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東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻監督コースを受験して一次試験で落ちました

こんばんわ
今日もお疲れ様です。

2023年の年末から東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻監督コースを受験していました。
そして、一次試験で不合格となりました。
この記事は、受験における反省を基に、来年もまたチャレンジしようというお気持ちが表明されている散文です。

また、これから大学院の受験に挑戦しようと思っている社会人の、最後の後押しになれば、幸せです。
ただし、受験対策の要素は一つもないです。

なぜ映画監督業を教える大学院を受験したのか

私は映画監督になることが、幼少時からの夢でした。
大学は明治学院大学の文学部芸術学科映像芸術学コースに通い、卒論はヤン・シュヴァンクマイエルについて執筆し卒業しました。
その後、CM制作会社でプロダクションマネージャーとして5年間働きました。
今から思い返してみれば、本当に楽しく貴重な経験ができました。
"We Are X"という、X JAPANのドキュメンタリー映画制作にも携わりました。
ただ、当時はとにかく仕事がつらかったです。
そんなこんなで、なんやかんやあって、私は映像制作から身を引きました。

コンプレックス

その後、様々な縁に恵まれ、映像が中心ではないですが、クリエイティブ業界と言われる市場で働きながらご飯を食べれています。
本当にありがたいです。ありがとうございます。

ただ、いつまでも拭えない感情がありました。
映像監督に対するコンプレックスです。
SNSなどで、友人や知り合いが監督をした映像作品を見ると、胃袋の下がギュッとなります。

気持ちの何処かでは、映像監督として活躍したいと思っていました。
しかし、私は何かと理由をつけて挑戦を避けていました。
映像以外の創作活動や趣味で濁していた、と、今振り返ると思います。

きっかけ

お金が溜まった

これが最大のきっかけです。
お金が全てではないと思いますが、お金が貯まると良いことがあると、身をもって体験しました。
過去の自分に、本当に感謝です。
なにかチャレンジしたいけど一歩踏み出せないとモヤモヤしている人がいたら、貯金をおすすめします。

2023年、副業を頑張ったおかげで、ある程度まとまったお金が貯まりました。その御蔭で学費が貯まりました。ベースの貯蓄もしていたので、学生としてチャレンジする基盤もある程度固まっていました。

学費とか受験料、受験のための作品制作で、
200万-300万くらいが現金であると、
受験することへの挑戦がかなり現実的になるのではないかと思います。

そんな私も、昔は私は全く貯蓄ができない人間でした。
山崎先生の本に20代で出会い、投資の面白さを知ってから、資産を増やすことができました。
そんな山崎先生も、最近亡くなられてしまいました。
こちらの本は本当におすすめなので、何から初めていいかわからなければ、とりあえず買ってみてください。

ageHa THE MOVIE

2022年、日本最大級のクラブ"ageHa"のドキュメンタリー映画製作に誘っていただきました。

私は、撮影と編集、選曲で参加しています。
2022年11月にはユナイテッドシネマお台場でプレミア上映も開催されました。これは、自分にとって大きな転換点でした。

誘ってくれたのは、20代のときにクラブで一緒に遊んでいた、岡村エイジく。20代、貯金もせずに平日も休日も関係なくクラブで遊び倒していた自分を褒めたいです。そのおかげで、大切な友人に恵まれました。

MMTさんとはその後も仲良くさせていただき、他のお仕事もお声がけいただいています。いつもありがとうございます。

私の行動を変えた言葉

本や講演なども、影響を与えた要因でした。

楠木建『好きなようにしてください たった一つの「仕事」の原則』楠木建

苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」

梅原大吾『自分の人生を生きる-たかが「ゲーム」と言われても』2018年2月4日

自分の空っぽさと直面

脚本を書けない

一次試験では15分の短編を提出します。
私は2023年の11月頃に受験を決意したので、一ヶ月ほどで作品を制作しました。大半の受験生さんは、すでに作っていた作品をアレンジしたり、もっと早くから制作の準備をしていると思われます。多分。

