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トランプショックについて

トランプショックの話をします。
トランプショックとは「米ドルの単独切り下げ」です。ニクソンの時のように「説明はしない。発表するだけだ」として、ある日突然起きます。
なぜなら、トランプショックを起こすのが、キッシンジャーが望んだトランプへの配役だからです。
彼は忘れていない。だから、します。

では。トランプがニクソンの時のように突然ドルを1/2に切り下げるとどうなるか?
米国は現在、対外債務を円換算すると4500兆円あります。それがその時から1/2になる。
比して対外資産は3277兆円です。これは全て現地通貨建てです。これは、その瞬間から2倍になる。
これがトランプショックです。
一方的な自己都合の押しつけです。そんなもンできるわけない?できます。ニクソンがしました。
もちろん為替価格は中央銀行の管理下にない。相対論で成立している。しかし・・たとえば紙幣の流通量を突然増やしたらどうでしょう? あるいは兌換機能を停止して待ったらどうでしょう?ニクソンは後者を実行したのです。

つまり対外債務4500兆円→2250兆円。対外資産3277兆円→6554兆円。
6554兆円-2250兆円=4304兆円の対外純資産国に、一瞬にして変わるのです。万年赤字国の時代はこれで終わります。

では、そうなった場合。アメリカに資産の多くを持つ/そして持っている金融資産の大半がドルとドル国債の日本はどうなるか?
日本のドル建て対外資産は1249兆円、これがアレヨアレヨと半分になります。324.5兆円になる。
一方、円建て対外負債は現在838兆円あります。
https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/reference/iip/data/2021_g.htm
つまりドル建て対外資産324.5兆円-対外負債838兆円=213兆円の対外純負債国に、一瞬で・・なるのです。
これはヨーロッパでも同じです。

ということは・・トランプショックがあったとしても、ニクソンの時のような「第二プラザ合意」を成立させることは極めて至難だということてす。普通なら外国からの協調的なドル売りをトランプは望めない。
ではどうするかですね。
僕は幾つかのキーワードがあると、見ています。
①プーチン/習近平/トランプによる経済軍事鼎談
②不換紙幣の廃止。金コモディティ制。第二ブレストンウッズ制の開始
③世界標準としてデジタル貨幣の確率
④つまりドルの基準価格のなし崩し的廃止。
ドルをグローバル通貨の立ち位置から、ローカル通貨に立ち戻すということです。

貨幣そのものの成立背景のリセットです。可能です。コンピュータの登場が金融の世界をここ50年間で一変させました。
ドラッカーが見つめていた「ポストモダンの世界」がようやく見えてきた・・と見るべきでしょう。

無くてもいいような話ばかりなんですが・・知ってると少しはタメになるようなことを綴ってみました