いつまでもターゲットを決められない理由は、居酒屋時代の「来るもの拒まず」精神だった
「まずはターゲットを決めましょう」
フリーランスになるなら、ライターを志すなら、まずは「どんな相手にコンテンツを届けたいか」「どんな相手と両思いになりたいか」といったターゲット設定を行いましょう、とのこと。
そんなん分からん!別にいないわ、届けたい相手なんて!
いや、ちがう!逆に、みんなと両思いになりたいわ!!
いつまでもここでつまづいて万人受けを狙うから、ボヤッとした内容のコンテンツになる。自分のブランディングができない。フリーランスに突き進められない。
ターゲット設定ですべてを投げ出し、「働きたくない」とぐだぐだほざいて、お金にならないことばかり楽しんでいる。そんな娘を家に置いて何も口出ししない親には、感謝してもし切れない。
いったい私は、なぜこんなにターゲット設定が苦手なのだろうか。
そもそも私はいままで、どんな人をターゲットに据えて仕事をしていたのだろうか。
そう考えると、前職の居酒屋時代に「客層を絞って接客するな」と上司に言われたことが、「ターゲット設定嫌い」の根底にあるような気がしてきた。
とにかくメイン客層の満足度を上げようとしていた
居酒屋は立地によって客層が異なる。そのメイン客層がいわゆるターゲットだった。
私の店の場合は「4、50代のサラリーマン」。この客層をいかに引き込むかが売上を大きく左右した。
ドリンクの提供スピード、おしぼり交換、取り皿交換。目を配らせ「気が効くね!」と声をかけてもらう。特にグループで上司にあたる人に気に入られればこっちのものだった。
だから、メイン客層はあえてデシャップ(料理が出てくる場所)の近くに配席していた。そこには必ず店員がいるからだ。
そのやり方は古い!
けれども、そのやり方に待ったをかけたのが、コロナ禍に私の店で働いてくれていた上司だった。
「いまはコロナ禍で会社はリモート。サラリーマンは居酒屋に来ない。でも、若いカップルや学生は根強く来てくれている。たしかに1度の飲食で使うお金は少ないけど、この人たちが週1で店に来てくれたらどう?」
きっと、私が思っていたやり方は古かった。あれはコロナ前、私の居酒屋の全盛期で売れていたときの戦略。限られた客数の中で誰をリピーターにさせるかの話だった。
いまは違う。お客さんを選んでいる場合じゃない。来てくれたお客さん全員にまた来てもらわないと、お店は潰れる。
来るもの拒まず。私の店に来てくれる人は全員同じように迎える。そしてまた来てもらう。そう心を入れ替えた。
ターゲット設定のヒントは本社にある
いままで新規顧客の獲得は主に本社の仕事だった。
そのため私たちは、本社の施策によって来てくれたお客さんをいかにリピーターにするかしか考えていなかった。
そうか、本社のマーケティング部の施策まで掘り下げないと、ターゲット設定の本質はわからないのか……。
本社がどのタイミングで、どんな施策を打っていたか。
どのような計画を立てて、どんなお客さんを「育てて」いたのか。
現役の頃とは違った視点で、前職の施策を分析できそうだ。
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