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猫田による猫田のための、出町座。

出町座。

出町座とは、
京都・出町商店街の中に佇む場所。
カフェと本屋が併設されており、
二つのシアターも雰囲気のよい映画館のこと。

映画館なんですけど、
先にサンドイッチの話していいですか?

出町座のソコのメンチカツサンドが美味しい。

出町座のソコというのは、
出町座の中にあるカフェスペースです。

味のある赤色の扉を入ってすぐ左にある
券売機でチケットを買って席に座って、
カウンターテーブル越しにチケットを渡すと、
美味しい食べ飲み物をいただけます。

学生の頃から朝に弱いのだけれど、
寝起きに遅めの朝ごはんを食べるのに
ちょうどいいラインナップというか、
ちょうどいいサイズ。

いろんなメニューのなかでも、
私はサンドイッチがお気に入り。
「でででサンド」という名前がついたサンドイッチ。

カフェで食べる時でも、
おうちやお外で食べる時でも、
レトロ調のおされ箱に入れられて
提供されるサンドイッチ。

食べたら一緒なんていうのは無粋です。
どんなもの食べるにしても、
第一印象でテンション上がるに越したことはない。

お皿にきれいに並べられたサンドイッチも好き。
しかし、箱に入ったサンドイッチは、
ピクニック的なわくわくが自然と生まれるのを感じます。

ポテサラ好きにはピンクポテサラサンドを。
オムレツサンドはなんとなくホテルの朝食を思わせる。
実はキュウリが得意ではなかったのだけれど、
三種のキュウリサンドは苦手でも美味しい。たぶん。

しかしそんなそうそうたるメンバーの中でも、
メンチカツサンドが好き。

でででサンドの中で唯一がっつりお肉系ですね。
他のサンドたちもなかなかにボリューミーで、
満足度が高い。もちろん高い。

しかしその中でもメンチカツサンドは強い。

そもそもメンチカツが強い。
出町商店街のお肉屋のメンチカツですから。
肉屋の揚げ物は美味いって相場が決まっているので。
衣ざくっとお肉がぶっと、
そりゃあ美味しい。

次にソース味がたまらない。
メンチカツとソースはずるじゃん。
いわゆる王道ってやつじゃん。
これまた美味しい。

そしてキャベツがざっくざく。
キャベツ添えちゃったかあ、となる。
粗めに刻まれたキャベツの食感が良い。
キャベツに和えられたマヨがソースとマリアージュ。
うなるほど美味しい。

はあ。
メンチカツサンド引っ提げて、
鴨川でピクニックしたい。

またトンビにかっさらわれる予感がするけど。

さて、

映画館としての出町座も大変良いですよね。
そもそも映画館として好きでもなかったら、
わざわざご飯食べにも行かないんですよ。

実のところ、
あまり映画を観ない質でして。

休日は行き当たりばったりで過ごしています。
休日に予定立てられる人ってすごい。

なので決まった時間に上映される映画というのが、
行き当たりばったり休日と相性が悪いのです。

別に好きでないわけではなく、
観たら観たで楽しいのは知っているし、
絶対に観るぞとなれば自主的に観るのだけれど。

と言いつつ、
そういえば観たいと思ってた映画を見逃す率は
確実に人より高いな…とうっすら思うわけだ。

それほど映画と距離が近くもない私ではあるが、
出町座にはそこそこ出向いていたような、
そんなような気がしないでもない…。

初めて見たのはなんだったっけ…。
ゴッホかな…。
いったんそういうことにしよう。

『ゴッホ 最期の手紙』
”全編が動く油絵で構成される”って…
なーに言ってんだかって思って観に行ったら、
全編が動く油絵で構成されていてたまげました。

出町座の公式ツイッターで見かけてから、
観たいなー気になるなーと思っていたら、
残るは最終日のみ!というところに追い込まれていた。
この期を逃さぬ!という気持ちで向かったのだっけ。

ゴッホの絵が動いているとしか形容のしようがない。
そんな圧倒的な映像だった。
ストーリーの記憶がもはや皆無となっているのだけど、
唯一無二の映像表現を見ているだけで満足できる。
そんな映画だったと思う。

ここ数年、
おもしろい映画を見た時にはパンフレットを買って、
わずかにでも制作に課金するようにしている。

『ゴッホ 最期の手紙』のパンフレットも、
迷うことなく購入したのだけれど、
動く油絵で構成された映画のワンシーンを切り取ったら、
それはもう純粋な油絵なのだ。
これはパンフレットというより画集というのが正しいだろう。

パンフレットを見ても映像が甦ってこない。
もう一度映像で鑑賞する他ないみたいだ。

…ところで調べてみたところ
出町座で最初に観たのは
『夜明け告げるルーのうた』だったようでした。
記憶力とはてんで当てにならない。

ひとに勧められて観に行ったのだけれど、
キャラデザに既視感をおぼえまして。
スタッフロールで確認したら、
「ねむようこ」さん…あっこないだ短編集買った!
となったのを覚えています。
些細なことに運命感じちゃう。

斉藤和義さんの「歌うたいのバラッド」が、
また良いお仕事してたりとか、
わかりそうでなんだかよくわからないけど、
なんだかおもしろげな世界観とかが好きだったな。

『ルー』を観に行った時に置いてあった
スタッフさん私物の『The Art of Kubo and the Two Strings』に
めちゃめちゃテンション上がったっけ…

そうそう、
『KUBO 二本の弦の秘密』の吹替を観たのも出町座でした。

KUBOもアニメーション映画です。
ストップモーションアニメーションっていう言葉を、
私はこの頃初めて知りました。
映像としては観た事あったけど。

KUBOはいいぞ。
涙が出るほどきれいで滑らかな動きをするぞ。
そしてありがちにならないストーリー展開。
私は映像美に泣いてストーリーに泣きました。
一上映につき三回は泣いてた。

映画館で初めて二回見た映画はKUBOでした。
見知ったものでも改めて見ると違う発見がある、
なんて漫画で知っていたことなんだけれど、
映画を複数回見る発想に至っていなかったのは、
完全に私の映画へのかかわりの薄さ故ですね。

久しぶりに出町座で映画が見たい。
シアターのサイズ感がなんだか私にしっくりとくる。
いやそれを言うならまず先に、
他のローカルなシアターに行ってみたい。

ただ最近気になっている映画というのが、
怖ろしげな香りを放っているものばかりで…。
『ミッドサマー』とか『許された子どもたち』とか。
ホラーコンテンツは苦手というかトラウマなのだ。
正直困っているのだ。

ホラーを観るかはともかくとして、
出町座に映画を観に行きたい。

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