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3ヶ月間で8万字をどう攻略するか

今年やることのひとつに、「小説を書く」を掲げた。

とはいえ、小説の書き方がわからない。中学のころ趣味程度でB5ノートに小説まがいのものを書いていたが、途中から設定が脱線したり、最後まで書き終わらず挫折したり。
10年以上クライマックスを待つそれらは、いまだに実家の引き出しに眠っている。

特にこれといって書きたいジャンルは決まっていないし、ぼんやりと思い浮かぶストーリーも本当に“ぼんやり”。このままで本当に小説が書けるのか。今年掲げた目標が早くもお蔵入りしそうになったとき、こんな宣伝がSNSに流れてきた。

「作家デビューのチャンスです」という魅力的な縦書きのコピーから始まる、『わたしの旅ブックス新人賞 作品募集』

自分の旅をエッセイや寄稿文にして応募するもので、優秀作品に入れば書籍化されるらしい。これはチャンスだ。私は今まで何度もひとり旅に出たし、そこで数多くの心動く体験をした。書きたいことを書いて、出来栄え(と運)が良ければ書籍化も目指せるなんて。応募しない手がない。

締切は4月15日まで。3ヶ月もあれば書けるはずだ。そう思って意気揚々と応募要項をみると、今まで見たことのない文字数に出くわした。

応募規定
・400字詰め原稿用紙換算で200枚(約8万字)以上

『わたしと旅ブックス新人賞』の応募要項より

は、8万字?!!!

8,000ではなく、80,000?!


目を疑った。8万字のエッセイを書くことなど、想像できない。いつも書くエッセイがだいたい1,500字程度だから……それの50倍以上?50日以上書き続けないと書き終わらない?え、締切間に合う?そもそもちゃんと構成を練りまくらないと、1万字くらいで完結しちゃいそうじゃない?

よくわからないので、とりあえず「8万字 小説」と調べてみた。すると、一般的な本の文字数は原稿用紙200枚〜300枚、つまり最低でも8万字、最高でも12万字程度で「自分の書きたいこと」を収めるのが一般的だという(「本出版ガイド」より)。

そうか、一冊の本にするには少なくとも8万字を突破しないといけないのか……。たしかにこの応募の優秀作品は「一冊の本としての書籍化」されるのだから、応募規定の文字数はむしろ適正なのだ。驚いた自分が急に恥ずかしい。


さて……これに挑戦するかどうか。


あまり迷っている時間はない。けれど、この険しい道のりに挑戦するにはそれ相当の準備が必要だと思う。いつも通り、思ったことをポンポン繋いで書けるような代物じゃない。本当に挑戦するなら、毎日そのエッセイに向き合う時間が必要だ。私はそれに耐えられるか。最後まで楽しんで、書き上げられるのか。

こう迷っている自分はすでに、「書いてみたい」気持ちが膨らんでいる。

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