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カナダで病んだ話

2023年ももう年の瀬です。

タイトルの通りネガティブな話なので、大丈夫な方のみご覧頂ければと思います。

「カナダで」と書きましたが、私自身に病みやすい気質が元々強くあった上で、慣れない外国特有の要素が重なって崩れた感じです。

カナダに来て最初の数年はハネムーン期で、楽しかったです。
色んな事が新鮮で、がむしゃらにやってました。思い通りにいかない事も多くイライラもありましたが、それでもなりふり構わず頑張っていました。

気持ちにガタが来た理由は、仕事です。
現職はほぼ未経験の職種だったのもあり、私にとっては日本語でも理解するのが難しいような話をメンバー達としなくてはいけない事が多々ありました。

私の職場はお金があまりなく、ジュニアやインターンを定期的に安く雇って回していくビジネススタイルだったので、永住権目的で長く残っていた私は自然と新人のメンターをする機会が増え、新人達の疑問点を理解したり英語での説明やフォローを必死でしていました。

私が自信が無さそうに見えるせいか、一部の人は私の話を聞かない印象がありました。

特に北米では自信があるように見える事は重要だと思いますが、日本ですら気弱な方だったのに、こちらでは更にハードモードです。

現地育ちの人などは、視点がズレていたとしても、私の感覚からすると物凄く堂々と説明してきます。
正しい云々と言うよりは、それがその人にとっての現時点での考えだからです。

1. 相手がネイティブスピーカーかつ自信を持って話すので、彼らは正しい事を言っているように錯覚する
2. 相手が堂々と話すので、私が自分の英語力が足りず誤解したのではと疑う

という事が私に起こり、自分が間違っていない場合でも混乱して、自信を失いました。

相手の言う事が間違ってるわけではないものの、経験の浅さから来る観点のズレなどを感じつつ、どのように相手の気分を損ねずに上手く相手が納得できるように英語で説明するか、しかも私自身もそこまで経験があるわけではないから自分のやり方が絶対正しいと思える訳でも無い、と色々考えストレスフルでした。

当たり前ですが、ネイティブスピーカーは英語の情報処理が私よりも格段に早いです。
自分の自信の無さから、「彼らが自分で調べた方が早いじゃないか、何でわざわざ私に聞くんだ、聞いたところで別に私の意見も聞かないじゃないか、私は移民で英語は母国語じゃないんだ」と嫌な気持ちが増えました。

上司にも数回英語の悩みは話した事があります。
答えはいつも「君の英語は問題無いし、良くやってる。他のメンバーも君に感謝してるし、君の知識はすごいと言っていた。自信を持って!」といったものでした。

こうやって書くと周りの人はちゃんと私を認めてくれていて私だけが被害妄想をしていた可能性も高いのですが、当時は「私にやる気を出させる社交辞令だ、そもそもこっちの人は常にポジティブな事しか言わない」と斜に構えた見方しかできませんでした。

実は、英語の他にもアジア人で女性だから尚更舐められてるんじゃ無いかという悩みもあったんですが、それを言うのは憚られて相談できませんでした。

日本で働いていた時、2人だけ女性新人をメンターした事があります。
現職でアジア系の移民女性達を計4人メンターした時も、基本的に彼女達は「私のやっているやり方」を一旦飲んでそれに従ってくれました。

他の人達は私のやり方に異を唱えたり、私のやり方を聞いた後に自分で更に別のやり方を見つけようとして結局解決出来ずに時間をかけたり、自己流でやってマネージャーから修正を求められたりしていました。
どこからどこまでがカナダの「個人主義」「自主性を重んじる」文化なのか、語学力で通じなかったのか、私が単にマネジメント能力が無いだけなのか、分かりませんでした。

もう辞めてしまいましたが、一緒に働いていたシニアの人は私の視点を理解してくれて、私が自信無なさそうに説明してもちゃんと私の言いたい事を把握してくれる安心感がありました。
彼は香港系2世のカナダ人だったので、英語非ネイティブの人達とのコミュニケーションに慣れていたのだと思います。
2世の人と話す時は、相手も慣れているので楽です。
中には、ちょっと保護者感が強すぎる人もいて嫌に感じたこともありますが。

私にとって、特に現地人のメンターをするのは手に余る感覚が強かったです。
昇給が貰えた訳ではなかったので、今思えばそもそもメンター自体も断れた事でした。
もしくは北米の文脈からすると、しっかり昇給をリクエストするべきでした。

英語力もそこまで無い移民だから。自己主張もはっきりできないアジア人女性だから。足元を見られている。良いように利用されている。それに気付かなかった自分も情けない。ヘラヘラ愛想良くして馬鹿だった。私が頑張ってメンターしても、みんなすぐ辞めて転職していく。でも私はもっと良い所に転職できる自信がない。
「情けない」「不甲斐ない」加えて被害者意識で、どんどん病んでいきました。

やる気もなく機嫌も悪く、自分にとっても周りにとっても悪影響しか無い働き方をするようになりました。
新しく入ってきた人達からしたら、そこで既に働いている人間がそんなではやりづらかったと思います。

ある時から本格的に鬱になったのか、毎朝のビデオミーティング後に涙が出るようになり、口頭の会話が全く頭に入らない事が増え、会話後は1•2時間かそれ以上何も集中できず仕事が出来なくなり、そのパニックでまた集中が出来ず泣くような悪循環に陥りました。

幸い職場の福利厚生で心理カウンセリング代がいくらかカバーされたので、人生で初めてちゃんとした心理カウンセリングを受けました。
そこで、accommodationを職場に掛け合ってはどうかと言われました。私が働きやすい環境を作ってもらうように頼む、という事でした。
どういう環境なら私が仕事に集中できるようになるか、カウンセラーと考えました。

その後、精神的な問題が出ている事を上司に話しました。
リモートワークだったのですが、私との全てのコミュニケーションをテキストのみにして欲しい、ビデオ通話でのミーティングも無くしメンタリングは減らしてほしいとお願いしました。
少し紆余曲折はあったのですが、結果的に私は今メンターもせず自分1人だけのプロジェクトを担当するのみで、だいぶ落ち着きました。
ビデオ通話も今は出来ます。
ちなみに給料は変わっていません。

職場側も人が残らない環境なのは分かってるので、私のような人間でも長く居て過去のプロジェクトなどについて知っている人は残しておきたいのだと思います。

元々病みやすい気質がある上に、安定していそうという理由だけで好きなわけではない仕事を選んだのが元凶です。
(一応の弁解として、仕事が楽しくてやりがいを感じた時もちゃんとあります)
誰かを教育する事に慣れていなかったので、それも原因です。

ただ、今回言葉の壁はかなりのウェイトを占めました。人種に関して色々考えてしまったのも一因です。
昇給や待遇の向上を求めなかったのも良くなかったんだろうと思います。

上司達からは、私が改善できるポイントとして「自信を持つこと」を度々言われていました。
私の自信の無さは病的ですが、北米の自信の基準は日本よりも高いと思うので、私がそのレベルの自信を持つ事がまず可能なのかも謎です。

今は同じ職場で働きつつカナダで転職活動中ですが、日本が恋しくなってきて帰ろうかという気持ちもあるので、どうなるかは分かりません。

年の瀬なので黒豆の煮物とお汁粉を作る準備をしています。
友人に誘われたので、今日のお昼にはSurreyのインド料理店に行ってきます。
色々あるものの、元気です。

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