有吉京子さんの『SWAN~白鳥』
大好きなコミックがあります。
有吉京子さんの『SWAN~白鳥』。
1976年から『週刊マーガレット』に連載されたのち、『SWAN モスクワ編』、『SWAN ドイツ編』、『Maia まいあ—SWAN act II』と続いていき、2022年に完結。
40年余りをかけて人生を描き続けるって、すごいことですよね。
15歳の少女がバレエの世界で成長し、友と出会い、恋もして、パートナーと出会い、子供が生まれ、その子もバレエを始め…という物語。
私自身はバレエ経験はなく(身体が硬いので(笑))、友達が習っていたため、発表会をよく観に行ったくらい。
この作品は、一人の少女の成長を共に追いかけながら、心に響く言葉に触れらえる名作です。
バレエを知らない方でも、人生について、音楽について、恋や友情、悩みや葛藤など、多くを教わることができる作品です。
ラヴェルの「ボレロ」と、それを踊るジョルグ・ドンの素晴らしさも、この本をきっかけに知りました。
有吉京子さんの絵もとても美しいです。
物語の途中から、ロシア人のバレリーナが登場します。
病気のため、長くは生きられないと言われてきた、天使のように愛らしく、天賦の才能を持つ、リリアナ。
短時間の練習で、普通の人がこなせないほどのスピードで、様々なステップをこなしてしまう。
背中に羽根が生えているような少女。
そんな妖精のようなリリアナが、主人公の真澄に出逢い、変わっていきます。
真澄に負けたくない、もっと上手くなりたい、コーチの愛を独占したい……と、ハードな練習もこなすように。
“リリアナは君(真澄)に出逢って、変わった。
何の欲もなかったあの子が人間らしくなってきた”
と、周りの人に言われるくらいに。
自分が変わるほどの誰かに出逢えるって、すごいことですよね。
私の中で大きな存在の作品の一つです。
主人公が成長していく中、「いいところに辿り着いたね」って
言ってもらえるシーンがあり、ずっと心に残っています。
こんな風に言ってもらえる自分になりたいです。
いい本や作品に出会えるのって幸せなことですね。
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