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『英語10題ドリルシリーズ』リリース記念インタビュー:戻って学ぶ、バツをつける勇気が英語力を育む!

2024年1月、mikanにおいて予備校英語科講師である田中健一(たなかけんいち)先生著作『英語10題ドリルシリーズ』(駿台文庫)がリリースされました。本シリーズは、学習に自信がない人、学習方法がわからない人も気軽に反復練習できるシンプルな問題集で、入試の勉強から社会人の学び直しにもぴったりなテキストとなっております。
今回はリリース記念インタビューとして田中先生をお招きし、現場での経験から見出す学習のアドバイスや英語教育の展望について伺いながら、著書について語っていただきました。

Profile
田中 健一(たなか けんいち)/予備校講師(英語科)
1976年、愛知県生まれ。大手予備校英語科講師。大阪大学文学部(西洋史学)卒業、名古屋大学文学部(言語学)中退。
著書に『世界が広がる英文読解』『はじめてでも「使える英語」が身につく! 英語復文勉強法』『英文法基礎10題ドリル』『英文法入門10題ドリル』『英文読解入門10題ドリル』などがある。

『英語10題ドリルシリーズ』完成の経緯

mikan 今回リリースさせていただいた『英語10題ドリルシリーズ』(駿台文庫)ですが、かなり基礎学習に特化している教材だなという印象を受けました。どういった経緯でこのテキストを作ることになったのでしょう?

田中先生 13年間駿台の講師として高校生たちに英語を教えているのですが、「勉強しているのに成績が上がらない」っていう相談が多かったんですよ。実際本とか買って授業も真面目に休まず出てるのに、全然成績が上がらない。こういった場合の多くはスタート時点の土台がしっかり身についていないというケースがほとんどなんです。

mikan 土台というと、例えば英文法や文型がとれないみたいな感じですか?

田中先生 実は形容詞や副詞がよく分かっていない、みたいなことです。例えば予備校で上のクラスに入ると、大体が進学校から来ているから基礎が分かっている前提で授業が進められていくんですけど、クラスの中に習得できていない子が半数弱くらいいるんです。特に浪人生はそういう子が多くて、色々聞いていくとやっぱり最初の入口ができていなくて困っている場合が多いんです。

mikan なるほど。実際に現場で感じる課題にフォーカスした教材なんですね。

田中先生 そうですね。基本はやっぱり品詞とか文型の話で、最初に覚えるべきことをしっかりおさえるということなんです。あとはちょっとややこしい英文が出てきた時に、中学生の時に習ったような簡単な英文がどれだけ身についているかというのが大切で、理屈も大事なんですけど、その前に「ああこういうのあったよね」みたいな、基礎知識を蓄積しておくことが重要です。僕の教材は並べ替え問題を主体にそういった基礎英文を学べるようになっているんです。

mikan 確かに先生のドリルは基礎が苦手な子でも使いやすい仕様ですよね。

田中先生 ありがとうございます。

戻って学ぶことは恥ずかしくない

mikan 実際もっと早く基礎ができていないことに気づけないものなのですか?例えば先生に相談する機会を設けるとか。mikanを使っている方の中にも結構そういう人がいるんじゃないかなと思います。

田中先生 ちょっとでも不安があったら絶対早く相談するようにしつこく伝えるんですけど、忙しいってのもあってか、なかなか相談しないんです。特に10代の子たちは「早稲田、慶応目指してます!」となると、現状克服すべきステップがあっても早慶向けの教材や授業をやりたくなっちゃうんですよ。そうなるとステップアップするのはなかなか難しい。戻って学べる勇気というか、恥ずかしいことではなく、必要不可欠なステップであるというのを分かってもらいたいんです。

mikan 気づいてもらうって、教えるより難しいですよね。

田中先生 難しいですね、予備校だと余計に。「テキストの予習復習をちゃんとやりなさい」と、学校の言うことも正論だと思うんです。でも、そもそもそのテキストのレベルに達していない人は、まずそこに達するための勉強をしなければいけない。ただ学生たちも勉強だけやっている訳ではないので、両方やる時間が取れないんですよね。

mikan いやあ、難しいですね。

田中先生 だから『英文法入門10題ドリル (駿台受験シリーズ)』に関しては、中学レベルの基礎からやらなきゃいけない子をターゲットにしているんです。どうしても中学レベルの教材となると抵抗がある子もいるので、問題は大学入試の英文使ってるみたいな立て付けにしてあります。

mikan なるほど。それだと抵抗なく取り組めそうですよね。

田中先生 そうですね。やっていることは本当に中1ぐらいのところから入っているんですけど、有名大学の英文とか出てきたり、医学部の問題が出てきたりするんです。

バツをつける勇気が英語力を育む!

mikan 英語の基礎につまずいている人に共通して言える傾向はありますか?

