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優しさのお届けもの

土砂降りの雨を前に、傘を忘れてどうしようかと思案している時に、後ろから来て傘を貸してくれるわけではなく、
 
「私たちも忘れちゃった! どうするかねぇ?」
 
と、笑いながら空を見上げるそんなイメージが、お二人のお手紙コラムを読んでいて浮かんできました。
 
そこから、一緒に雨宿りをするもよし、どこかのカフェでお茶をするもよし。もしくは、土砂降りの中で一緒に濡れながら帰るのもありかもしれません。途中の帰り道で、別々になってしまったとしても、きっと一人になった時、その時の様子を思い返して、クスっと笑えることでしょう。そして、同じようにびしょびしょの仲間の安否を気遣いながら帰途に着くのです。
 
 そこには、一人でいても一人ではない心持ちと、お互いのあまりにもさりげない優しさを感じられるように思います。
 
共に歩く仲間というのは、そういうものかもしれません。
 
 さて、そんなことを考えていて、ふと思い立ったのが、「優しさ」って何だろう?ということです。
 
 「優しい」って一言で言ってもきっと色んな種類の優しさがありますよね。何かをいつもしてもらうことばかりが優しさとは限らないように。
 
 私たちが人の優しさに気づけるときというのは、どんな時でしょうか? いつもいつも気づけるわけではない気がします。自分に余裕が無い時は、気づかないかもしれません。いや、気づいていても見ないふりをしているのかもしれません。
 優しさが逆に苦しい時などは、受け取り拒否をする日もあるでしょう。
 
でも、もしかして、「優しさ」が渡されるものではなく、そこにただあるものだったなら、いつか気づけるのかもしれないですね。そして、誰かにまたそっと渡せるのかもしれません。

           (K.N)

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