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登録100万人のYouTuber、りおなちゃんは、実写版:奈良美智の女の子みたいだ

「ワタシのこと、お前っていうのやめてよ」。

お父さんをこき下ろす言動が話題の、6歳のユーチューバー、りおなちゃん。チャンネル登録者が100万人を超える大人気だ。
勧められて見てみたら、なんか見覚えが、、、どこでお見かけしましたっけ?と思ったら、奈良美智の絵ではないですか。

奈良さんの絵の女の子の多くは、下ぶくれの赤ちゃん顔で、不機嫌な表情をしている。いろんな解釈はできるが、か弱い者の声がスルーされてしまう世の中の不公平への不満、「女の子がいつも笑ってなきゃいけないなんて、誰が決めた?」という反抗心が、共感を呼んだんだとおもう。

そんな「奈良ガール」そっくりの赤ちゃん顔で、それに似合わない大人びた口ぶりのトークで、注目された。いや、奈良さんの女の子が口をきいたらこうだろうな、という想像をドンピシャ行ったと、ワタシには思えた。

話題になったのは、辛辣な「パパいじり」だ。
「家の手伝いをほったらかして麻雀に行く」「靴下を何足も床に散らかしたまま」「時間を守らない」と、パパの言動を観察し、ちくちくと指摘する。子供の可愛い声で聞くからこそ、コミカルだが、内容は、お母さんが家で十分にねぎらわれていないことへの真っ当な抗議だ。

りおなちゃんの体は3歳児くらいの大きさで、これは先天性の障害の影響だという。治療の過程で下半身が麻痺し、今も車椅子生活で、リハビリを続けているそうだ。動画を配信し始めたのは「娘に少しでも生きやすい世界を用意してあげたい」というお母さんの思いからだという。
ここまで育つまでに、お母さんの苦悩には壮絶なものがあったろう。
おなちゃんは生まれてからずっとそれを見てきた。パパいじりは愚痴でも言いたい放題の悪口でもなく「ワタシと同じくらい、ママの苦労を知ってほしい」という懇願がまじっている。

つねづね、奈良さんの絵は現代の仏画だと思っていた。だから、りおなちゃんは、生きた「現代の仏画=奈良ガール」にも見える。

抗議にせよ笑いにせよ、ハンディのある体から明るく発し続ける声に、「芸達者な子供」以上の力があって、実に多くの人を癒している。思わずやさしいコメントを寄せてしまう人が大いにが、それを証明している
人気が出れば、どんな配信者アンチも当然、出てくるが、たまにそれに猛烈に反論している「信者」レベルのりおちゃんなファンもいて、「邪鬼を踏みつけて中尊を守る四天王出たー」と、勝手に面白がっている。


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