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「不安」と「寂しさ」との上手なつきあい方とは?


本日の担当は、非医療者という立場から
「医療をより身近に感じられる世の中にしたい」という思いでMIラボに所属している、ちこ(@riiita8)です。  

わたしが紹介するのは、松浦弥太郎さんの「あなたに贈る人生のくすり箱 愛さなくてはいけないふたつのこと」という書籍です。 


みなさんは、「不安」や「寂しさ」を感じる日はありますか?

過去のわたしはいつもどこか不安で、心の拠りどころを探していました。
そんな中、この書籍と出会い「不安」や「寂しさ」の付き合い方を少しずつ身に着けることで、気持ちがうんと楽になりました。

「不安」や「寂しさ」を感じた時は、 この書籍をぜひ手に取っていただきたく思います。


目次はこんな感じ。

第一章 「ふたつのこと」を見つめよう。
     将来が不安なあなたに
     自信がもてないあなたに
     認めてほしいあなたに
     友だちが欲しいあなたに
     やめられないあなたに
    ■この章のまとめのエクササイズ
第二章 「ふたつのこと」を受け入れよう。
     失敗を恐れるあなたに
     臆病なあなたに
     独りが怖いあなたに
     老いたくないあなたに
     病気が怖いあなたに
    ■この章のまとめのエクササイズ
第三章 「ふたつのこと」をゆるそう。
     嫌われたくないあなたに
     辛さから逃げたいあなたに
     失いたくないあなたに
     貧乏が怖いあなたに
    ■この章のまとめのエクササイズ
第四章 「ふたつのこと」を愛してあげよう。
     見た目を気にするあなたに
     自分が嫌いなあなたに
     出産に悩むあなたに
     夢を叶えたいあなたに
     なにもかも不安なあなたに
    ■この章のまとめのエクササイズ


「この本の使い方」として、本書では次のように書かれています。

 この本は、「不安」と「寂しさ」を抱える人のためのものです。
 自分の中の「不安」や「寂しさ」を見据える勇気と、それを抱きしめ、愛する強さをもちたいと、僕自身が願いながら書いた本です。
 辛さや苦しみでどうしようもなくなった日、自分を見つめるためのツールとして、使っていただけたらと思っています。
                          (P.8より一部抜粋)


ここからは、「不安」や「寂しさ」を抱えてどうしようもなかった時、わたしがこの本を読んで特に印象に残った項目を紹介していきます。


認めてほしいあなたに

「認められない不安と寂しさ」を感じているなら、ちょっとスイッチを入れ替えてみましょう。他人でなく、自分に目を向けて、自問するのです。
「私は、誰を認めているだろうか?」
                         (P.37より一部抜粋)

「認められない」と感じているときは、評価してくれない相手に対する感情で頭がいっぱいになりがち。

そんな時こそ冷静になり、自分自身は相手のよいところを評価しているのか、実績を認められているのか、立ち止まって考えてみることが大切。人を悪く言ってしまうのであれば、自分に自信がない証拠です。

認められている人は、周りの人のこともたくさん認めている。

評価される人は、「自分が貢献できることは何か?」を考え、愚直に実践することができる人です。目の前のやるべきことに取り組むことで、信頼を積み重ねているのです。

友だちが欲しいあなたに

「味方が欲しかったら、敵をつくれ」
 もちろん、マナー、礼儀作法、思いやりは守ります。そのうえで、人にどう思われるかを気にせずに、自分を素直に表現するということです。
                         (P.43より一部抜粋)

味方が欲しいのに、敵をつくるのはなぜか?

ここで言う「自分を素直に表現する」ということは、自分の趣味嗜好を表明するということです。人は共通項を見つけることで、仲良くなったり、親近感を感じたりします。
しかし仲良くなろうと思うあまり、相手の意見に合わせてみたり、自分の意見を表に出さないままにしたりしていると、「何を考えているかわからない人」だと思われてしまいます。自分の趣味嗜好を表明するということは、自分の価値観を理解してもらおうと相手に心を打ち明けることなのです。

人は全員から好かれることは絶対にできないし、「好き」「嫌い」を決めるのは相手です。嫌われるときは嫌われるのです。
自分の意思を表明し互いの価値観を共有することができれば、意見が対立してもぶつけあえるし、ともに成長することができるのだと思います。


臆病なあなたに

 人に聞いても、正解はわからない。「絶対にたどり着ける」なんて保証は、誰もしてくれないし、どこにもない。どれだけ考えたところで、わからないのです。
 まずはこの事実に気づき、受け入れるしかないと感じます。いくらかしこくても、「わからないことはある」という厳しい事実を。 
                         (P.73より一部抜粋)

あれこれ考え、不安になる前に、見切り発車でも行動できるかどうか。

自分から見て成功しているように感じる人は「わからないことはある」と認めたうえで、自分の足で歩みを進められる人なのではないでしょうか。たった一歩踏み出しただけで、目の前広がる世界を変えることができます。
「走りながら考えろ」とはよく言いますが、行動すれば自ずと次にやるべきことが見えてくるし、自信もついてくるものですよね。問題が発生すれば、その時に考えて対処すればいいだけの話です。


独りが怖いあなたに

 すべての人は大人になったら、死ぬまでずっと独りで、孤独を背負って生きていく。この事実から、目を背けてはならないと考えています。この世に生きる全員が、平等に孤独だというのが僕の考えです。
 孤独であることは人間の条件であり、試練であり、強みでもあります。誰にも寄り掛からない個としての自分があってこそ、自立歩行で、自分らしく生きていけると思います。
                         (P.83から一部抜粋)

「孤独であることは人間の条件」である

そう言い切ってくれることで、「自分だけが孤独を感じているわけではないのだな」と少し安心することができます。そして、人それぞれ孤独に感じる理由は違うと理解することができれば、相手を思いやり、互いの痛みに気づくこともできるのだと思います。

「自分自身」は一生のパートナー。
外に孤独な寂しさを埋めてもらうのではなく、とことん自分と対話してみる。
「ダメで、みじめで、みっともない。」
そんな自分も含めて愛することで、独りであることを楽しめるし、人との関係性もより深く考えることができるようになるのではないでしょうか。



最後に

今回は、ほんの一部分を紹介しましたが、いろんな「不安」や「寂しさ」を抱える“あなた”に、本書には寄り添ってくれる言葉がたくさんあります。
落ち込んで立ち止まってしまったとき、「今の自分にとって、必要な要素は何か?」その日の状態に合わせて読みたい項目をゆっくり、読んでみてください。
「今の自分と向き合うために何を考えればいいか」というヒントが詰まっています。少し鋭い指摘もありますが、やさしい言葉でそっと語りかけてくれます。
気持ちが落ち込んで、眠れない夜におすすめの1冊です。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。