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『度胸星 続編もどき』_イントロダクション

これから私は、続編という形での二次創作をシェアします。

題材となるのは、山田芳裕(やまだ よしひろ)先生の『度胸星』という漫画です。
絵を描けるわけではないので、シナリオというかノベライズというか文字のみの妄想続編となります。
すべて初めての試みです。お手柔らかにお願いします。

まず『度胸星』がどんな作品なのかのアウトラインをウィキペディアから引用します(けっこう長いので、括弧書きの説明は省略します)。

1969年のアポロ計画からおよそ50余年、人類はついに火星に到達した。NASAによる「第4惑星への計画」は順調と思われた。しかしその矢先、突如として火星と地球の交信が途絶えてしまう。計画を推し進めていたアメリカは、火星に取り残されたと思われる4人のクルーを救出するため、全世界から新たにクルーの募集を始める。日本ではNASDA(現JAXA)が全国にクルー候補生を募り、トラック運転手である主人公三河度胸が仲間とともに厳しい選抜試験を切り抜けていく。火星では、ただ一人生き残った宇宙飛行士スチュアートが事故の発端となった正体不明の物体「テセラック」に壮絶な戦いを挑む。厳しい選抜訓練や試験を乗り越え、NASAへ派遣されたのは筑前、市原、石田の3名。度胸と武田は十数年後を見据えたNASDAの火星行計画に請われて参加し、衛星軌道上での作業などで実績を積んでいた。救出クルーとして火星に向かったブラッドレー、ブロンソン、筑前、石田だったが、やはりテセラックによって帰還船を破壊され、地球との交信を断たれてしまう。莫大な税金を投入した「第4惑星への計画」が2度に渡り失敗したことが原因で、大統領選挙では継続がならず、新大統領が当選。新大統領は「第4惑星への計画」の打ち切り=救出クルーの救出を放棄することを宣言した。そんな折り、衛星軌道に残っていた度胸、武田、市原たちにロシアのハリコフから連絡が入る。ロシアも個別に莫大な予算を投入して有人火星探査計画を進めており、成功の確率が高くない救助作戦を公には展開できないのだった。度胸たちは、誰にも知られず、誰からも賞賛されず、地球上では行方不明扱いとなる極秘ミッションへの参加を決意する。度胸たちを乗せたロケットがバイコヌール宇宙基地から打ち上げられたところで、物語は終了する。

https://ja.wikipedia.org/wiki/度胸星

そうなんです。この作品は未完のまま連載が終了してしまったのです。
きっと2000年当時連載されていた『週刊ヤングサンデー』(小学館)への抗議の電話が鳴りやまなかっただろうと推察します。

ネットで閲覧できるブログからも嘆きの声をいくつか集めてみました。

どの宇宙モノよりも傑作になるはずだった。
日本の「2001年宇宙の旅」に、日本のクラークになれるかもしれなかった。

かんまんブログ https://kanmanblog.net/?p=248

西原理恵子が手塚治虫の未完作品を読んでしまい悶絶する自分を描いていたが、あんな感じだ。なんか小難しいSF風に振れて行く前に終わって、逆によかったのか、それともその小難しいSF風を山田芳裕の圧倒的なパワーがぶちのめしていくのか、ああ、どうするつもりだったのだろう。

関内関外日記 https://goldhead.hatenablog.com/entry/2018/01/30/125854

打ち切られずに続いていたら、高次元の存在との戦いが描かれていたはずです。
高次元との戦いとは、置き換えてみれば生身の人間と紙の上に描かれた人間が戦うことと同じです。<中略> それくらいの差がある戦いになる(はずだった)のです。
それをまあまあぶっ飛んでいる山田先生がどう扱って行くのか、ものすごく見てみたかったです。

pushthebutton-03のブログ https://ameblo.jp/pushthebutton-03/entry-12697067096.html

こうした悲しみや喪失感を、私もどうしようもなく感じました。
なので今回、自分の力不足はわきに置いて、この気持ちにケリをつけるために続きを夢想するしかなかったのです。

ただ私の関心はどちらかというと、テセラックという高次元の存在をどう描写し、決着させるつもりだったのかという点にあります。
科学的というかSF的な結末が知りたかった気持ちのほうが強いです。

ですから上のブロガーの声にあるような、パワフルなストーリー展開への期待にはまったく応えられていません。
ここまで書かれてきた物語のプロットや状況設定を壊すようなことはしないように注意したつもりです。
あと、物語の設定年代と2001年以降の現実の科学技術の進展との折り合いにも留意し、なるべく論理破綻しないように気をつけました。

肝心のテセラックの解釈は・・・自信はないです。
みなさんと一緒にブラッシュアップしていきましょう!

山田先生の作品は、他に『望郷太郎』を読みました。
オリジナリティある物語背景、キャラクターの人間くささ、躍動的な表情やアングルなど、創造性に富んだ作風だとお見受けしています。
『度胸星』での驚愕の顔のタッチなどは、あのエネルにも影響を与えたのでは、と思います。

新潟明訓高校のご出身とのことですが、『度胸星』主人公の三河度胸のあの目は、『ドカベン』山田太郎へのオマージュなのではないかとひそかに思っています。

続編もどきの投稿の前に、登場人物とこれまでのあらすじを紹介する回をはさみますことをご容赦ください。
とはいえ原作を読んでいることが前提です。
原作を読んでいないと絶対に楽しめないので、いますぐ書店へダッシュかネット通販でポチッかをお願いします。

なお、原作の世界観が好き、登場人物の誰も死んでほしくない、あの終わり方は納得していないけど代わりはありえない、未完だからこそ名作という人は、くれぐれもスルーしてくださることをお勧めします。

noteでみつけた『度胸星』関連記事を下に貼っておきます。
それぞれの思い入れが感じられて、胸アツになりますね。


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