葉山美玖

第4詩集『春の箱庭』刊行。 第26回埼玉詩人賞受賞 日本現代詩人会会員、日本文藝家協…

葉山美玖

第4詩集『春の箱庭』刊行。 第26回埼玉詩人賞受賞 日本現代詩人会会員、日本文藝家協会会員。 mikuhayama.amebaownd.com

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この親鸞は父母の孝養のためとて、 一返にても念仏申したること、いまだ候はず。 そのゆゑは、一切の有情はみなもつて 世々生々の父母・兄弟なり。 いづれもいづれも、 この順次生に仏に成りてたすけ候ふべきなり。 歎異抄 第五条冒頭より

    • 戒厳令下のTV

      (2021/5/1の日記です) 今日の午後は実は通院日だった。私は、ちょっとためらったが結局のところ、郵便局にも用事があったので、厳重に紙マスクをして、眼鏡をかけて街へ出た。駅前は、戒厳令下のごとくにデパートも駅ビルもすべて閉まっており森閑としている。クリニックに着くと、待合室のTVでは(いつもそうなのだが、)NHKをやっていた。見ているうちに、私は待合室の椅子から立ち上がれなくなりそうになって来た。一言で言えば、NHKのニュースが「行間を読む」社会派ドラマみたいになってい

      • 家族を越境する他人

        近頃、訪問看護師さんが来るようになってから、人間をつがいにして、二人(あるいは数人)きりで密室的状態に閉じ込めることの是非を激しく思う。昔、種村季弘氏のエッセイを読んで驚いたのは、東京でさえまだ、純粋な意味合いでの核家族で氏が育っていなかったことである。何かあるたびに、お寺のお坊さんが種村宅(だけではなかったに違いない、)に寄って、「手のかかる子ども」であった氏の行く末について、あれこれと、トラブルを起こした場合はこういう対応をなさいとか、あるいは高校進学の際は、氏にはここの

        • さっき餃子定食を食べて来た。旨かった。あまり人に意地悪するのは好きでないけれども、時にははっきり言わないと伝わらない事柄もある。

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        この親鸞は父母の孝養のためとて、 一返にても念仏申したること、いまだ候はず。 そのゆゑは、一切の有情はみなもつて 世々生々の父母・兄弟なり。 いづれもいづれも、 この順次生に仏に成りてたすけ候ふべきなり。 歎異抄 第五条冒頭より

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          自家製苺サンデー。でっかいです。

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          みず色のカーネーションを幾つ活くわたしの母は世間に満ちる

          みず色のカーネーションを幾つ活くわたしの母は世間に満ちる

          親だから子どもを愛しているとか、子どもだから親に尽くさねばならないとか、全部嘘だ。

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          あなたは変わるべきだ、と押しつけて来る人は、大抵おかしな人なので無視しよう。

          あなたは変わるべきだ、と押しつけて来る人は、大抵おかしな人なので無視しよう。

          落ち込んでいる私に、ドクターが「親はなくとも子は育つ」「産みの親より育ての親」と呟いた。

          落ち込んでいる私に、ドクターが「親はなくとも子は育つ」「産みの親より育ての親」と呟いた。

          普通の庶民以下の暮らしを、ネグレクトで強いられてきた人間からすると、本音を言えば親子の関係性とかは馬鹿馬鹿しい。役に立たない親は立たない。と言うよりも、世間というのは本来空だ。

          普通の庶民以下の暮らしを、ネグレクトで強いられてきた人間からすると、本音を言えば親子の関係性とかは馬鹿馬鹿しい。役に立たない親は立たない。と言うよりも、世間というのは本来空だ。

          自分が生きたいから生きる。自分の人生を生きる。

          自分が生きたいから生きる。自分の人生を生きる。

          人に自分の席を譲ってはいけない。人生において。

          人に自分の席を譲ってはいけない。人生において。

          いいところがあったから、過去の親にされた傷が癒える訳でも、親の人格全てを赦し受け入れられる訳でもない。ただ、人間は、みんな完璧な白でも黒でも、普通はなくて、ギザギザなエッシャーの絵のようだったりする。

          いいところがあったから、過去の親にされた傷が癒える訳でも、親の人格全てを赦し受け入れられる訳でもない。ただ、人間は、みんな完璧な白でも黒でも、普通はなくて、ギザギザなエッシャーの絵のようだったりする。

          【詩】餞

          父が卒寿を迎えたある日に 私に施設から長電話をしてきて 何気ない調子でぽつんと言った 「お母さんなぁ、お前が産まれてもな、 ミルクやったり、抱っこしたり全然しないんだよ。 だから代わりにお父さんが、一生懸命粉ミルク作ったり、 抱っこしてたりしたんだ」 思い出すと、私がうまれた頃 父は創刊されたばかりのan・anの取材記者だったので 夕方に家を出て 夜明けに帰って来る生活だった筈だ (大昔の編集部とはそんなものだった) 母は、朝起きれば父が眠たそうに横にいるので 自分は面倒

          【詩】餞

          十年前のブログ記事です。榎本櫻湖さん追悼。https://faye2071.hatenablog.com/entry/20130522/1369206832

          十年前のブログ記事です。榎本櫻湖さん追悼。https://faye2071.hatenablog.com/entry/20130522/1369206832

          朝のハンバーガー

          きのうは、一日中フラッシュバックに見舞われてほとほと疲れる日だった。普段、比較的元気な私もメンタルがだだ落ちている。それで、朝の散歩を再開することにした。 今朝は少し雨模様なので、簡単なワンマイルウェアに、カーキの薄いレインコートを羽織って、半透明のビニール傘を持った。 朝靄の中をずーっと歩いて、小さな教会のところで引き返して来て、近所のパン屋さんに入った。ここは朝早くから営業している。お客さんも、てんでんばらばらなエコバッグを持って並んでいる。私はでもウッカリしていてエコバ

          朝のハンバーガー