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満点99回!「TOEICの神」に聞く!レベル別TOEIC勉強法 〜神田外語大学・神崎正哉先生インタビュー〜

【内容サマリー】
・イギリスに憧れて大学卒業後に渡英
・ある程度英語ができる人はTOEIC形式の問題をどんどん解く
・それほど英語ができない人は文法や語彙から
・オンライン授業では生徒の反応があるのが嬉しい

TOEIC満点、驚異の99回!「TOEICの神」とも称される、神田外語大学の神崎正哉先生。TOEICを中心に英語を教えている神崎先生に、英語との繋がりのきっかけやTOEICの勉強法などを、株式会社mikan代表取締役社長の高岡和正がオンラインで聞きました。

イギリスに憧れて英語の道へ

高岡:
よろしくお願いいたします!早速ですが、神崎先生は学生時代からずっと英語の先生になろうと思っていたんですか?

神崎先生:
いえ、大学は英語とは全然関係ない東京水産大学(現・東京海洋大学)に行っていました。でも、すごくイギリスに憧れていて、大学を卒業したら行ってみたいと思ってたんです。卒業後に1年半かけてお金を貯めて、24歳の時にイギリスのロンドンに行きました。昼は語学学校に通って、夜は日本レストランとかでバイトしながら、全部で6年いました。

高岡:
6年もですか!イギリスへの憧れは何がきっかけだったのでしょう?

神崎先生:
イギリスの音楽が好きだったんですよね。英語を好きになったきっかけも、高校の時にビートルズを聞いたことです。

高岡:
大学を卒業して、就職せずにイギリスへ行く人は他にはいなかったと思います。

神崎先生:
時代が良かったですね。私が大学4年生の時はバブルの絶頂期で、企業から「うちの会社に是非来てください。お願いします」と言われる世の中だったんです。だから、「就活なんか今しなくてもいつでもできるじゃん」という考えでした。でも、ロンドンに6年行って帰ってきたら、状況が変わっていました。

高岡:
バブルが崩壊してしまった…。

神崎先生:
そうそう。帰国後、就職先がなくて大変で(笑)。30歳で帰ってきた時、景気が悪くて「30歳で実務経験がない」なんて人間、どこも雇ってくれなかったんですよね。手当たり次第、履歴書を送って、やっと塾や英会話学校で教えるようになって。その後、TOEIC専門の学校でも教え始めて、2011年から神田外語大学の常勤になっています。

高岡:
そのような経緯だったんですね!神崎先生はTOEICをどのように捉えていますか?

神崎先生:
TOEICって、結果が点数で出るから、自分の進歩がわかりやすくて良いと思います。例えば、私が教えているクラスは「650点目標」なんですけど、その目標に向かってコツコツ努力する。そして、650点を取って達成感を味わうと、「やればできるんだ!」という自信につながる。そうすれば、他のことでもコツコツ努力することができるんじゃないかなと。英語力はもちろんですけど、自分に自信を持つことや自己肯定感を上げるということにも役立つと思うんですよね。

高岡:
成功体験を作るということですね。「コツコツ頑張る」というのは仕事や私生活などいろいろなところでも役に立ちますものね。

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単語の暗記は
「自分に合った覚え方」を見つける

高岡:
TOEICの勉強法についてアドバイスをいただきたいです。

神崎先生:
レベルによりますね。センター試験で8割以上取れるような、ある程度英語ができる人であれば、公式問題集や模擬試験本を使うと良いです。TOEIC形式の問題を解いてみると、自分のできるところとできないところがわかるので、勉強の計画を立てやすくなると思います。

高岡:
できないところの対策をしていくのですね。

神崎先生:
そうですね。人によって強いところ弱いところが違うと思うんですけど、一度解いてみて、自分が間違えた問題やわからなかった問題について「どうして間違えたのか」を考えると、自然に自分がやらなきゃいけないところが見えてくると思います。

高岡:
具体的には、日々どんな勉強をすれば良いでしょうか?

神崎先生:
今、学生には「abceedを1日30分やる」というのを課しています。「abceed」というTOEIC学習用のアプリがあって、AIを使ってユーザーの弱いところを強化する仕組みになっているんですよ。AIが弱い部分を判断して、解くべき問題を教えてくれます。本当だったら自分自身でどこが苦手かを考えなければいけないのを、アプリの方で考えて問題まで出してくれるのでオススメですね。

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高岡:
いきなりTOEICを解いてもわからない人、例えばセンター試験でいうと5〜6割くらいの人はどうすれば良いでしょうか?

