見出し画像

『アングスト/不安』を観ました。

ネタバレって人に寄るなと思い至りまして、観た映画の感想をnoteに書いてみようと思います。

『カメラは捉えた!殺人狂の本当の姿!』です。
犬は無事です。

どのノンフィクションよりも、ノンフィクション。
映像美とか観客への意識とか、そういうものを映像から感じさせない、一人の殺人狂を淡々と記録した映像。
実際は映画なのでフィクションなのだけど、映像の淡々とした様に、現実を感じずにはいられなかった。

そっけない映像なのだけど、映ってるのは殺人狂なものだからとんでもない。日常動作の中に純然たる暴力と殺人が当然のように割って入ってくる。それがおそろしいことこの上ない。
私は殺人に快楽を覚えない人間なので彼と同じことはしないけれど、彼がやっていることが分からないではなかった。でも分からないのが健康で正常だろうなきっと。
私は「サイコパス診断」を知っているから「階数を数えている」って答えられるけど、彼は事前知識なくそれを言える人間だってことだ。

音が良かった。常に一人称の音が聞こえてきた。観ている自分が映像の中の彼に成り代わりそうな音がした。

始まりの映像も良かった。彼の歩みで視点が揺れた。同じ目線で世界を観ている視界だった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?