離れて

風が冷たくて肩をすくめる
肌が水分を失っていく感じ
あの温度が欲しくなる感じ

空は綺麗で透き通って
見上げた先は曇りがち

知らなかったら
こんな気分には
ならなかった
なんて独り言を
白い息とともに

世界は広いのか狭いのかなんて
大袈裟な想像はできないけれど

ひとつだけ言えるのは
私の世界は思ったより
狭くて小さかったのに
思いがけず広がった事

知りたくなかった
こんな気持ちは?
気持ちの分別を
わかった様な
ため息は細く弱く

世界の違うどこかに居たんだって
たいそうな妄想はできるけれど

その目が見ている世界には
私はもう存在していなくて

枯れた声で呼んでも
そこには何もなくて

ただただ
何かが足りなくて
ただただ
前を向きたくて
そんなもんだって

下ばかり見る視線を
少し上に向けてみる

苦しくない
寒くない

喉は乾くけど
きっと大丈夫

またそこに見つけてしまっても

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