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登山が教えてくれる仕事の極意

学生の頃から登山を始めて、いまでも月1回は登っているのですが、登山を通しで習得したスキルが、仕事に生きているなと思うことがよくあるので、そのことについてまとめてみようと思います。


共通スキル1:計画を立てること

登山に限らず、多くの事象に共通することですが、すべては計画から始まります。具体的には、どの山に、いつ、誰と、どのルートで挑むかを決定します。当然、ゴールである山頂到達を目指す計画は必須ですが、それだけではなく、緊急時の対応策についても計画します。たとえば、先に進むことが困難と判断された場合の撤退ルートや、怪我といった不測の事態が発生した際の緊急連絡先(警察や消防署など)を、事前にリサーチします。

多くの場合、緊急対応の情報は活用する機会がなく、余計と感じられることもあるかもしれません。しかし、事態が発生した際には冷静な判断が難しくなりがちで、そのような状況での迅速な対応が求められるため、事前の計画や準備が非常に重要となります。

この考え方は、新しいプロジェクトやタスクを始める際の計画段階にも通じます。ゴールを明確にし、適切なメンバーを選定し、タイムラインを作成する。この段階での計画の確実性が、後のトラブルを最小限に抑え、スムーズな進行を保証する要因となります。

共通スキル2:判断力

山では、天気の変化や予期しない障害に出くわすことは日常茶飯事です。例えば、朝の晴天が夕方には雷雨に変わることもざらにあります。仲間が装備を忘れることや、体調を崩すことも考えられます。数えきれないほどの山行を経験してきましたが、トラブルのないものはわずかしかありません。

登山における不確定要素が多い中での重要なスキルは、判断力です。天気が急に悪くなった場合、頂上を目指すか、それとも下山するか。装備が不足している場合、工夫して進行できるか、それともリスクを避けて中止するか。体調を崩した時、待機して様子を見るか、下山するか、あるいは救助を求めるか。特に「やめる」という選択は難しいですが、いかなる状況でも安全を最優先にした判断が求められます。

同じように、仕事でも計画通りにプロジェクトが進行することはまれです。遅延している場合は、スケジュールを再調整するか、延期するか、また上司との調整.…何を優先すべきか、巻き返すにはどうしたらいいか、という判断は仕事においても重要なスキルです

共通スキル3:全体を見渡す力

登山は、団体競技だと思ってます(もちろん、単独登山にも魅力があります)。まず計画段階においては、メンバーの経験や能力を考慮して、リーダーとサブリーダーを決定します。そして、残りのメンバーについては最適な役割を任せ、安全でかつ楽しい登山が始まります。

役割分担では、一人ひとりの得意な分野に合わせた役割を与えることがポイントです。全員が役割を持ち、一体となって目標に取り組むことが、当事者意識が芽生え楽しい登山に繋がるのだと信じています。

仕事の場面においても同様で、メンバー一人ひとりのスキルや経験を活かし、彼らの能力を最大限に引き出すことで、共同での目標達成がよりスムーズになるでしょう。

共通スキル4:PDCAサイクル

登山においては、時間と食料の管理は極めて重要で、時に生死を分ける要因となります。これをビジネスの文脈で考えると、プロジェクトの期限の管理やリソースの最適化に相当するでしょう。

前述したスキル1〜3はもちろんのこと、これに加えてPDCAサイクルが大切になってきます。計画を立て、実績を把握し、計画と実際の結果とのギャップを評価し、アクションをとる。プロジェクトの成功に不可欠な行為です。

また登山において大切なポイントは「時間の管理」です。たとえば、計画では4時間での到達を目指していた場所に実際には6時間かかってしまった場合、次の日の行動計画の見直しが必要となります。

食料の管理に関しては、事前の計画がほとんどを占めますが、時間の管理には常に臨機応変な対応が求められます。こうした柔軟な対応と、PDCAサイクルを効果的に回す姿勢は、登山の世界でもビジネスの世界でも共通する成功の要因だと感じています。

以上が登山経験を通して仕事で生きていると思ったスキルでした。登山をやったことがある方は、仕事で活きている!思う経験があればぜひ教えてください。


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