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2年で就活生300人と話す中でたどり着いた、自身のキャリアを前に進ませるためのヒント

ある時期に2年かけて、学生300人の就活相談に乗っていたことがあります。1年目はとにかくひたすら学生の話をきいていたのですが、カフェ代がかさんだため、2年目はやり方をあらため、学生にコーヒー代を出してもらうことにしました。

MatcherというOBOG訪問のマッチングサービス経由で声がかかったものを、ほぼ全部お受けしていたら、たいへんな数になってしまいました。基本は対面でやっていましたが、直接会うことができない地方の子には、LINEなどでES添削したり、就活に関する質問に答えたりもしていました。

その際の、学生のみなさんから水野に対するレビューはこちら。食べログのラーメン屋さんみたいに評価が書かれています。

そりゃ、相談にのってくれた社会人に対して批判的なコメントなんてつけづらいから、バイアスはかかってると思うんですが、みんな好意的なコメントをくれてありがたいし、いろんな感想があるものだなあ、としみじみします。


就活相談にのるとき、何をしているか

具体的に何をしていたかというと、ES添削をベースに、教えるというよりは壁打ち感覚で、思考の整理をするお手伝いをしている感じでした。

毎年3-5月は就活シーズンど真ん中で、多いときは1週間で30人くらいと会ったこともありました。気持ち的には救命救急センターを舞台にしたドラマの主人公に想いを重ねながら(自分に酔いながら)、次から次へと、話をしたりESの添削をしたりしました。

その学生が勝負どころであるかどうか、また、精神的な追い詰められ方なども千差万別で、トリアージ、とかのキーワードが頭に浮かびながら、なるべく一人ひとりに答えられるよう頑張りました。

で、こういう話をすると、

なんで、そんなに自分の時間を捧げてるんですか?

と学生からも、友達からも、聞かれることが多かったです。今でこそキャリアカウンセリングを仕事にしているけど、当時は相談料をとっているわけでもないし、しかも自社のリクルーティングが目的でもなかったので、なかなか理解されにくかったです。

たくさんの学生と向き合うことになった、いちばんはじめのきっかけは、あるOB訪問で出会った学生からの「もっと、水野さんにいろんな学生の話を聞いてもらいたい」という言葉でした。なんかやり方あるかなあと相談したところ、教えてもらったのが先述のマッチングサービスでした。

さて、前置きが長くなりましたが。

就活をするうえで、整理しておいたほうがいい情報は、大きく2つ。ひとつが自己分析/自己PRまわりのことで、もうひとつが志望動機です。それはすなわち、これまでの自分と、これからの自分についてです。

1.これまでの自分をふりかえる

まずは、これまでのことについて。自己分析もやり方はいろいろあるんだけど、僕は学生に他己分析を勧めていました。いわゆる他己分析って、周りのひとへ自分のことを聞く、というものなんですが、自分の「いいこと」だけ、思いつく限りいろんな人に答えてもらうといいよ、というアレンジを僕はしていました。

就活は長く、孤独な闘いなので、モチベートされる要素があるといいなと思うから、そうしています。友人や、先輩後輩、きょうだいや親、バイト先の同僚や、よくいくバーのマスターとか、、

あらゆる人に投げかけて、キーワードを集めるといいよって促します。よいことだけでいい、わるいことはいわなくていいですから笑、って伝えるのがポイントです。こうして集まった声が客観視するためのタネになります。

就活に限らず、生きていてセレクションされる機会はいろいろあるんだけど、どうしたって得難いのが「客観」だと思います。とくに、限定されたコミュニティで過ごさざるを得ない、大多数の学生にとって自分が知らない人からどう見えるか、を得る機会はほとんどないと言っていい。

学生には、ざっと自己紹介をしてもらって、「あなたのことを知らないふつうのおじさん」という立場で、どう感じたかを伝えていく、というのが自己分析をお手伝いする上での基本スタンスです。

自分の長所をひととおり話してもらったあと、次々と質問をこちらからしてエピソードを掘り下げていくと、あ、そっちのほうがよいね!って思う話が見つかることが多いです。というか、だいたい学生が自ら話す長所は、ズレていることが多かったです。

僕の接した学生のうち、自分の強みを把握している学生は3割、精度高く分かっている子は1割くらいかな・・という感じでした。

その人のことをよく知らない大人の目線で、率直にフィードバックをしていました。そもそも、出会ってわすか数分?の人間を深く理解できるはずなどないのですが、就活の場はそういうものなので、練習試合としての意義はあったかなーと思ってます。

2.これからの自分をみつめる

学生に相談されることベスト3に入るのが、志望動機についてです。そこで、僕は(誤解のないように注意しながら)「志望動機はつくれる」という話を、よくしました。

とはいえ、絶対に通過する面接のフレーズ!のような小癪なことは言いません。そういうものは、実際には効果がないんだと思います。いかに自ら腹落ちさせられた志望動機を見つけ出すかというのが重要だと考えます。

