見出し画像

テレビで放送されていた映画番組の想い出

昔は地上波のテレビで毎週何回も映画をやっていた

皆さんは最近テレビで映画を見ただろうか。
元号が令和になり、毎月わずかな料金さえ払えばインターネットで何千本もの映画が好きな時間に見られたり、映画館も映画自体を見るというより一種のイベントとしてメディアミックスで映画を盛り上げているような時代で、中途半端な存在になってしまったのが「地上波で放送されているテレビの映画番組」だと思う。

2000年代の後半ごろまでは毎週木曜日~日曜日の4日間は4日連続で映画番組が放送されており、それぞれ個性的なラインナップや吹き替え、解説者が毎週テレビを賑わせ、超大作が放送されるときは視聴率でその年の1位を獲得するときもあった。しかし、そんな映画番組も時代の波には勝てず2010年代になると打ち切りが相次ぎ、全国ネットの番組で唯一残っている映画番組が日本テレビの「金曜ロードSHOW!」のみとなっている。(この番組も映画を放送するのは不定期)

筆者は今でこそ映画を見る本数も少なくなったが、小学生〜大学生の頃まではそれこそ狂ったように映画を見ていた「映画少年」であり、なおかつ四国の片田舎に住んでいたため映画館も少なく、そもそも映画館に通うような小遣いも無かったので映画を見ると言えば一番目の選択肢がテレビの映画番組だったのである。(ただし、ギリギリではあるが平成生まれであるため、本当にテレビの映画番組黄金期だった80年代は経験していない)

ここでは、地上波テレビの黄金時代を支えた映画番組の個人的な思い出をまとめていく。

リアルタイムで見ることができなかった番組

・月曜ロードショー(TBS)

私が生まれる前の1987年に終了。なので、YouTubeにUPされている動画からでしか雰囲気を感じられていないが、解説の荻昌弘氏の落ち着いた雰囲気の解説は一度リアルタイムで見てみたかった。エンディングテーマ(Ray Anthony Orchestra / The Party's Over)も映画番組の雰囲気にマッチしている。

・水曜ロードショー(日本テレビ)

こちらも私が生まれる前の1985年に終了したのでリアルタイムでは見たことがない。子供のころ、母親が「金曜ロードショーは昔は水曜にやっていて、名前も水曜ロードショーだったのよ」と言っていたがにわかに信じることができず、その話が本当だったと知るのはインターネットを使い始めてからだった。

木曜洋画劇場(テレビ東京)

・木曜洋画劇場の想い出

小学校3年生の時にテレビ東京系列の局が映るエリアに引っ越してきたのだが、前の家では見られなかった新しく増えたチャンネルで「なんか映画やってるな」と思って見始めたのが木曜洋画劇場。

・映画のラインナップ

他の映画番組と違ってよく言えばマニアック、悪く言えばB級の映画が多かった。本人からリベート貰ってるのではないかと思うほどスティーブン・セガールの映画をやっていたし、サメ映画やゾンビものの映画も木曜洋画劇場でよく見た覚えがある。

・解説者

あなたのハートには、何が残りましたか? - 木村奈保子

週4回放送される民放の映画番組で唯一の女性解説者。他の番組の解説者がおじさんだったりお爺さんだったりして良くも悪くも落ち着いた感じだったのと比較して、木村氏の解説はスピーディーで都会的な印象があった。

・CM

「東京IGIN」のCM。馬車に乗ったブロンド美女がフォーマルドレスへ華麗に変身。なぜか木曜洋画劇場でしか見なかった。「小糸製作所」「ビックカメラ」も常連。

また、提供としてのCMではないが、がっつり映画少年だった高校生の時に木曜洋画劇場の次回予告として流れるCMがいきなり攻めた方向になり、ネットでもちょっとした話題になった。(たしか好きすぎて木曜洋画劇場のCMをまとめたサイトをHTML手打ちで勝手に作った覚えがある) 今となってはそのサイトも無いようだが、調べたら未だに思い出として残っている人がたくさんいるらしく、この事に触れたブログもちょくちょく出てくるので参考にしてほしい。


金曜ロードショー(現:金曜ロードSHOW! 日本テレビ)

・金曜ロードショーの想い出

自分の中で金曜ロードショーはジブリとルパンの映画を見る番組。それ以外だとハリーポッターシリーズの映画もよく見ていたが。かの有名な「夕日とヨットハーバー」のオープニングもギリギリ子供の頃の記憶で覚えているが、やはり一番記憶に残っているのは宮崎駿の制作、音楽は久石譲という豪華なメンバーで制作された「映写機」のオープニング。(今調べたら1997年~2009年とけっこう長い間このオープニングだったらしい)

