バックアップの時間

機種変更をしようとした時、
データを整理していない娘のスマホは、彼女が推しの写真をキャーキャー言いながらすぐにスクショをし、その写真をバックアップしているからと安心して、スマホ本体から削除していない写真がいっぱいでバックアップに3時間位かかった。

私の旦那は、りんごのスマホの部品を作っている会社に居たので、こういうガジェットのことは詳しかったからそこに安心して私はあまり知識が無かったため、自力で色々調べることが多くて、自立して生きることが出来るようになっていく運命を感じる。
このバックアップ。
最初に「あと○分」と目安の時間が表示される。
20分と表示されたから、まあ、写真が沢山あるのかな?位にしか思っていなかったが、1時間経ち、2時間経ち、3時間もかかった。
WiFi環境が良くなかっただけかもしれないし、アプリを入れすぎているのかもしれないし、原因はよく分からないけれど、その目安の時間が20分のまま、3時間も経過したことが問題なのだ。
終わりの地点がどんどん遠のいていくことが問題なのだ。

また先日娘が、体育の時間に、持久走で1.5km分、校庭の外を走った時の話で。
校庭の外の石垣の横で、体育の先生が、1周目にストップウォッチを持って
「あと1周ー!!」
って叫んだらしい。(本当は4周位するのかな?)
1周目ー!!とか、がんばれー!!とかが混じってしまっていきなりの
「あと1周ー!!」だったのかもしれないが、走っている最中だし、あれ??とは思ったものの、あと1周ー!!と何回か先生が叫び、それを聞いていた生徒達は、タイムも遅くなり、ぐったりと疲れたそうだ。
ゴール(終わり)の地点を文字通りどんどん引き伸ばされた事が問題なのだ。

このゴール地点を後ろへとずらされる感覚、
本当に好きじゃない。
にんじんを、頭に付けたヒモにぶら下げられて走っているみたい。
学生時代、転校生だった私は、周囲誰も知らない人ばかりで、友達もいないし頼れない状態だった。
そこでこう考えるようになった。
【困った時に勉強を教えてくれる子もいないんだったら、自分で勉強すればいいし、もし意地悪するような子が居たとしても、その子と同じ学校に行かなくてすむようにたくさん勉強すれば、偏差値の高い学校に行けるし、行ける学校の選択肢が増える。
自分を守ることが出来るのは自分だけだ】

だから中学生の頃は本当に朝から晩まで勉強していた。今思うとちょっと引くぐらい、部屋にもトイレにも暗記することを貼っていたから、県内1番の進学校に入れるよと先生に言われた時にもうそれだけで充分だと思うようになってしまった。
その頃には自分の周りに意地悪な子は1人も居なくなったし、偏差値の高い学校へ通っても、その学校の中でもまた暗記競走が始まるんだろうなと思うと、もう、自分の家から1番近い学校でいいやと思うようになってしまった。
高3でちょうど父が定年退職したので、地元に戻って来たのだが、高3の担任だった「吉田のババ」と言われていたおばちゃん先生は、その地域の有名私立大学の教育学部を推薦してあげると言った。
学校の先生になりたいなんて1mmも思っていないし、4年大学じゃなくて当時あまりみんなが知らなかったインターネットや情報処理の方へ行けば、就職に有利だと思っていた。
吉田のババとしては結局、その私立大学へ私が行けば、自分にメリットがあったのだろう。
私の性格や将来のことなんて全く考えていなかった。
まぁそれで私も就職はしたが、退職する先輩達3人の仕事を最終的に任され、私も自分に病気があることが分かり、体力的にもしんどいのに辞めさせてもらえなかった状態が2年も続いた。
新人が入ったらとか、上司が異動したらとか、民営化したらとか、何かと理由をつけられゴール地点をどんどん先延ばしにされたのだ。
結局は私が退職する時に
「私、この人生で本当は何がしたかったんだ??」
と分からなくなっていた。今‪でもよく分からない。

中学時代は、偏差値が高い高校を目指すように言われ、
高校時代も、偏差値の高い大学を目指すように言われる。
大学の就職課では、大企業を受けろと言われ、
会社に入れば、休まず会社の指示どおりに動き、結婚せず、子供も産まず、病気もせず、毎日出勤してくれる人が当たり前だと思っている。

他人のゴール地点を勝手に設定し、そのゴール地点をどんどん先延ばしにしようとコントロールしようとする人からは離れた方がいい。
ゴール地点を決めるのは自分だし、
ゴールなんてなくたっていいし、
嫌になったら辞める。
素直にやりたいことをやる。
本当はシンプルにそれだけでいいのかもしれない。


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