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お雑煮に思う


#うちのお雑煮

私はお雑煮が好きだ。

でも食べたくなるのはお正月だけで、年の初めにしか作らない。ごはんやお味噌汁、カレーライスやハンバーグは何度も繰り返し作るのに、なんでだろう。よく考えたら、そんな『特別』なごはんって、なかなかないよね。

2024年元日に食べたお雑煮は、コチラ。

牛蒡、人参、三つ葉、鶏肉、銀杏、蒲鉾、焼き餅
昆布と鰹のお出汁に醤油と塩で味加減。
この塩梅が毎年定まらない。
なんなら具材も定まらない。
椎茸や大根が入る年もある。

要はその年の台所事情と気分によるのだ。
今年は椎茸を別の料理で使い切ったので、お雑煮用はなく、大根は切るのが面倒になり、やめた。

このお雑煮は、私の実家のお雑煮だ。
私の両親は北海道の出身で、私も生まれは北海道だが、このお雑煮は、いわゆる関東風だと思う。魚介も入れたことはないし、お餅は角で丸ではない。

このお雑煮を24年間食べ続け、結婚して3年は夫の家のお雑煮を作った。夫の母から教えてもらったのは、名古屋のお雑煮で、もち菜と鰹節とお餅が入ったシンプルなものだった。お餅は焼かずに煮て食べた。

しばらく我慢して名古屋風お雑煮に付き合ったが、年に一度しか食べないお雑煮がこれなのは悲しかった。
夫には申し訳ないが、元日は名古屋風を作り、2日目は実家の味も作るようになった。夫は元日のお雑煮しか食べなかったけど。

それも仕方がなかったかもしれない。
お互い慣れ親しんだ味なのだから、変えなくてもいい。
息子はどちらのお雑煮も食べていたから、こんな風に味は交わり、受け入れられて、引き継がれていくのだろう。

息子が少し大きくなってから、お雑煮椀を新しくした。
実家でも婚家でも、普段のお味噌汁を飲む時に使うお椀で食べていたのだが、これだけは変えてみたかったのだ。黒塗りか朱塗りかで何年か迷い、ある時、これがいいと思えるものに出会った。
朱塗りの少し大振りなお椀である。
このお椀のおかげで、お正月のお雑煮は私にとって、さらに特別な食事となった気がする。

なにせ、一年に一度、棚から取り出したお椀に盛りつけて食べる一年に一度のお雑煮だから。

そしてこのお雑煮を今年もまた食べることができたことに、感謝でいっぱいだ。

2024年、毎日の有り難い「特別」を大切に、愛しんで過ごしていきたいと思う。

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