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今年80歳を迎えられたMさんはずいぶん前から外反母趾に悩まされてきました。色々靴を試しましたが、どれも痛いので、整形外科で「足底板(そくていばん)」を作ってもらいました。さて、手持ちの靴に入れて履こうと思ったら靴がきつくて足が入りません。どうしたものかと相談に来られました。

足底板は一種の矯正用具で病院で処方されます。足のウラにはタテ方向に2か所、ヨコ方向に1か所のドーム状の屋根(アーチ)があり、身体を支えています(それぞれタテアーチ・ヨコアーチといいます)。
外反母趾やウオノメなどを発症した時この足底板を使うことでアーチを正しい位置・高さに戻し、痛みを改善したり進行を予防します。また、脚長差(下肢:腰からつま先までの脚の長さ)調整にも有効のようです。

足底板の種類

足底板には次のような種類があります。
①かかとからつま先:足底全体を覆うもの
②かかとから足の指先中央までのもの
③かかとから母趾と小指を結ぶ横断面(いわゆるヨコアーチ)までのもの
素材も症状に合わせ革・クッションコルク・ゴム・プラスティックなどが使われています。

まず容積調整のできる靴を選びましょう

ところで、靴は足を入れる「うつわ」です。足底板をつけるとそれだけ足の容積が増えることになります。今まで使っていたうつわの容積では足りなくなるのできつくて足が入らなくなるわけですね。仮に足が入っても足底板のかかと部が履き口(足を入れるスペース)を左右から押し広げてしまうので、かかと周りがゆるくてプカプカと脱げるような履き心地になることもあります。Mさんは②の足底板を作っていただき甲の周辺をマジックテープで留められるように加工してありました。靴底と中敷きが一体になっていて容積が一定のため、足底板をつけたままでは使えないことが分かりました。また、靴の仕様も足を包み込んで支えるデザインに変更されることをお勧めしました。
まず、取り外しのできる中敷きの搭載された靴を選ぶことから始めました。厚みのある中敷を取り外して調整することで足底板をつけたままでも足を入れることができます。これで靴の容積を減らすことなくかかとのおさまりも良くなり「歩きやすくなったねぇ」と得心が行かれたMさんでした。尚、靴を脱ぐときに足底板と靴のカカト周りが密着していることがあります。足底板のマジックベルトを外して足だけ先に脱ぐ所作が必要です。場合によっては①のような全体の足底板を作って頂くのもいいかもしれません。行きつけの病院でゼヒご相談下さいネ。

外反母趾で歩くと痛い、靴が痛くて歩けない…そんな方のお役に立てたら嬉しいです。どうぞコチラからご予約ください。


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