見出し画像

脚本メモ:サウナの魔神

◯温泉・外観・朝
   朝方の無人の温泉

◯同・サウナルーム

   サウナルームのドアを開ける男。
   座るところに置物が置いてある。

男「なんだこれ?」

   おっさんの置物を手にとる男。
   不思議そうに置物を擦る男。   
   置物から煙が出ておっさんが出現する。

男「うわぁっ! な、な、何?」

   おっさんが男の方を向く。

男「え? いつの間に?」

   微動だにしないおっさん。

男「あのー…… 大丈夫ですか?」

おっさん「私はサウナに現れる魔人。名を冠するなら、サウナの魔人だ!」

男「いや、そのままじゃん!
えー…… 変なおっさん、こわっ。」

   男はサウナを出ようとするがドアが開かない。

男「あれ? なんで!? うそ!」

おっさん「無駄だ。
私とサウナの我慢比べをして、勝たなければ出ることができない」

男「え?何言ってんの?
え?これあなたがやったの?
開けてくださいよ!」

おっさん「無駄だ。
私とサウナの我慢比べをして、勝たなければ出ることができない。」

男「それしか言わねーじゃん!RPGの村人か、お前!」

   おっさんの真剣な眼差しを見る男。

男「んもぉー!わかったよ!
じゃあ、下座るからおっさん上に座れよ」

おっさん「ふむ。
サウナの特性をよく理解しておるようだな。
よかろう。
では、勝負をしようではないか!」

T「サウナでの我慢比べは危険なのでおやめください」

   進む時計。
   汗が滲む男。
   涼しい顔のおっさん。

男「あの……」

   涼しい顔のおっさん。

男「あの! これって俺が負けたらどうなるんすか?」

おっさん「死ぬのみだ!」

男「は!こわっ!」
   立ち上がっておっさんに近づく男。

男「いや、ここから出せよ!なぁ!」

   無視をするおっさん。

男「なあって!おい!」

おっさん「ふん、貴様、負けると分かってから勝負をやめたくなったか。
だが、もう遅い!」   

男「くそ…… みてろよ」

   男は自分の巻いていたタオルを外す。

おっさん「何?貴様、何をする?」

   チラチラと男の下半身を見るおっさん。

男「これでも食らえ!」

   男は巻いていたタオルでおっさんをあおぐ

おっさん「やめろ!熱波だと!貴様!」

   タオルを持ちかえ、回転させながらあおぐ男。

おっさん「ぬぉわ!熱い!そんな技、どこで習得したんだ!
お前は熱波師か!」

   あおぎ続ける男。

おっさん「ぐぬぉ!分かった!もうおかわりはいいから!
まいったまいった!俺の負けだ!」

   あおぐのをやめる男。
   おっさんは汗だくになって息遣いが荒い。
   男も息が荒い

おっさん「はぁ、はぁ…… いい、ロウリュだったぜ」
   おっさんは蒸気となって消えていく。

男「あぁ、危うくマジで死ぬとこだった……」

   サウナを出る男。

◯同・水風呂
   男「あぁ、気持ちいぃ……」
男は水に潜っているがその向こうでサウナに入る別のおじいちゃんの姿が。

◯同・サウナ
   サウナに入るおじいちゃん、置物の存在に気づく。
   おじいちゃんは置物を手にとる。

おじいちゃん「ん? なんだこれ?」

   おじいちゃんは置物を擦る。


いつも応援ありがとうございます! すごく嬉しいのでお気軽にリアクションしていただければと思いますm(_ _)m