短編を撮るために脚本を書きました。
この作業が本当に大変でした。
脚本を書いて映画を撮るのなんて大学生ぶりです。
いざテーマを探すとなると、自分はどんな映画を撮りたいのか、という課題に直面しました。情けない話ですが、映画を作りたいと考えていて、作りたいテーマや内容は全く自分にストックがなかったのです。
この自分の浅はかさと直面するのが、辛かったです。
周りで脚本を書いている友人に助けてもらいながら、執筆しました。
脚本を作る作業は本当に楽しかったです。
書けば書くだけ面白くなりました。
本当にもっと早く始めればよかったと後悔しました。
後悔先に立たず。
もし、この記事を読んでいて映画製作に興味がある人がいたら、とにかく脚本の勉強だけは、早く初めて損はないと思います。
なぜなら、もっともローリスクハイリターンだからです。
紙とペンがあればできます。

尖ったやつが世界を面白くする

脚本の勉強は仕事にも活かせました。
脚本を書いていて学んだことの一つに「キャラクターの大切さ」があります。尖ったキャラ、面白いキャラがいないと、物語はいくら頑張っても面白くならない。
刃牙の作者である板垣先生がインタビューで答えているのを見たりしていましたが、聞くとやるとでは大違い。
そして、なかなか尖ったキャラを作るのが難しい。
なにか、自分の中でリミッターが働くような感覚でした。
これは訓練が必要な作業でした。

この考え方は普段の仕事にも影響しました。
プロダクトやサービスも、尖ってないと面白くない。
尖ってるというのは、無料とか、空を飛ぶとか、デカいとか、小さいとか、電源がいらないとか、とにかく何かしら尖った部分。
日頃、プランニングをしていると、どうしても置きにいった企画になってしまいがちですが、攻めないと面白くないと、脚本の勉強を通して実感しました。

参考にした本

短編特化動画プラットフォーム「SAMANSA」

短編を撮る上で「SAMANSA」もかなり見ました。
これは、短編のみが配信されている動画配信サービスです。
月額370円で見放題なので、おすすめです。

撮影準備

なんとかこうとか脚本が完成して、撮影準備を始めました。
準備のために、コンテと制作準備をしました。
ちなみに、撮影5日前くらいに、キャストを追加するという大きな変更をしました。

イチからアングルの勉強

コンテを描くにも、どう切っていいのか、さっぱりでした。
いままで散々、映像の仕事していたのに、情けなかったです。
以下、助けてくれた本。

なんとなくわかっていたライティングや録音に関して、基礎から読み直しました。

機材進化によるハードルの低下とクオリティバトル

カメラマンをアサインして撮影をする時間がなかったことと、カメラも回すことがアピールになるかと考えて、撮影は自分でやりました。
機材は、2023年に購入したX-S20で撮影をしました。
X-S20は本当に素晴らしい機材でした。
Rec 2100.HLGで収録できるのも大きかったです。
ただ、機材が進化しているのは誰しもがそうなので、一定のクオリティラインを担保しつつ、自分のアピールをしないといけないことに、かなり悩みました。
このあたり、時代と共にどう変わってるのかなーとか、すごく気になりました。とはいえ、評価は技術の問題ではないと思うですが…。
というか、思い返して書けば書くほど、よくこんな知識で受けたなと思います。自分の無謀さがすごい。

持っててよかった50mmレンズ

レンズ選定も映画を作るとなると、いつもと違いました。
いつも使っているのは28mm換算のXF18mmF2 Rです。
ただ、これだと広角すぎてるので、50mm換算のXF35mmF2 R WRでほぼ全編撮影しました。
XF35mmF2 R WRを持っていて、本当に良かったです。
購入していた過去の自分、本当にありがとうと思いました。

