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【RWC2023】Round4(4週目)を振り返り

プールCではフィジーがトーナメント進出を濃厚に、プールDではイングランドのトーナメント進出が決定するとともに、日本・アルゼンチンが一騎打ちでトーナメント行きを争うことを決めた第4週。

9月9日に始まったラグビーワールドカップ2023™フランス大会。
5週にわたって開催されるプール戦は、Round4(第4週)を終え、残すところあと1週(Round5)となった。


現在の各プールの状況

Round2までの各プールの順位は以下の通り。

プールA:
フランスとニュージーランドが3勝で他を突き放してリード。このまま2チームのトーナメント行きが濃厚。
プールB:
アイルランド南アフリカのリードは変わらず。スコットランドがトーナメント行きへ望みを残した。アイルランドに大きく勝利すればわからない。
プールC:
オーストラリアは11ポイントでプール戦を終了。フィジーの結果で順位が決定するがフィジー有利か。
プールD:
イングランドがトーナメント進出決定。日本がサモアに勝利したことで、もう1枠は日本とアルゼンチンの直接対決の結果で決まることとなった。

Round4日本代表

ここで負けたら後がなくなる日本。7月のアジアパシフィックネーションズシリーズで負けているサモアと対決し、28-22で勝利した。

日本は体格・フィジカルで勝るサモアに対して、サモアの倍以上の183回のタックルを成功させ攻撃を封じると、攻撃は一気に展開し、前半の得点の優位を最後まで守り切り勝利した。

副キャプテンのSH流選手が急遽欠場、スターティングSH斎藤選手、リザーブ福田選手に変更になった。斎藤選手らしい強気で速い展開は、サモアのディフェンスを崩した。
POM(Player of the match)は、この試合が初先発のレメキ・ロマノ・ラヴァ選手。持ち味の力強いアタックに加えて、要所でのキックを使った多彩な攻撃で、トライのアシストをした。

このゲームでは、SH福田健太選手が初キャップ。おめでとうございます。

Round4好ゲーム3選(除:日本)

(1)フィジー vs. ジョージア

トーナメント出場時王手をかけるフィジーが、ジョージアと対戦。
前半はジョージアがフィジーの重ねての攻撃を抑え、勝つ相手の販促によるPGで9-0 と勝ち越して折り返した。
後半、フィジーが得点を重ねて17-9と逆転するも、PGで追いつかれ17-12と1トライ差までジョージアが詰める。そして、80分になって最後まであきらめないジョージアは、自陣からボールを回して前進する。相手陣内に入って最後の賭け、相手のラインを突破するグラバーキックを蹴った。フィジーのディフェンス陣とのチェイスではゴール直前にフィジーが外にけりだし、トライとはならなかった。

(2)ニュージーランド vs. イタリア

負けたら後がないイタリアと、ワールドカップ史上初めてのプール戦敗北を期して、これ以上負けられないニュージーランドが対決した。

結果は、ニュージーランド 96 - 17 イタリア とニュージーランドが圧勝。SHアーロン・スミス選手のハットトリックを含む14トライで王者復活の意地を見せた。

(3)ウルグアイvs.ナミビア

プールAで勝利がない2チームの直接対決。
ウルグアイといえば前回大会で、格上フィジーを破ったジャイアント・キリングが懐かしい。ナミビアはワールドカップでの勝利がない。
順位通りの結果ではあったが最後までナミビアの奮闘が光った。

雑感 - 点数差の大きい試合

今大会で気になる「点数差の大きい試合」。
Round4までで50点差以上の試合が8試合ある(前回大会は4試合)。

 アイルランド 82 - 8 ルーマニア
ニュージーランド 71 - 3 ナミビア 
  南アフリカ 76 - 0 ルーマニア
  フランス 96 - 0 ナミビア
イングランド 71 - 0 チリ  
ニュージーランド 96 - 17 イタリア   
アルゼンチン 59-5 チリ   
スコットランド 84 - 0 ルーマニア 

プール内の順位がポイント数で決まることから「4トライ以上での勝利」を意識していることに加え、三つ巴(プール内で3チームが3勝した場合、三つ巴状態になる)になった場合は、得失点差で決まることから、特に混戦が予想されたプールB・プールC・プールDでは、「点数を取れる試合ではできるだけ点数を取っておきたい」となる。

強豪国がより点数を取りに来るのはわかるが、この差は大きすぎると感じ、理由を考えた。

  • 強豪国(ハイパフォーマンスユニオン、以前のTier1+日本)とそれ以外の国(Tier2以降)との差が開いている?
    →コロナ禍でテストマッチが少なかった4年間。
    →同じTierの試合が優先され、Tier2以下のチームがTier1チームと対戦する経験が少なくなった。
    →Tier2の強化機会が失われた。

  • 強豪国に余裕がない?
    →コロナ禍の中で強豪国の選手も通常より試合数がなく、前回大会からの世代交代が進んでいない。若手の育成も兼ねた大会で、勝てそうな試合で調整と競争を兼ねて本気120%で挑むのか。

今週(Round5)注目試合

いよいよプール戦も最終週となった。最後まで見逃せない試合が続く。

(1)プールD:日本 vs.アルゼンチン

9/29(金) 20:00~ 
放映:JSports、日テレ

イングランドがトーナメント進出を決定し、日本とアルゼンチンがもうひと枠をかけた一騎打ちとなった。いずれも2勝1敗で並び、ポイント数も同じ、得失点差はアルゼンチンのほうが上だ。プールDで日本がトーナメントに進出するには、アルゼンチンに勝利するしかない。
世界ランキング的には格上のアルゼンチンだが、これまで何度もジャイアント・キリング(強豪を相手に大逆転)をしてきた日本はここでも絶対に勝利したい。



(2)プールB:アイルランド vs. スコットランド

10/7(日) 深夜4:00~ 
放映:JSports、NHK

スコットランドはトーナメント進出に最後の望みをかけ、アイルランドは世界ランキング1位の意地をかける。どちらも負けられない大一番だ。
下馬評はもちろんアイルランドの勝利だがスコットランドの決死のプレーに期待したい。


(3)プールC:フィジー vs. ポルトガル

10/9(月) 深夜4:00~ 
放映:JSports

オーストラリアが初のプール戦敗退となるか。
フィジーが勝利すればフィジーがトーナメント進出、オーストラリアが敗退となる分かれ目の一戦。ポルトガルはジャイアント・キリングで初勝利を目指す。


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