志望動機って、プロポーズみたいなものだと思ってます。となると、入りたい会社にしかあてはまらないポイントを、自分にしか言えない言葉で伝える必要があるはずです。

つまり、プロポーズ相手(企業)のことを深く知る必要があります。しかし学生には時間がない。ぜんぜんないのです。

そこで、やり方としては次の3つをおすすめしていました。1.OBOG訪問をしまくる 2.企業の社員インタビューをくまなく読む 3.Googleニュース検索をする の3つ。

OBOG訪問で、社会人とふれあう回数をふやしておく

OBOG訪問というのは、就活ではよい方法だなとしみじみ感じます。やはり情報の深さは1on1で得られるものが強いんだと思います。志望する企業や、あるいは近しい企業の方にアポイントをとって、話をきく。

そこでは、自分がもう来週から相手の会社で働くんだ、という気持ちで話を聞く、というあたりがポイントだと思います。そうしたら、御社の理念は?とか聞いてる場合じゃないはずです。

(このパートは、社会人にとっては、カジュアル面談がそれにあたると思います。試行回数が肝心です。)

加えて、社会人は何をかんがえて働いているのか、をインタビューできる機会って、就活生に与えられた特権なのかなあ、とも思います。

学校の学生課を経由するのがオーソドックスですが、信用できるマッチングアプリを駆使したり、それこそ親や親戚とかにあらためてかしこまって、どんな気持ちで仕事をしているの?と取材するの、めちゃ良いと思います。

面接で緊張しちゃうのって、単純に場数の問題だと思います。「社会人とかしこまって向き合う」ということは、ふつうに学生生活を過ごしていると、ほとんどない。

なので、できる限り社会人と話す機会をたくさんつくって、本番の面接に臨みたいところです。OBOG訪問を30回やって、31回目が本番だったら、緊張度合いが全然変わってくるからです。

知らない大人が自分のどの話にピンとくるか、みたいなのは、数をかさねると自然にわかってくるんだと思います。

企業のことを知るための、さまざまな調べ方

志望動機は、その企業のことを知らないと、話せません。しかし学生には時間がない。ぜんぜんない。そこで、さきほど挙げた方法をおすすめしています。

企業のホームページに、社員さんのインタビューが掲載されていることがよくあります。それをすべて読む。沿革やIR情報はいったんよけておいて、社員インタビューを、自分の希望する職種に限らず、全員ぶん読むのがおすすめです。

その中で、ぐっときたポイントがあればメモしておく。「ネタとして使えそう・・」とかっていう判断ではなく、自分がほんとにいいな、素敵だなと思った言葉があれば、それを話していた社員さんの部署名やお名前ごとメモしておく。それはそのまま、その企業への志望動機に、ばっちり、なり得ると思います。

学生は、企業が就活生にむけて出しているコンテンツはほとんど読んでないようです。超絶人気企業ともなると別ですが、ホームページに書いてある社員のインタビューをくまなく読み込んでる子はあんまりいなかった。

あとは、インターンや説明会で話されるエピソードで、自分自身がぐっときていれば、それはそれでOKなのですが、Googleニュース検索も有効だと思います。

企業名でグーグル検索をして「ニュース」のタブを選ぶ。それだけで、志望する企業についての情報が、時系列で、横断的に効率よく得られます。

そこで読むべき記事としては、プレスリリースもいいし、色々なメディアがその企業を取材した記事もいいです。経営者インタビューとかも、情報量が多いです。

スマホでさくっと検索すると、1ページに10個ほど見出しならぶので、読みたいと思った記事をバックグラウンドで開いておき、次から次へと見出しに目を通すのがコツです。

たとえば検索結果一覧を30ページも進んでいけば、その企業について300の見出しをざっと眺めたことになるし、その中から気になったいくつかの記事にしっかり目を通すだけでも良いと思います。

このやり方は、手元のスマホで10分も取り組めばある程度、ひとまとまりの情報を得られる、というのがポイントです。これも同じく、自分にぐっとくるところがあるか、を胸におきながら、情報にあたると良いと思います。

だんだん、自分にしか話せない、その企業にしか語れない、嘘のない、志望動機ができあがってくるんじゃないかと思います。

就活ハック的な記事はあふれていますが、そうではなく、相手(志望する企業)のことをできる範囲でしっかり考え抜くのが肝要だと思います。

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以上です。就活で必要な対策は大きく分けて「これまで」と「これから」の2つ。これまでの自分をどう客観視し、どうやって自分の言葉でプロポーズするか。という話をしました。

こうした考えをもとに、今では、転職を考えてる人や、キャリアの棚卸しをしたい社会人の相談に乗っています。

ご相談ある方は以下の記事からぜひ。

みなさんから、お悩みを打ち明けてもらえること、お待ちしています。

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