日頃から画角を切る感覚を養うことの大切さも痛感しました。
撮影しやすい28mmではなく、50mmを使って、画角を切る感覚を養わなければいけない。

大活躍したDJI MIC

機材MVPはDJI MICでした。
DJI MICも2023年に友人と縦型動画コンテンツを作ろうということで、勢いで購入した機材でした。
本当にまじでオススメです。
使う時は、ラベリアマイクを使ったほうがいいです。

32bitフロートに対応した2も出たから、買い換えようかと思っている。

映画製作は、友人への電話から始まる

スタッフアサインも大変でした。
ただ、とにかく大事なことはまず電話をしてみることでした。
芸大教授の諏訪監督も本の中で、
「映画を作るということは、友人に電話をすること」
と書かれています。
電話してみると、意外とあっさり協力してくれたりします。
連絡も早ければ早いだけいいと思います。

私の話でいうと、友人が最近バーを開店したこと、大学の後輩が照明部になっていて仕事の現場であったこと、役者の友人に恵まれていたこと、芸能事務所の仕事を担当していたことなど、点と点が線になるようなラッキーに恵まれていました。
これはもう本当に、心優しい友人各位に頭が上がらないです。
本当にありがとうございます。

音選びでドツボにハマる

編集作業が大変だったのが、音選びでした。
これは全く上手くできなかった。

映画は意外と音楽がなってる

これも書いていて本当に恥ずかしい話なんですが、編集をしていてわかったことが、「映画は意外と音楽が鳴っている」ということです。
大学で何を勉強してたんだっていうのと、35年間なにを観てきたんだと、恥ずかしくなりました。
脚本、コンテの段階で、このことを待ってくイメージせずに制作をしているので、絶望的だったのと、絶望的に閃きがありました。

なんかもうコレは本当にヘッポコ侍って感じでしたが、ヨハン・ヨハンソンを聞きながら、なんとか精神を保ってやりました。
ありがとうヨハン・ヨハンソン。

ヴァンゲリスの偉大さにも気付かされた。
まじでヴァンゲリスすごい。

完成と一次試験不合格

というわけで、なんとか第一次試験課題は提出することができました。

三次試験準備

一次試験の結果発表は1/17でした。
もしも合格していたら、三次試験でも作品を提出しなければいけません。
そのため、三次試験の脚本も同時進行で書いていました。

何が好きか、と向き合う

三次試験の企画制作では、自分が何が好きなのかということと向き合えば、自分らしい企画にたどり着けるのではないかと考え、とにかく好きな作品を見て、要素を分析しました。

私は新しいものに飛びつくのが好きなので、好きなものを何回も観たりすることが少ないです。
創作活動において、自分はらしさ、何を作りたいのか、ということと対峙するために、自分は何が好きなのかという自身の趣味嗜好と対峙することの大切さを身をもって思い知りました。

当たり前やろって話ですよね。
わざわざこんなことを書いていて恥ずかしくなってきましたが、もし過去に戻って自分に言えるのであれば、好きな映画についてもっと深掘りしておけと伝えたいです。

一次試験不合格

そして一次試験に落ちました。

毎年受験する

悔しいので2025年度の募集も受験をする予定です。
がんばります。

受験があると作業する

一年後にまた受験があると、それに向かってお金をためたり準備をしたりということに意識がいきます。
そうすると、ここにはお金を使おうかな〜とか、これは今じゃなくていいかな、みたいに、判断基準が明確になってすごくいいです。
映画を作る機会も、受験から生まれました。
今もすでに、手伝ってくれた人たちと、また映画を作ろうと動いています。

受験いいと思う

やりたいことがあるけどできないとか、どうしたらいいかわからないという人に、大学院受験はすごくいいと思いました。
大変ですけど、考えているよりも大変じゃないです。
また、周りの友人や家族は、意外と応援してくれます。
そういうときに応援してくれない人がいた場合はとても悲しいですが、がんばりましょう。


以上です

質問があれば、コメントかインスタにください。
また、受験の作品が見たい場合は、コメントかDMいただけましたらお送りいたします。

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