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「成長している業界で、一旦がむしゃらに働いて力をつけておきたい」という動機は思考停止じゃないかという話

今年も新卒の就職活動スタートしましたね。

ちなみに私は少し前までベンチャー気質があると言われる広告代理店で働いていましたが、そのときの志望動機はこうでした。

「正直やりたいことが明確にあるとは言えない。とにかくスピード感があって成長している市場の中でがむしゃらに働いて力をつけておきたい」と。

一見ユニークな感じはするんですが、ITとかベンチャーとかだと意外とあるあるな志望動機だと思うんです。この会社に在籍していたときに、学生さんの面談を結構してきましたが、しゃべる学生さんのほとんどがこういう動機を織り交ぜているんです。

でもこれって、なんだかんだ思考停止状態ですよね。自分の将来のキャリアについて決めることを先延ばしにして、一旦様子見ようってなってるわけですから。

でもこうなるのも仕方ないですよね。将来どうなりたいか?や、将来そうなるためにやりたい仕事は?っていう問いの答えなんてすぐにはでてこないし、決めるための情報も少ないわけですから。いや、逆ですかね、情報が多すぎて決められないんですよね。情報洪水。

こうやって中途半端にしか決められないから、かっこいいおじいちゃんやおばあちゃんになりたい、みたいなあまりにもざっくりしすぎた将来像になってしまう。人生の全盛期は20-30代なのに。


ところで、思考停止レベルを3段階に分けるとしたらこんな感じでしょうか。

【レベル3】やりたいことや目標は特になく、とりあえず周りと同じ会社を受けてみて、受かったらラッキーでそこにいく。

【レベル2】やりたいことはなく、割ときつそうだけど力のつきそうな業界で一旦働きつつ様子を見て、時間をおいてから考える。(これが上述した例ですかね)ちなみに自分もここです

【レベル1】自分でやりたいことやそのための目標を定めることができ、自分の考えを一番の軸にして道を選び、目標へ向かう努力をすることができる。


こうしてみると、レベル1が「戦略的に自分のキャリアを考える」ことができていると思います。レベル2はどちらも自分のキャリアについて考えているわけではなくて、悩んでいる状態をとりあえず先延ばしにする。時間が経てば見えてくるものがあるはずだと、そう思っているわけです。


こうしてみると、レベル2は、リスクがない安全策をとっているように見えて、周りを見ないでがむしゃらに働いているうちに、レベル1みたいな同世代の存在をふと知り、気づいたら遅かったーとか、もう少し早く策を講じておけばよかったーと、焦ったりして後悔する可能性だってあるわけですね。

それともう一つ、レベル2とレベル1の間で決定的に違うのは、周りの後追いをしているかどうか、です。レベル2はいつも様子見しているわけですから、後追いになります。堅実?。レベル1はリスクをとっているわけですから、その分得られるリターンも大きい。

そして、レベル2は、仮にとりあえず成長できそうだからと入った会社で働いたとして、以下の問いが必ず付きまとうんですよね。

「何をいつまで続ければ自分にとって十分なのか?」

今働いているレベル2の人の中でも、これが決まらずにいる人が多いような気がします。目標を自分自身で立てることが難しいんですよね。そしてだいたい周りの同期がポツポツと転職していくようになってこの問いがあったことに気づくんですよね。
自分のことでもあります(笑)

レベル2のような、とりあえずここにいれば中の上ラインには入れるだろうと様子を見ながらキャリアを志向する人は、かっこいいおじいちゃんやおばあちゃんになりたいと言っている割には、他者の後追いであるし、自分で目標を立てることが難しい。だから、いつか決めようと思いながら結局何も決めることができずにずるずるしちゃうんですよね。

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