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初期メンバーとして大事にしていたこと

この記事は、LAPRAS Advent Calendar 2020の24日目です。2018年、2019年に引き続きクリスマスイブに挑んでいくスタイルでまいります。

実はわたし12月末に LAPRAS の退職が決まっていて現在は有給休暇の消化中なのですが、スタートアップの創業初期メンバーとして働く上で大事にしていたことを振り返りたいと思います。退職エントリなのかな?

このLAPRASのアドベントカレンダーの12月24日に来年から参加できないと思うと、いよいよLAPRASを離れたんだなぁという実感が湧いてきました。来年も外部から参加しようかな。

1. 何もないことを楽しむ

スタートアップに創業初期メンバーでジョインすることは、例えると無人島を開拓しに行くようなものだと思います。おそらく、想像していた以上に何もない整っていない可能性が高いです。今ではオンボーディングプログラムが整っているLAPRASも2017年当時は新入社員のオンボーディング体制はもちろんのこと、バックオフィスの体制もお世辞も整っているとは言えない状況でした。特に創業初期は、いかにプロダクトをローンチさせるかに集中してしまうため、仕方ないことだと思います。

創業メンバーの性格、バックグラウンドや会社のフェーズによってジョインした無人島に文明がもたらされている場合もあるかと思いますが、私が入社した2017年7月頃は Co-founder の二井がセールス・カスタマーサクセス・バックオフィスを兼任していて手が回りきっておらず、会社運営上必要となる最低限のことだけが回っているという状態でした。(責めてないよ!)

「あれがない、これがない、どっかいった、それは確か・・・にあったはず、●●さんに聞いてみて・・・」みたいなことが毎日のように起きていました。これは割と創業初期あるあるではあるので、もし創業初期のスタートアップにジョインされる方は覚悟して行った方が良いです。自分でこの荒れ果てた無人島の土地を整備しながら、会社のことやプロダクトのことを徐々に理解していく…とにかく毎日くじけず、無人島で生き残るために木を集めて小屋を作ったり、火を起こしてご飯を作らなければならない訳です。いちいちなんで薪がないんだ!とか火がないんだ!と文句言っている暇はありません。「今日はこの石を使って火を起こしてみようか!」と、この何もないことを楽しみながら無人島を開拓し、文明をもたらしていくのです。

私は創業初期のメンバーとして、この0→1フェーズを経験出来ることが醍醐味であり、その経験が自身のキャリアや成長に大きく寄与すると思っていたのでとにかく何もないことを楽しんでいました。基本的に「何か便利なもの」(それは技術でも、仕組みでもプロダクトでも)がもたらされる時は、「ない」ことへの負から生み出されると思っているのですが、自分はこの負と向き合って仕組み化したり、何か便利なものをもたらすのが好きだったし、得意な領域だったのだと思います。また、最近まで「Tech Oriented(技術志向)」というアクションアジェンダがあり、何か負があるならそれを知識や技術を駆使して乗り越える、そんなことを意識して働いていました。

2. 諦めず学び続ける

ちょうど2年前の今頃、私は初めて資金調達に携わりました。当時の仕事のクオリティはいま思い返すと恥ずかしい気持ちでいっぱいになるようなレベルでした。株式について何もわかってない、投資周りの法律もわかってない、契約書の取り回しも下手くそ。優先株?デューデリ?何それ?レベル。そんな2年前の資金調達について赤裸々に書いているnoteがこちらです。たくさんの人に読んでいただいたものの、こんな基本的なこともわからないまま資金調達に携わっていたんだと思うと本当に恥ずかしいです。

この資金調達が終わったあと、代表の島田に「正直、今後の資金調達を任せられない。」と言われました。今でも鮮明に思い出します。当時の全力は尽くしていたので本当に悔しかったです。でも、そのフィードバックとしては正しくて、当時書いたnoteからも分かるようにとても「今後は任せてくれ!」と言える様なレベルの仕事ではなかったので、眠れないくらい悔しくて仕方なかったです。心の中でたくさん言い訳もしたし、できない理由をたくさん探して、もう資金調達には関わらずバックオフィスに業務領域をとじようかとも考えました。自分にはCFOに必要な経験が一切なかったし、他のスタートアップみたいに投資銀行出身のCFOとかを採用した方が会社のためにもなるんじゃないかなと悩みました。

