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日々是好日〜『追儺香』和の香りと親しむ会


冬至明けの昨日は、代官山にて今年最後の和の香りと親しむ会『追儺香』に参加させていただきました。

体調の関係で久しぶりの参加となりましたが、先生はじめご参加の皆様にお気遣いいただく温かいお言葉をいただき、本当にありがたい一日となりました。

「追儺(ついな)」とは古来から伝わる大晦日に宮中で厄を払う行事です。

令和5年の和の香りと親しむ会の「香り納め」組香「追儺香」は、一年の邪気を祓い、来る年の多幸を願って、先生が心を込めて香を焚いてくださるとのこと。

今年は体調不良により、生活の見直しをせざるを得ないことになった私ですので、ぜひこのお香会には伺おうと思ったのです。


今回の組香は、2種類のお香を試し聞きして、本番は四つのお香(その2種類が二個づつ)がランダムに回ってきますので、その順番を当てるというものでした。

さらに、その組み合わせにより、「年の内」「今年」「去年」「春は来にけり」の中から二つの言葉を選び、答えを紙にしたためるといところも、風雅なところ。

香り納めということで、先生も大変貴重なお香をいつもより大きく切って焚いてくださり、試香の時に二度も回してくださいました。

香炉の温度や時間の経過により、香りも変わってきますので、そのお香の最高の香りの時に、再度回していただいたのです。

香道というと堅苦しいイメージもありますが、先生は伝統や格式も重んじながら、和の香りに私たちが親しめるよう、そのように柔軟なお心遣いもいろいろしてくださいます。

後からお聴きしましたが、その香木は今やとても高価になり、それでも手に入らないくらい貴重な伽羅でした。その香りをゆっくり堪能させていただいたのです。

また、お香を並べた状態を特別に先生の側からの視点でお写真を撮らせていただきました。


二つの試行のお香は上に、下には同じ紙に包まれた四つのお香が置かれています。焚く前にこの包みを打ち混ぜ(シャッフルですね)て、順に焚いていくのです。

一番目のお香は、私は初めてと思いました。どこか生きている木の緑を感じさせるような今まで聞いたことのない香りでした。

二番目は、雅やかで、この香りは何か懐かしいと思うものでした。

なんで懐かしいと思うのかな?と思いつつ、懐かしく感じる方と、二つの香りの違いを覚えます。

香木は長い年月と気候の作り上げた奇跡的な地球の産物。本当に神様からの賜りものものに今こうして会えることの幸せよ♪と思い、

集中して香りを身体の中に入れさせていただいている感じです。

今年は、坐骨神経痛で数ヶ月全く動けなくなったので、こうして代官山まで足を運べるようになったこと。昨年まで当たり前であったことも今や当たり前でない感覚。ここまで来られることさえ、全て奇跡の連続だと思えました。

これまでは、一度にたくさんのことを考え過ぎていたので、「今ここ」に集中する感覚が乏しかったと思います。でも動けなくなったことで、家族とか身体とか身近なことの大切さや、当たり前であったことの有り難さをつくづく感じられるようになりました。

今は「今ここ」にあることの練習しているみたいな気がします。

香を聞くことは、その最たるものかもしれませんね。

このところ、ウェルビーイングとかマインドフルネスとかよく聞きますが、

まさにお香のように、日本人は昔からそうしてきたのでしょう。


今回は久しぶりの全問正解でした。その後のお茶会でも皆様とても芯のある前向きな美しいお話をなさってくださり、素晴らしい年越しの会でした。


「日々是好日」
こちらは先生のお話の中に出てきた言葉で、とても印象的でした。

毎日いろいろなことがあっても、みんな良いことに向かっているのだと思えます。一瞬一瞬、一日一日がとても大切だし、奇跡の連続でこの一年があったのだという、年末に相応しい気持ちになりました。

さて、来年は歴史の転換点のような年になるのではないかと思っておりますが、この時代を選んで生まれてきたような気もします。

来年もお香で自分を調え、「日々是好日」で過ごしていきたいなぁと思いました。

先生、そしてご一緒くださった皆様、素晴らしいお時間ありがとうございました。


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