・映画のラインナップ

前述の通りジブリ映画とルパン三世の映画をよくやっていた。改めて調べたらジブリ映画については日テレとスタジオジブリは資本関係こそないものの、ラピュタの頃から製作協力として資金を提供しており、実質テレビでの独占放送権を買っているという話らしいが真偽は不明。ルパン三世はテレビアニメをずっと日テレ系列で放送していたのでその名残だと思う。アニメじゃない映画だとインディジョーンズとかスターウォーズとか冒険・SF系の映画をよくやっていたような気がする。金曜日というこれから週末な雰囲気もあって、家族で見ることを念頭に置いているのか老若男女安心して見られる作品が多かった。

・解説者

いやぁー、映画って本当に素晴らしいものですねぇー - 水野晴郎

水野晴郎氏は1997年春を最後に降板したため、降板当時小学校低学年だった私はおぼろげにしか覚えていない。その7-8年後に当時実家で見ることができたサンテレビで映画番組の解説を務めているのを偶然発見し、おおおこれがあの水野晴郎の映画解説かと感動した覚えがある。

・CM

金曜ロードショーのCMといえば「サンゲツ」「ミキプルーン」
未だに壁紙といえばサンゲツというイメージがあるので、少なくとも1人の心にはCMの効果が届いていると思う。そうそう壁紙なんて買う機会は無いが。

ゴールデン洋画劇場(フジテレビ)

・ゴールデン洋画劇場の想い出

めちゃイケ→ゴールデン洋画劇場という平成土曜夜の鉄板ラインナップを構成していた番組。他局の番組が翌週から翌翌週までの放送ラインナップを最後に予告するのに対し、ゴールデン洋画劇場だけは向こう5週間ぐらいのラインナップが予告されるので「えーっ、ついにこの映画がテレビで見られるのかー」と毎回わくわくしながら次回予告を見ていた。2001年に放送終了し別の名前の映画番組になったしまったので、思い入れは比較的少ない。

・映画のラインナップ

ゴールデン洋画劇場といえばこの作品!というのがぱっと思い出せないが、「洋画劇場」という名前の割には民放の映画番組の中で一番邦画を放送していたイメージがある。(釣りバカ日誌や伊丹十三監督の作品をよく見た) 洋画ではシュワちゃんやエディ・マーフィーの映画をよくやっていた。

・解説者

どうぞご期待ください! - 高島忠夫

映画解説者ではなく俳優なので明るい語り口で、リアクションも大きかった覚えがある。ただ、決め台詞がないのはもったいなと思っていた。

・CM

「KDD」「アイスター」のCM。KDDのCMは「ゼロゼロワンダフル」の国際電話のCMをよく覚えている。

日曜洋画劇場(テレビ朝日)

・日曜洋画劇場の想い出

中学校に上がるまで次が学校の日は夜10時を超えて起きていることができなかったため、ビデオに録って後日見直すことが多かった番組。なので実家にはVHSのテープも結構残っている。(淀川長治氏が亡くなる2週間前の解説も録っていたような気がする。その時の放送作品は「暴走特急」)

・映画のラインナップ

実は放送された映画のラインナップで一番思い入れがあるのが日曜洋画劇場。「ダイ・ハード」も「スピード」も「トータル・リコール」も「ロボコップ」も初めて鑑賞したのは日曜洋画劇場。テレビ朝日でドラマを放送していた関係で映画版の「Xファイル」を見ることができたのも日曜洋画劇場。

・解説者

それでは次週を御期待下さい。サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ - 淀川長治

民放テレビの映画解説といえば淀川長治。あまりにも有名すぎるので日曜洋画劇場での映画解説だけをまとめたDVDも出ていたりする。

まだ小学生だったころ「日曜洋画劇場の解説のおじいさんはなんかモゴモゴしゃべってて何言ってるかよくわかんないな」と思いながら見ていたら、ある朝母親が新聞を持ってきて「あんたが毎週楽しみに見てる日曜洋画劇場のおじいちゃん亡くなっちゃったよ!」と言われたのを今でも覚えている。実際に追悼番組として最後の解説を放送した翌週の回からは解説がなくなり、無かったら無かったで寂しいなと小学生ながら思った覚えがある。

・CM

私が実際に見ていた頃はいろいろなスポンサーが入れ替わり立ち替わりで提供していたのであまりCMについては想い出はないが、YouTubeで昔の日曜洋画劇場の動画を見ると「松下電器」「レナウン」「サントリー」「ネスカフェ(昔はネッスル日本と言ったらしい)」の4社提供で、CMも余裕がある時代だったのか上品なものが多かった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?