そんな悩みを抱えている時に自分の人生の転機となるようなコメントをくれたのが実は今のパートナーだったりします。彼(外資系投資銀行出身の起業家)に「ファイナンスの難解な単語に惑わされないこと。投資銀行の人だからスタートアップにとって良いって訳ではないこと。資金調達は理論を知っていることだけでなく、その企業を知っていることが大事。資金調達は投資家とのコミュニケーションが一番大事だからそんな悩まなくていい。」と言われ、もしかして自分でも大丈夫なのかもしれない?と思えるようになりました。とはいえ、当時圧倒的に知識が足りなかったので、2019年の年始にコーポレートファイナンス に関わる本を片っ端から読んで、それでも足りない気がしたので2019年4月には東京理科大学大学院の経営学研究科に入学しました。今ではコーポレートファイナンスともだいぶ仲良くなって、修論の研究テーマに自己株式の取得を選ぶほどまで好きになりました。

増島先生が書かれているStartup Innovatorsの記事はとても参考になりました。このブログで優先株式について完全理解しました。

スタートアップでは自分の知識や経験では到底解決不可能な課題がたくさん出てきます。その時にどう取り組むかは非常に大事です。特に創業初期メンバーだと、常に後から優秀なメンバーがジョインしてくるというプレッシャーも強いです。そこで諦めることは簡単ですが、諦めず学び続けたことで新しい道がひらけたと思います。私もあの時諦めてバックオフィスに閉じていたら、今のようなキャリアもなかったし今度何か壁にぶち当たった時も諦めていたと思います。こういう経験があるからこそ、きっと次の職場でも資金調達にチャレンジさせていただけるのかなと思います。(最近はVCの方に英語ができないのはマズいというお話をいただいたので、修論を書き終えたら英語の勉強にうつろうかなと思っていたりします…。)

FYI:コーポレートファイナンス周りで読んだ本
特に砂川先生の本は読みやすいし、論文もたくさんあるのでおすすめ。「こーレポートファイナンス 戦略と実践」はかたそうなコーポレートファイナンスの本の中ではかなり読みやすかったです。さらに深く学びたい人は「ファイナンシャル・マネジメント」とか手を出してみると良いかも。

3. 周りの心の火に薪を焚べ続ける

 自分が大切にしてきたことは、周りの人の心の火に薪を焚べ続けることです。初期メンバーだからこそ、今の会社の状態や周りの人のことが人よりもよく見えます。精神的に辛そうな人がいたら、とりあえずランチや飲み会に誘う。悩んでいる人がいたら当日でもいいから誘って遅くまでオフィス近くのバーで飲む。オールカラオケでも行って、定期的にストレス発散しに行く。会社内のBBQやお花見イベントをやってみる。など、周りのメンバーが少しでも気持ちよく働きやすくなるように動いていたつもりです。実際、半年前退職を考えてたメンバーがいたのですが自分と同じサークルに引き抜いてきて、一生懸命薪を焚べ続けてたら今は立派な法務責任者になっていて、これは自分がやった一番の成果かと思っています。(最後は下克上された)誰かのパフォーマンスアップに貢献できるというのは本当に気持ちいいものなんだなぁと感じました。自分の成長よりも何倍も嬉しいものです。

また、スタートアップというのは不確実性も高く、マクロ環境の影響も非常に受けやすく、意思決定が迷うことも多いです。そんな時、どんな時でも私は代表島田の味方でいようと決めていました。それは島田寛基という起業家に賭けてジョインしたという背景もあったので。島田が作る未来の世界に共感していたし、島田の奇抜なアイディアが大好きだったのです。会社が大きくなるにつれてビジネス色が強くなっていったのも事実ですが、今後も島田の色が出るLAPRASのプロダクトであって欲しいと思います。

まとめ

スタートアップの初期メンバーとして働く上で大切にしていたなぁと思っていたことをまとめてみました。細かいことはいっぱいあるんですが、マインドとして大切にしてきたこと3つです。

スタートアップの初期メンバーは大変なことも多いけど、能動的に動けば確実に成長スピードが上がりますし、同世代を圧倒できるような経験をすることができる環境ではあると思います。もしスタートアップへの転職を考えている方がいて、このマインドに共感できる方でしたら、ぜひ飛び込んでみてください。スタートアップのキャリア相談や女性としてのキャリア相談にももちろん乗りますので、お気軽にどうぞ!

最後に自分の座右の銘を貼って終わりにします。

おしまい。

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