見出し画像

123天文台通りの下町翁 雑記帳~医療崩壊を想像すること~

新型コロナウイルス感染がこの国で問題になり始めて1年。コロナはただの風邪だなどと楽観している声などもあったし、マスコミでもひたすら国や自治体が流す感染者数を日々更新するばかりで、人口あたりの病床数が世界でも飛び抜けて多い国だということもごく最近、独立系ネットメディアVideonews.comの番組(https://www.videonews.com/marugeki-talk/1028)(https://www.videonews.com/marugeki-talk/1032)で知って、なぜ、そんな日本で医療現場が逼迫してしまうのか? と不可思議でならなかった。今回のような有事には対応できない医療体制の中身、柔軟性欠いた医療の法令、そして本質的な問題に向き合わなかった政治の怠慢とそこに迫らなかったメディアの問題などが複合的に重なっていたこともこの番組から知る。本来なら未解明の要因とは言え、欧米に比べて圧倒的に感染者や亡くなったり、重篤な状況に陥る人の数が少ない条件のもと、しっかり医療や介護を始め、夏から秋に体制を整えておけば、世界的な模範例になれたのにも関わらず、Go to~を推し進め、検査体制も不足したままで、今や医療現場がパンクしてしまう。去年12月半ばに高齢者ホームに入所中の実母が、この感染症とは異なる急病で緊急搬送が必要となり、かかりつけ医や救急隊員がベッドの空きを見つけるのに奔走したあげく、ようやく救急搬送ができたので実感したのだが、今や、さらに状況は厳しくなって、コロナ以外の診療にも大きな影響が及んでいる。自宅待機を余儀なくされる人が増大し、なかには急逝する人も出ている。

とても「コロナに打ち勝った証のオリンピックを」などと国の最高責任者がトンチンカンなことをよく宣伝してられるものだ! この人たちには全く想像力はなく、ましてや可能な限りのリスクを考えて手を尽くしておくというリーダーとしての目配りはない。

面会もままならず、霧の中に入ったままの母の状態を案じながら、病院の吹き抜けの休憩スペースで、他の患者の家族らと同様、出掛けに詰め込んだ"実入りのない翁弁当"を黙々と口に運びながら、やるせなさがこみ上げてくる。心から願う!

オリンピックは1日でも早くやめにして、困窮する人々や現場に金と力を惜しむな! 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?