見出し画像

プロパイロットとエイブラハム

プロパイロットって知ってますか?
15年乗った車をついに手放して、中古車を買ったんだ。
その車にプロパイロットってのがついていた。
高速道路での自動運転なんだけど、
《手を離す、という新しい運転のカタチ》
なんだそうで、といってもうちのはまだ手は離しちゃダメなの。
プロパイロット1.0なもんで。

やり方はカンタン。
プロパイロットのスイッチを押して、
設定したい速度まで加速したら、
セットボタンをオン!
これで完了。

ぎゃあっ!
全身に鳥肌が立つ。
突然、何者かに車を乗っ取られた感じ。
アクセルなんか踏んでないのに、
猛スピードで車が走る。
はじめてほうきに乗った、新米魔法使いってこんな感じか。
恐怖が私を襲う。
前の車がスピードを落としても、設定した車間距離までピューっとつめる。
うわっ!待って待って!ぶつかる!
いや、自分が設定した車間距離に収まればきっとブレーキはかかる。
かかるんだろうけど、待って待って、止めて止めて!の気持ちが強くなる。
ブレーキかけたい。自分のタイミングでブレーキかけたい!
トンネルに入ると、自分がいつも少し右よりで運転していた癖に気づく。
なんか、左に寄ってない?!
ねえ、ちょっと、トンネルの左の壁にこすらない?
右に寄りたい!もっと右に寄りたい。
道路の白線をプロパイロットがちゃんと見極めて、中央になってるんだよ。
いや、分かってるけど!
カーブになると勝手にハンドルが動く。え?誰?また、あなた?
おい!待て待て、白線、消えかかってるけど大丈夫か?ちゃんと感知してる!?
どこのカメラが感知してるの?
そのカメラは曇ってないでしょうねっ?!
そのくせ、車線が減少したり、
合流の車が迫ってくると、
スンって感じで黙っちゃって、
私が判断して車線変更しなきゃならん。
今までなんにもさせてくれなかったくせに、
急に後ろを確認して時速100キロで車線変更をしろですとっ?!
何をしてくれて、自分で何をしなきゃならないのか混乱してしまって、
汗だく。
もう、汗だく。
この心の声は全部外に出てたのね。
助手席に乗ってた夫が、
「大丈夫だから!全部やってくれるから!力を抜いて流れに乗れ!」
って大声で言った。

ちょっと待って、プレイバック、プレイバック。
それは動画のスピリチュアルティーチャーのセリフ。
幸せは川下にある。
抵抗をやめて、力をぬいて流れに乗れ。
大いなる力にお任せして、サレンダーで生きろ。
信じて、宇宙を、プロパイロットを。
信頼して、本当の自分を、NISSANを。

人生はプロパイロットと同じだ、そう思った。
ナビに目的地を入れる、願いを意図する。
あとは、宇宙に、プロパイロットに任せる。
信頼して、ゆったりとドライブを楽しめばいい。
抵抗しなければ、最短距離で目的地へ到着する。

しかし、頭で分かっていることと、実際できることとは違う。
私はあたふたと焦り、抵抗して、汗をかく。
いつか、プロパイロットが上手になるころ、
人生も上手に生きられたらなあ。

それとも、
もうゴールしてるのかもな。
焦って、探し回らなくてもいいか。
今いる、ここをゴールとしようかな?
そういうことですか?

ちなみに、プロパイロットはブレーキもかけられますし、ハンドルも自由に操作できます。
でも、せっかくだから、
お任せしてみたかったのよ。
夫は、
何これ!スゲ〜!プロパイロット、ラクー!!
って、大絶賛してました。笑



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?