わらず続いてほしいと思う。

高円寺の阿波踊りの歴史が、この「座・高円寺」にも根付いているんだね。

そんな劇場に続く、薄暗いホールの奥に、螺旋階段が伸びる。
壁も床も赤。赤に包まれたこの劇場の螺旋階段は、
不思議な光に包まれていた。

点々と、いくつも設置された丸い窓。
そこから、あらゆる方向に光が差し込み、館内を照らす。
これを見たら、息をのむ・・・というか、時間が止まる。
本当に、時間が、止まる。

踊り場まで行くと1階を見下ろせるんだけど、
劇場の階段でこんなに楽しめるのかと、感動した。
演劇見てないのに、めっちゃ楽しい。
演劇見てないのに、ずっとここにいたくなる。
これは、演劇見たらもっとここを好きになるよな。
沼だな。


踊り場からの景色


さらに沼になる、素敵な場所が2階にある。
「カフェ・アンリ・ファーブル」
自家製のスイーツ、すぎなみ野菜のパスタがいただけるカフェ。
天井が高い空間に、座席が並んでいて、すごく自由に過ごせる。

私はピザとプリンをいただきました。
ピザは、とろっとしたチーズと、もちっと生地が最高。
具がたくさん乗ってる!とかでは決してないんだけど、素材の優しさが染みる。
プリンも我慢できずに、追加注文。
周りの人が頼んでるのを見て惹かれて、これを頼まなかったら、後で後悔するよな。うん。と自分を納得させ注文。

大正解。注文を決めた自分ナイス。
固めの口当たりのカスタードプリンに、可愛いクッキーが添えてあるシンプルなもの。カスタードが甘すぎずで美味。
頼んでよかったーあ。

ここ、たとえ演劇見なくても、余裕で楽しめる。
カフェはWi-Fi使えるから、作業もできる!(私は食後、しっかり恩恵に預かりました。)

高円寺が恋しくなったら、またこよう。


では、また次回。


📍座・高円寺 
■設計
伊東豊雄建築設計事務所

■開館
2009年

■住所
東京都杉並区高円寺北2-1-2

■アクセス
JR中央線「高円寺」駅北から徒歩5分

☕️カフェ アンリ・ファーブル
■営業時間
11:30~19:00


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