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舞台「ちょっと今から仕事やめてくる」(2023/4/26)

橋本祥平さんと梅津瑞樹さんの主演舞台
「ちょっと今から仕事やめてくる」

4月26日の公演を観劇して少し経ってしまったけれど。
どこかに思いやらを残しておかないと先へ進めない感じがして…
そしてあの日観たものの記憶が薄れていくことが淋しくて…
少し経ってしまったけど言葉にしてみようと思う。
うまく表現できないことが多々ありそうだけど。

まず、後出しじゃんけんみたいなことを言うと、
発表される前からこのふたりの俳優さんのダブル主演を望んでいた。
というか妄想していた。
妄想上では梅津さんが会社員で橋本さんがそのペットの犬という設定。
妄想は10話ほどあって、そのストーリーはまた改めて。
ともかく、この公演とキャストが発表されたときはかなりびっくりした。
びっくりした後に嬉しかった。
そして4月26日昼公演のチケットと有給休暇と新幹線のチケットをとった。

観劇前日:4月25日(火)
今日の公演は主演の橋本さんの体調不良により休演。
翌26日以降の公演については18時までにTwitter等で案内されるとのこと。
「もしかしたら無理かもな…」と思いながら案内ツイートを待つ。
仕事中もTwitterが気になり何度もスマホを触ってしまう。
すでに休暇と東京行きの新幹線のチケットはとっていたから、久々の東京散歩-それも良いか、と気持ちはシフトしていっていた。
そして18時。
案内ツイートはなく、「やっぱり無理かもな…」と半ば諦めモード。
ところが暫くして、翌日より公演再開とのツイートが。
ちょうど帰宅したタイミング、自宅玄関で “心が躍る” を実感したよね。
ただ、橋本さんの体調のことはとても心配。
「祥平くん、ほんと無理しないで。わたしのことはいいから…(?)」と。

観劇当日:4月26日(水)
12時過ぎ。劇場のある北千住はあいにくの雨降り。
開場してまもなくくらいのタイミングで劇場に到着したけど、すでに客席は8割ほどがうまっていた。で、そのほとんどが女性………
って、そうだよね。
今を輝く2.5次元界のトップランカー2人が主演なわけだから。
といっても、ここまで女性ばかりなのか…なんかすげぇ…
わたしみたいな田舎民にはカオスな世界。なんか緊張。
けど、2.5次元つながりのお友だちは欲しいなぁ~って思う。

そして14時。開演。
ストーリーは、サラリーマンの青山(橋本さん)が駅のホームから線路へ飛び込もうとしたところで高校時代の同級生を騙るヤマモト(梅津さん)が青山の腕を掴んで引き留めるところから展開していく。

ここからは感想。
なんかね。登場人物それぞれがいとおしかった。
青山もね、ヤマモトもね。それぞれが悲しみや空しさを抱えていて。
青山は最初はヤマモトのそういった抱えているものに気づいていなくて、あることをきっかけにそれを知ることになるんだけど、そこで青山からヤマモトへの思いやりのかたちが変わるというか、青山が自立していくのね。
そして「あなたは幸せですか?」とぶつける。
客席ではすすり泣きの声があちこちから聞こえてきてて。
わたしも泣けたらよかったんだけど、それ以上に橋本さんの迫真の演技をしっかり記憶に焼きつけたくて、以外と冷静に青山を見守っていました。
青山の心情には寄り添えるところも多くて。
青山は、演技とはいえとても突き詰められる役で、観ていて辛く苦しくなることもあって、それだけに心に刺さる。
加えて言うなら、これは私的感情だけど、前日に体調不良でお休みされていた橋本さんがこんなにも気迫あふれるお芝居をされていることに打たれた。
あと、終盤でわかるヤマモトの素性。
ヤマモトは根明で情に厚い男だと思っていたけど…。
辛い過去を背負いながらも真に優しい。
その優しさを知ったときに泣けた。
「スーツを着たサラリーマンがスキップをしながら横断歩道を渡るは初めて見た」だっけ…確かそんな感じの台詞。なんか好きだな。
それから、これもうろ覚えな台詞で「優の分までというのは烏滸がましい」と。確かに、確かにそうなんで、真理を突く台詞だけど、敢えての台詞のように感じた。
それから、青山を罵倒する上司(町田慎吾さん)も、青山の会社の先輩(中村太郎さん)もそれぞれ心に闇(病み)を抱えていて、その闇に近しいものはたぶんわたしの中にもありそう。
上司も先輩も自身の闇を知りつつ気づかないふりをして、ときどき葛藤もしながら日々を送っているんじゃないかな…
良いものではないんだけどそれも人間らしさのように思う。
殺伐とした部分との対比もあってか、最後には温かな気持ちに。
わたしはたぶん絶対強くない。
登場人物のことをいとおしく思ったのは人ってかわいいなって。
美空ひばりさんの「愛 燦燦」に漂着です。

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