今朝、
ふとおばあちゃんのことを考えていた。
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前に自己紹介でも書いたとおり、
わたしは片親の家庭で育ったため
夏休みは必ず祖父･祖母の田舎で過ごした。

田舎は奈良でも桜の名所として
知られている「吉野」という場所。
夏には吉野川へ釣りや、
バーベキューをしに訪れる家族連れで
いっぱいになる。
あとは･･･
有名な「やたがらす」という日本酒の酒蔵がある。

バスも電車もさほど通っていない。
年々、過疎化がすすむ町だ。
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祖父はもう10年以上前に亡くなった。
とっても優しい人だった。めったに怒ったところは
見ていない。
当時、高校生だったわたしにとっては
初めて人の死を見送った出来事だった。

それから祖母･･･(以下、おばあちゃんと書く)
おばあちゃんはひとりで日々を過ごしていた。
元気な頃は、一軒家に一人暮らし、
ヘルパーさんの助けは借りていたものの、
簡単な調理もしていたし、デイサービスにも通っていたのだけど、近年はずっと夢の中で生きていたようだった。

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夏におばあちゃんがいた介護施設を訪れたときには
もうわたしのことは彼女の記憶からいなくなっちゃってた。

「だれ？」って。

「わたしだよ」って伝えても全然反応がなくて。

ずっと夢を見ているようだった。

「今日、電車に乗ったの」などとと話すけれど
ひとりで出かけることなど不可能なはなしで。

生きているのに
今を生きていなかったのかもしれない･･

そんなおばあちゃんが元気だったころ。

たしかわたしが
小学生だったころのはなし。

「おばあちゃん、オムレツが食べたい！」

とリクエストしたことがある。

たぶん、
「オムレツ」ってどういうものか
知らなかったのだと思う。

それかアレンジだったのかもしれないけど、
おばあちゃんのオムレツは和風オムレツ。
味付けは和風のおだし、オムレツの
中身は　ひき肉、たまねぎ、にんじんなどの野菜、そしてなぜか　ちくわが入っていた。

それを食べて
「なんでちくわが入ってるの？」
っていっちょまえにクレームを付けた気がするな･･
(おばあちゃんごめん）

おばあちゃんのオムレツは
残念ながらもう食べれないけれど、
わたしの中でたいせつな思い出の味として
キラキラ、輝き続けると思う。
オムレツを食べるたびに、この不思議な
オムレツを思いだすんだろうな。

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昨晩、おばあちゃんが亡くなりました。
日曜日、サヨナラをしてきます。
まだまだ話したいこともあったのに
「たられば」言っても失ってからでは
ほんとうにおそい。

いま、
やりたいことがあるならやって、
会いたいひとがいるなら会いにいくべきだと思う。今をたいせつに生きよう。
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中村ミキ(みきちむ)
「音楽は魔法=music is magic」
をテーマに活動している、
関西在住のシンガーソングライター。
18年8月～ソロ活動以外に
ポップロックバンド「Noble-Notes」のボーカルをつとめている。2019年EP、ミニアルバムのリリースに向けて活動中!!　うつ病からの脱出経験アリ。
"なにげない毎日が大切で幸せだと伝えたい" 。