離さないで愛(約3000文字)

ニコラスと 島田君 。ミキ と私で近くの居酒屋に行くことに。


「すいませ〜〜〜ん!!!飲み物で注文だけいいですか〜〜〜!!!」


店員さんにそう 声をかける ニコラス。


なんか 教室で見る彼と違う…胸ポケットからライターとタバコを取り出すと無造作に口に加える。


右手でライターを持ち 空を切ると一瞬で火がついたライターに近づけ タバコに火をつける 。


「ニコラス 先生はずっと日本にいるんですか?」


いつも見せない表情を チラッと見れたような気がした 私は


もっと彼のことを知りたくなってそう 質問じみたことを聞いてみた 。


「だ〜か〜ら〜!!!先生 つけるのやめようよ〜。


日本にはまだ 来たばっかり。半年ぐらいかな ?それまでは台湾にいたんだ。前から日本には興味があって勉強してたからこの機会に行ってみようと思って。


まあ 勉強したって言っても 邪道なやり方だけどね 〜〜〜」


そう言って笑う顔はすごく可愛くて子供みたいだった 。


「邪道なやり方って???」


島田君が聞くと笑いながら


「音楽とか 映画(笑)」


それを聞いて感心する 私たち3人。


「すごくない???それだけで 日本語できるって ……」


3人の言葉に ただ笑顔の ニコラス 先生。


「何で日本に…」


「先生って今から言ったやヤツ酒 一気ね。」


ミキが聞こうとした時に割ってそういう ニコラスにミキが緊張するのがわかる。


「ミキにとっては難題かな???」「だな(笑)」


ニコラスと 島田君がそう言ってからかうとミキは


「絶っっ対言わない もん!!!」


でも ミキはそれから 1時間もしないうちに潰れてしまった(笑)


「方向、 一緒だからミキ送っていくわ。


半分は 俺の責任だし」


居酒屋を出て ベロベロに酔ったミキに肩を貸しながら私たちにそういう ニコラス。


「頼みます。ジュンちゃんの方は俺が責任持って家まで送りますから。」


そう言ってニコラスたちとは別れた私たち。


「気分でも悪い???なんか元気ないみたいだけど???」


帰り道 。


ニコラスのことが気になって仕方ない私 。心配してくれる 島田君 。


「ううん、 大丈夫!!!それより ミキ、大丈夫かな???」


話題を変えた私に島田君は心配してなさそうだった。


「大丈夫、大丈夫。ニコラスがいるから。いつもああなったときはニコラスが送るようになってるわけよ。


ニコラス、 香港ではけ〜っこう格闘技やってたみたいだし 。」


島田君の言葉がミキと ニコラスの関係は「暗黙の了解」って言ってるような気がして。


胸が締め付けられた…


「やっぱり、 元気ないよ ジュンちゃん。」


島田君の言葉にしばらく黙ってた私だったけど思い切って聞いてみた。


「ミキと ニコラス って付き合ってるの???」


その言葉を聞いてやっと私の表情が曇っていたわけを察してくれた様子の 島田君。


「まだ付き合ってはないけど時間の問題 なんじゃないかな 〜〜〜?わかんないけど。」


島田君の言葉に悲しいようなまだ希望が残ってるんじゃないか?


そんな 複雑な気持ちだった。


もう少し 彼と話したい そう思って 私は翌日早めに教室に行こうと思った。


授業が始まる1時間ほど前 。


私は教室である ニコラスのアパートに向かった。


そこで見た光景は…


「じゃあ先生 、私一度家に帰ります。また後で!」


そう言って 教室から出てくるミキに思わず 物影に隠れてしまった私 。


ミキのすぐ後ろにドアを抑え 玄関に出てきた ニコラスは。


なぜか上には何も 羽織っておらず 髪の毛もいつもとは感じの違うセット 前の状態 。


私の存在なんて知らないミキとニコラスは


そのまま別れを告げ その場からいなくなってしまった…


まるで恋人同士のように…


その日は


ニコラスとミキの顔を見づらくて 教室を休んだ。


「この間はどうしたの???連絡なし だったから気になってたんだ。どっか 具合、悪かったの???」


久々に教室に行くとニコラスが何もなかったかのように声をかけてきた。


私は目を合わせづらくて適当な相槌を打つ 。


そこにミキがこっちに向かってくるのが見えた 。


「この間ジュンちゃんが休みの時に話が出てたんだけどね。v6のライブチケット取れたじゃない???うちら 4人で香港行くって言ったらその時期に合わせてニコラス 先生も 里帰りするんだって。


だから 北京語がどの程度 通じるか力試しに行こう かって 。島田君も誘って。」


ミキの話によると香港に滞在する 2泊3日のうち


1時間程度 集まって町の人に声をかけてみるっていう話 。


それで自分たちが わからないところを見つけて日本に帰ろう!


っていうことらしい。


私はチャンス!!!


そう思ってニコラスに思い切って頼んでみた。


「せっかくだからそのまま香港を案内してくださいよ!!!」


最初は「せっかく友達と行くんだから」って断られたんだけど。


しつこく 頼んでやっと オッケーをもらった♥


最悪な出会い


飛行機にのって数時間 。


香港の地を踏んだ 私たち4人は大興奮 !!!


「人が多い ね〜〜〜」リエちゃんが しみじみ 。みんなもうんうんと 首を縦に振る 。


「明日だっけ ?ジュンちゃんの翔君♥に会えるのは???」


ノリちゃんが 肘で私をつつきながらからからかう。


ニコラスと 島田君は明日 合流することを前もって話してたから ニコラスに会うのを楽しみにしている様子 。


「私のって…ただの先生だよ !!!」


そう言ってるけどみんなには私の気持ち、バレてる 。


「せっかく 香港に来たんだ し。まだ ライブ までには時間があるんでしょ??町の方に行ってみない ???」


ミキの誘いに みんな 大賛成 !!!


ライブ会場の近所にあるホテルに一度 チェックインして荷物を置くと町へと 繰り出した 。


こっそり飲み会の時に 隠し撮りしてた ニコラスの写真をポシェットに忍ばせて 。


高い建物 ばかりが立ち並ぶ香港の町中に人が溢れていて 。


その様子を見るとなんだかワクワクしてきた!!!


「あっ! ちょっといい?!」


聞きなれない 言葉の中で聞こえてきた 懐かしい日本語。


振り返って2度びっくり !!!


そこには本物の 嵐の櫻井翔が立っていた 。


翔君は首から北京語で書かれたプラカードを下げて一生懸命 それを伝えようと必死。


「これであってんのかな〜〜〜?」独り言のようにつぶやく 嵐 の翔くん。


今度は 英語で「Do you know 嵐 ???」そんな翔君を見て気づいた。


私のこと 、現地人だと思ってるんだ、、、。


「私 、日本人 なんですけど、、、」


困り果てた 顔の翔くんにそう言うと最初は気づかずに うん、うん 、


と、うなずいてるだけだったけど。


 やっと私が日本人だということに気づき 驚いているみたいだった。


「ここにいる 3人も日本人ですよ」 確認するように言うと満面の笑みでホッとしたのか 


クタクタとそこにしゃがみ込んでしまった翔くん。



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