田中先生 まず基礎が抜けている人に共通して言えるのは、少し英語に自信がある人ほど、ちゃんと答えを書かなかったりするんですよ。頭の中でやって「まあできてるでしょ」って。

mikan 確かに先生は「書く」ということをかなり大切にされていますよね。

田中先生 しっかり書いて答え合わせをするって、本当に難しいなと思っています。答え合わせなんて丸を付けるだけだって思っているんですけど、意外にみんなできないんです。そういう意味では、アプリだとちゃんと答え合わせができますよね。正誤判定が出て、なおかつどれを間違えたかが記録されて、復習ができる。これができるのは非常に大きいんです。

mikan なるほど。いかに基礎を軽視せずに向き合うかってことが大切なんですね。

田中先生 そうですね。学校の定期テストでも70点とか80点で満足しちゃ駄目なわけですよ。そう範囲も広くないので。その過信がずっとあると、高3とかにいざ模擬試験とか受けると解けないなんてことも多い。基礎の抜けが苦戦の原因だってことを自覚せずに、入試レベルの難しい問題にばかり時間と労力を割いてジタバタしているというのが伸び悩んでいる人の特徴なんです。

mikan では英語の基礎を身につけるという点で、今回のテキストではどんな学習フローを意識されているのでしょうか?

田中先生 問題を解き、答え合わせをすることで自分の弱点を可視化し、それを克服することで成長できるように設計されているのが駿台文庫「10題ドリル」シリーズの特徴です。

mikan なるほど、やはり答え合わせをしながら反復して刷り込んでいくんですね。

田中先生 シンプルな文章を読み、それに対する説明を理解する→実例を見ながら問題を解く練習を行う→入試の形式を模した問題に挑戦する→各セクションの末尾に配置された確認問題で自分の理解を試す。
これを繰り返すことで英語の文法知識をしっかり頭で理解し、基礎が身につくようになります。

アプリ学習を習慣化できるのか!?

mikan mikanにテキストをご提供いただく話が来た時はどんな印象を持ちましたか?

田中先生 実はmikanは速単のプログラムが出た時から知っていたんですよ。当時すごい話題になりましたよね?

mikan そうですね。ありがたいことに。

田中先生 mikan含め英語学習アプリって今いっぱいありますけど、あれってみんな継続して取り組めるものなんですか?スマホって勉強以外に楽しいものがいっぱい入っているじゃないですか。

mikan 確かにそうですね。

田中先生 スマホを開いて学習アプリに直行できるかっていうと、いろんな通知とかに気がいってしまって難しいと思うんですよ。だから今の生徒たち見てても、インストールはしててもやれてないっていう子が多そうな感じがして。そこってどうしたらいいですか?

mikan それは実際難しいんですが、例えばmikanをうまく使ってる方はどのシーンで使うっていうのを決めているんです。ふとした時に使うってよりは、電車やバスの移動中や、お風呂に入る前、自習室に入って最初の5分など、習慣化するルールを決めているんです。
また、アプリの初期設定画面で、目標やレベル、リマインダーなどを自分で設定することができて、それに応じてmikanからの通知がいくような仕組みになっているんです。

田中先生 なるほど。それはすごいですね。

mikan 人が作っている感というか、親近感もずっと大事にしていますね。カスタマーサポートも全て人の手で返しています。

田中先生 なんかアプリですけど生きた感じですよね。

信頼できる人と教材を

mikan 最後に、ICTとかAIの活用が進む中で、英語教育の現場はどう変わっていくと思いますか?

田中先生 いわゆるAIを使いこなすための英語力も必要なんですよ。ChatGPT自体の性質を熟知することも大事なのでしょうけど、返ってきた内容が合っているかどうかの判定ができなければならない。だからある程度レベルの高い人が仕事を効率良くやるにはとても良いと思うんですけど、初級、中級の人が勉強に使うっていうのは、まだちょっと難しいのかなって気がしますよね。

mikan おっしゃる通りかもしれませんね。

田中先生 よく話題になっているのは、存在しない参考文献とか挙げてくるじゃないですか(笑)。アプリだとしても、mikanの場合は元々の教材があることは非常に大きいと思うんです。今って学習のコンテンツやアドバイスも有象無象というか、怪しいものがいっぱいありますから。そこの選択を誤ると結果が大きく変わっちゃうので、ちゃんと信頼できる教材を選んで欲しいって想いはありますね。

mikan 信頼できる教材に出会うためにはどうすればよいでしょうか?

田中先生 1番良いのはやっぱり身近な先生に相談することです。昨今はそれらしい情報がネットに書かれていますけど、状況によって適切なものは違うんですよ。例えば中学受験組か高校受験組かでも違うし、現状の成績でも違う。ただ志望校が同じだからって同じことやってもうまくいくはずがないんですよ。

mikan この先生が言っているから、この合格体験記に書いてあるから、みたいに思い込んじゃうのは危ないですよね。

田中先生 確かに良い教材だけど、それをやるにはここができてないとダメだよね、とかあったりするんです。やるべきことって本当は人によって変わるんですよ。だから細かい調整が必要なんです。そういう微調整はやっぱり身近な人にやってもらうというのが大事です。
もし現状勉強しても伸び悩んでいるのであれば、ただやみくもに勉強するのではなく、アドバイスを受けたり、適切な教材選びを心がけるといいと思いますね。

mikan 確かに、その際はぜひ田中先生の『英語10題ドリルシリーズ』をご活用いただきたいですね!
今回は貴重なお話ありがとうございました!

田中先生の朗らかなお人柄もあって、取材は終始和やかに進行しました。なかなか聞けないここだけの話も含め、たくさんお話いただきました。田中先生、本当にありがとうございました!

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