人差し指より薬指の方が長いけれど、私は幸せです

かがみよかがみのキックオフミーティングにていただいたZINEを電車内で読むと、興味深いエッセイに出逢った。

このエッセイによると、『胎児の頃に浴びた男性ホルモンの影響で人差し指と薬指の長さの比率が決まる』『男性は薬指の長い人が多く、女性は両者同等か、人差し指の長い人が多い』そうだ。

読んでいたZINEを一旦閉じて、自分の右手指をピンと張る。

その指を十分目視してから引っ込み、一応、左手指もピンとしてみる。


間違いない、いくら見比べても私は、人差し指より薬指の方が長い


このエッセイでは続けて、『人差し指に比べて薬指が長い人はリスクのある行動を恐れず、社会的成功を収める者が多い』『女性の場合はPMSが重く、姉御肌の人間が多い。これは迷信ではなく科学的に証明されている』と記されている。

著者は私と同じく「人差し指より薬指が長く」、そして科学的な証明通り、常に挑戦しては挫折した人生だったそうだ。だからエッセイの末尾には「薬指の長い女性は幸せになっているのか」と綴られている。

私、それなりに幸せだけどなあ。

社会的成功を収めるのはまだ先(だと思いたい)し、「リスクのある行動を恐れない」はケースバイケース。次の職場も決めずに退職してフリーになったことが「リスクを恐れない選択だ」と言われればそうだし、「いやいや、成り行きでなっただけでしょ」と言われればそれまでだ。ちなみに私は概ね、後者の意見を持つ。

PMSが重いかと訊かれても、わからない。自分のことは自分にしかわからないから、重い・重くないの基準がそもそも無いのだ。たしかに普段より情緒が不安定になったり、苛立ちやすかったりするけれど、自覚の範囲内でどうにかなっている。自分でもそこまで深刻に捉えていないし、これは「世間的には」軽いのかもしれない。

リーダーシップはそこそこ張れるが、「なんでも任せろ!」とみんなを引っ張るパワーは今は少なくなった気がする。居酒屋の店長時代に使い果たした。

そんなわけで著者には、「薬指が長くても、それなりに幸せな女はいるよ」と伝えたい。


ZINEを読み終え、左隣に座る母に「私の指さ……」と切り出すと、「薬指が長いんでしょ?だってみかちゃんと私、指そっくりだもん」と、手を向けられた。私とそっくりの、薬指が長い手だった。

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