神崎先生:
センター5割だと、いきなりTOEICの問題を解くと、解けない問題がほとんどで精神的にキツイと思います。なので、先ずは文法と語彙ですね。TOEICは、中学3年間で習う基本的な文法を100%理解できていれば、文法問題の9割はできます。でも、センターで半分しか取れていない人は中学校の文法で抜けているところがあると思うので、そこから潰していく。語彙は、もちろん基本的な単語も大事ですが、TOEICは中学や高校の教科書には出ないようなビジネス寄りの単語が多いので、TOEIC用の頻出単語を集めた単語集を使って、一通り覚えるというのが効果的だと思います。

高岡:
単語の勉強はどのようにするのがオススメですか?

神崎先生:
「反復練習が大事」と私はいつも答えています。記憶力が良ければ、簡単に覚えられるんですけど、記憶力がよくないと覚えてもすぐ忘れちゃう。だけど、忘れてもまた覚え直して、「忘れて覚えて忘れて覚えて」を繰り返せば、最終的には覚えられると思います。そういう意味では根性でなんとかなるかなと。頑張ってやってもらいたいですね(笑)。

高岡:
根性で(笑)。

神崎先生:
あとは、アプリでも単語カードでも良いんですけど、自分にとって覚えやすいやり方を探してほしいです。人それぞれ違うと思うので。紙に同じ単語を何度も書いたり、声に出して何回も言ったりといろんな方法があります。スマホアプリを使ってサクサクやるのも良いですし、いろんな方法を試してみて、自分に合ったやり方を見つけてもらいたいですね。

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オンライン授業になって
「学生から反応が来るのがすごく嬉しい」

高岡:
新型コロナウイルスの影響で国際的な動きがストップしている中、英語を勉強して就職したり海外に行きたいと考えている人は不安だと思います。

神崎先生:
先が見えないですよね。英語の勉強をやめちゃう人もいるかもしれませんね。私だったら、24歳でイギリスに行こうとしていた時に、「コロナで行けない」ってなったらどうしていたか…。留学に行こうとしている人もそうですが、目標があって、そのために英語を頑張っているのに、その目標ができなくなってしまったら、英語学習も続けなくなってしまうのかなと思います。

高岡:
大学の授業がオンラインになったと伺いましたが、オンライン授業はいかがですか?

神崎先生:
初めてなので手探り状態ですが、良いところもあります。オンライン授業になって、Googleフォーム上で単語テストをやっているのですが、フォームの最後にコメント欄をつけたんです。すると、そこに学生がコメントを書いてくれて。学生の声を聞けるのはすごく新鮮で、これは良いなと思っています。以前より逆にコミュニケーションが取れているなと。今までの授業だと、学生から「先生、今日の授業良かったです!」というフィードバックはありませんでしたから。やっぱり、反応がわかるとすごく嬉しいですね。

高岡:
生徒側はどうでしょう?

神崎先生:
全部の授業がオンラインなので、疲れるんじゃないかと思います。あとは、大学って授業を受けるだけじゃなくて、友達ができるとか友達に会えるとかも大事じゃないですか。授業だけだったらオンラインでもなんとかなりますが、それが無いからキャンパスライフという意味では、本来あるべきものが無いのかもしれないですね。

高岡:
神崎先生、本日はありがとうございました!

〜対談を終えて〜
高岡:

単語は反復練習が大事であるという考えは、一種の残酷な真実。ですが、そのように理解しておくことは継続するために大切だなと感じました。就職に困ったお話も驚きましたが、何かを全力でやって次に繋がる、Connecting the dotsを体現している素敵な先生でした。お忙しいところ、ありがとうございました!

プロフィール

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神崎正哉先生
神田外語大学 国際コミュニケーション学科 准教授。TOEICを中心に英語を教える。「特急シリーズ」など著書多数。個人のYouTubeチャンネル「神崎正哉」でもTOEICの学習法を伝えている。

高岡和正
株式会社mikan代表取締役社長。同社が展開する英単語学習アプリ「mikan」は、”スキマ時間に圧倒的に早く覚えられる”ことをコンセプトに作られ、累計400万ダウンロードを突破している。



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