見出し画像

ささやかな一言が誰かを動かす原動力になるかもしれない


はじめに

今回は、営業代行(テレアポ)の仕事を通して
私が思わず「カッコいいなぁ」と思った方について
過去のエピソードをふまえて書きたいなと思います。

この仕事をはじめたきっかけ

大学生になる前の春休みに始めたバイトです。

当時、私は女子高に通っていたのですが、
女子の集団がすごく苦手でした(なんか怖かった)
3年間無駄に空気を読みながら過ごしていたので、
人と話すことが億劫で怖くなった時期がありました。
元々がめちゃくちゃ人見知りなことも理由ですが、
今思えば、思春期限定の拗らせだったと思います。

そんなこんなで卒業後に「このままだとヤバい」と焦り
人と話す経験を積みたいと考えてバイトを始めました。

怖すぎカンパニーへの入社

愚かにも仕事内容をよく調べずに飛び込んだ結果、
目にしたのは大量のマニュアル、トークスクリプト。

そして、「全員で月〇本の契約を達成するぞ!」
「1時間につき1件は取れよ!」というあふれんばかりの
営業マインドを持った女上司による、熱いご指導でした。

そんな環境なので、号泣してバックレる人も続出…
出勤時に毎回頭が痛くなるほどつらかったのですが、
私の心は「やると決めたから逃げない」と頑なでした。
上司の圧にビビりつつ、元気キャラを装い働きました。

18歳で胃痛を初体験

担当は、某映画チャンネルの視聴キャンペーンの勧誘。
皆さんの自宅にも一度は来たであろう嫌な営業電話です。
なんとか辞めずに残ったメンバーで励まし合いながら、
鬼上司から下ろされた月間目標をゴリゴリと削りました。

で、月末最終日を迎えたのですが…体調不良が続出!
当日の出勤は私+1名、普通に帰りたくなりましたが、
私の真後ろに立つ女上司の圧には勝てませんでした。

あえて空気を読まない作戦

朝時点の残契約数は4件、架電時間は10時~19時。
なんとかラスト18時時点で残1件まで追い込めました。
しかし18時台は契約者と繋がりやすい時間なのですが、
夕飯タイムなので話を聞いてくれないことが多いんです。

案の定、「今、天ぷら揚げてるんだけど!」
「夕飯中!二度とかけんな」と怒られまくるワタクシ。
半泣きの私は「家庭電話がダメなら携帯電話!」という
思考回路が巡り、携帯電話の契約者を探して架電再開。

「無理かな…」と思いつつコール音を聞いていたところ、
「は~い!」という朗らかに返事をする男性とコネクト。
後ろからエンジン音が聞こえたので、どうやら運転中。
しかし「空気読んだら負け」と思い、続けて話してOKか
確認の上、某映画チャンネルの魅力をプレゼンしました。

名前しか知らない救世主

一通りセールスポイントを話し終わった後、
「無言…終わった、未達。ア-」と心でつぶやきましたが、
「待ってね、今車停めた」と受話器から聞こえました。
私の頭の中には、「???」のマークが浮かびました。

15秒ほど間が空いた後、その男性からもらったのは…
「僕、営業電話嫌いだからすぐ切ろうと思ったけど、
あなたの熱意に感動したから契約します!」
という言葉。
感激のあまり背中がゾワッ!とした感覚を覚えてます。

最後に、「あなた、この仕事をやるのは初めて?
絶対、将来役立つから頑張って!」
と言葉を貰いました。

結果として、チームは月間目標を達成。
打ち上げで飲んだカルーアミルクが大変染み渡りました。
ちなみに結局この職場は大学卒業まで4年間働きました。

誰かを応援できる人はカッコいい

このエピソードを通して伝えたかったことは、
誰かに投げる言葉には、相手の励みや原動力に
なるかもしれない可能性が秘められていること」
です。

私に言葉をかけてくださったお客様は、
私に発した言葉を忘れてしまってるかもしれません。
でも、顔も知らない方からいただいたたった一言が
今も私の原動力になっていることは、事実なんです。
自然に誰かを応援できる人はすごいカッコいいです。

逆を言えば、何気ない一言が人を傷つけることもある。
SNSでむやみに誹謗中傷する人を見ると悲しくなります。
言葉はどうせ自分に返ってくるのになんてもったいない。

今気づきましたが、私はライター・営業代行という
それぞれ違った形で言葉に触れる仕事に携わってます。

たまにはムカつくこともあるかもしれないけど、
誰かを傷つけたり偉そうに批判するんじゃなくて、
好きな人達を応援し、励ますために言葉を使いたいです。

あ、そういえば。
契約をくれたお客様、俳優みたいに素敵なお名前でした。

顔も知らないけど、元気に過ごしてたらうれしいな。

この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?