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Z世代を理解する

「Z世代ってなに?」

この質問に正確に答えられる人は少ないでしょう。若い世代であるようだが、それがどういう年齢層なのか、どういう行動指向なのか、どういう価値判断を持っているのか、良く分からない。しかし、どうやらこのZ世代が次代を創っていきそうな雰囲気になってきた。そんな時代の変化を還暦の私は感じます。

コンサルとしてはこの「Z世代とは何か」を押さえておかねば仕事にならない。というわけで「Z世代理解の基本」をサクッと記していきます。

まずこれを聴いていただこう。17分半の音声です。

大阪や東京の若者が言う事を聞かない。理由は簡単です。1年間我慢して上の世代の言う事を聞いてきた。でも何も変わらない。それどころかコロナ禍は悪化の一途。無策で無能なジジババにNo!を突き付けている、そう私は思います。
Z世代を知る絶好のTV番組があります。朝7時からMXTVでやっている堀潤の「モーニングFLAG」です。4月からゲストをがらりと変えて、Z世代で固めてます。最初は心もとなかったけど、彼らもTVに慣れてきてドンドン自分の意見を発するようになりました。お~、と唸らせる話を彼らから聴くことができます。特に女子が良い。これからの時代は女性が主役です。

未来が輝いているかどうか分からない


デジタルネイティブ世代=Z世代+Y世代

冒頭の質問に関して、ふくおかファイナンシャルグループが立ち上げた「みんなの銀行」のプレゼンの中に分かりやすい説明があったので引用させていただきます。(銀行口座作りますからね、みんなの銀行さん!)

みんなの銀行_事業説明会

ここではZ世代とY世代(ミレニアル世代)が記されていて実に分かりやすい。さらに続くこのページも興味深い。「みんなの銀行」では彼らのことを「デジタルネイティブ世代」と呼んでおり、2030年にどうなるのかを示しています。

みんなの銀行_事業説明会_2

さすが銀行、2030年に向けて彼らが金融取引の中核となる世代であることを具体的に示しています。

2030年にはデジタルネイティブ世代は就業人口の62%を占めています。

2030年といえばシンギュラリティによって世界が激変した末の年とされていますので、これから始まる激動の10年の中心に彼らは主役となり、経済を回し、社会の中心となることをこの資料は示しています。

Z世代は、この社会の中心世代でも若い層なので、より行動的に動くことが容易に予想できます。なるほど堀潤が注目しているだけのことはあります。

つまり彼らは今後10年で、社会を映す鏡になる、ということなのです。


Z世代とY世代を比べて分かること

上記資料を拡大して、各々を見てみましょう。共通しているのは幼いころからインターネットやスマホが当たり前にある環境で育ったということです。まさにデジタルネイティブ世代です。

みんなの銀行_事業説明会_3

みんなの銀行_事業説明会_4

ちなみに、1960年生まれの私がいまのZ世代の年齢ではインターネットは無し、FAXですら普及が始まった頃で、コンピュータはPCは無くメインフレームで、OSもWindowsは無し、アップルも存在せず、インターネットなど夢の世界、という時代です。

私はDynabookの開発者でもあり、PC開発の黎明期からICTに親しんできましたので、その変遷を熟知し、なおかつ使いこなしていますから、この世代とは互角に渡り合えますが、私の世代ではこのようなタイプは極めて稀で、スマホの操作すらおぼつかないという類がわんさかいます。

Z世代:23歳以下

・ SNSは使いこなすが頼っているわけではない
・変化に柔軟
・前向きだけど心配性(安定すると逆に不安)
・上司の指示は理解するが、従うかは自分が決める
・プライバシー保護の意識が高い
・ブランドではなく本質に価値基準を置く
・オンタイムで仲間とコミュニケーションをとる

Y世代:24~38歳

・個人主義
・モノよりコト重視、経験が価値
・コミュニティに所属し仲間意識が高い
・ワークライフバランスを重視
・ブランド品よりユニークなもの
・コスパ重視
・恋愛や結婚に執着していない
・買い物はネットショップ
・貯蓄意識が高い
・終身雇用に執着していない


ガラパゴス世代と比較する

これに対する上の世代、特に高度成長期のガラパゴス世代はこうです。

・世界第2位の経済大国
・バブル期中心世代
・現金至上主義
・物質至上主義
・持家至上主義
・高学歴至上主義
・公務員黄金期
・クルマ所有当り前
・親に服従至上主義
・人間ロボット化教育
・不登校は非適格人間の烙印
・専業主婦という絶滅危惧種が主流だった時代
・他人と違うのダメダメ矯正の横並び指向
・非デジタルネイティブ:ICT音痴
・未来はバラ色(のはず)

分かりやすく少々誇張して記しましたが、若い方にはこの年齢層の傾向を理解いただけたでしょう。

残念なことに、この私よりも少し上からのこのガラパゴス世代が、貯蓄を含めた日本の可処分所得の6割以上を持っているので、いわば彼らが日本のステークホルダーです。お金はあるし家も持っている、人生における二大出費の住宅ローンも教育費も支払う必要なくなり、大きなお金を使う先が無いという人が多いうえに、資産運用で超保守的な日本ですから銀行にとっては大のお得意様です。

政府がこのガラパゴス世代向けの政策をせっせとやってきたのは、取りも直さず選挙には興味を持つ大票田の彼らの支持を失うのが怖いからですが、しかしながら、ここにきてその歪みが「資本主義の壁」と同時に訪れて、仕方なく彼らも変化を余儀なくされているのが現在です。

ステークホルダーである彼らも、老齢化とともにエネルギーを失い、かつての「東大講堂バリケード封鎖」し機動隊と対峙した「戦闘世代」のベビーブーマーも、いまや爺さん婆さん世代となり、大人しくなりました。デジタル機器が使いこなせないので、デジタルデバイド被害者の中心となっている世代です。

デジタルネイティブ世代には想像すらできないでしょうが、この非デジタルネイティブ世代が起こした事件として象徴的なのは、過激派が浅間山荘に立て籠もり管理人の奥さんを人質にして警察と対峙して、警官をライフルで次々と狙撃した「あさま山荘事件」という大きな事件を起こしました。

同時に世界中に日本のテロリストが暗躍し、赤軍派の名前を有名にしました。世界のあちこちで「革命という名の無差別殺人」を行った若者を生んだ世代です。そういう意味ではIS国のミニチュア版を日本が世界にばら撒いていた、という事実があるのです。日本国内でも「ピース缶爆弾事件」「三菱重工爆破事件」など沢山のテロが行われて、多くの死傷者を出してしまいました。

こうして比較してくると、同じ日本人でも全く異なる顔が見えてきます。

今回はここまでとして、今後もZ世代に注目して動静を注視していきます。続編をお楽しみに。


Z世代を音声で理解する

今回の内容を音声でも発信しています


ではでは

三川屋幾朗@mikawaya1960
 公共メンター https://menta.work/plan/954


参考:コロナ禍で得する国は?


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