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わたしの詩集 8 フロントライト


別になくても よかったものたち
どこへでもゆけよ いまはもう

うんと甘く煮立たせた 果実
いつも不安げだったね ぼくら

怖いことが たくさんある気がしていた
気がしてた だけだった

次に目覚めたら 目を合わそう
正しい重さで ふたり話そう
やりすごしてきた日々は 燃やそう
いちばん透明な水を あげよう

怖いことは これからも起きてしまうのだろう
しまうだろう それは

次に目覚めたら ぼくら泣こう
正しい重さで ふたり泣こう
そして確かめ続けていくの ここで
すべてが等しく終わる その日まで 
その日まで

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